• 収益物件掲載募集
  • 不動産投資セミナー掲載募集
  • 収益物件 売却査定

10,707アクセス

歴史的な大転換期は間近か。年末年始に投資家がするべきこと。

長嶋修さん_画像 第206話

2018年は、「 かぼちゃの馬車事件 」「 地面師事件 」「 レオパレス欠陥アパート事件 」をはじめ、様々なトピックに事欠かない不動産市場でした。

とりわけかぼちゃの馬車事件から派生したいわゆる「 スルガショック 」は融資を冷え込ませたり、市場そのものに疑心を生むこととなり、収益物件の価格に頭打ち感が出ましたが、暴落のような深刻な事態には至りませんでした。

私はあちこちの不動産投資家向けセミナーに招かれ講演を行っていますが、むしろ事件後のほうが来場者数も多く、不動産市場への関心を再確認した次第です。

さて、こんななか、2019年はいったいどうなるのでしょうか。

来年8月には2パーセントの消費増税が予定されています。夏には選挙がありますのでその対策として増税が凍結される可能性もあるのではないかと私は考えていますが、仮に増税が実行された場合にどうなるか。

住宅市場では「 住宅ローン減税期間の3年延長 」「 すまい給付金を拡張したうえで交付 」といった措置が実行される見込みで、住宅市場経由での大きな駆け込みやその後の落ち込みはなさそうです。

が、それより何より、このままの景気動向では、増税分だけGDPが減る結果にしかならないのではないかと思います。

こうした落ち込みはもちろん、不動産価格や賃料にはマイナスの影響を与えますが、消費増税は、可処分所得が比較的高い向きにはさしたる影響はなく、相対的に低所得の家計に大きく打撃を与えます。したがって低価格・低賃料の物件により大きくマイナスの影響をもたらすでしょう。

消費税より気がかりなのは「金利動向」。EUは金融引き締めの方向、米は段階的に利上げをもくろむ中、基本的には国際的な協調が求められる金融政策といった枠組みで、日本の現行の金利水準をいつまで続けられるのかといったことです。

現在のところ、金利が動く要素は見られませんが、秒読みの段階に入ったとみていいのではないでしょうか。日銀黒田総裁の任期は2023年までですが「 任期中に異次元緩和の正常化プロセスを検討する必要がある 」との見方を示しています。

正常化とはつまり「 大規模金融緩和の店じまい 」と「 金利正常化 」です。

2パーセントのインフレ目標は、かつてほど強調されなくなりましたが、結局インフレというのは、実質所得の減少を意味しますので、その手前で、国民の所得が増えていなければマイナスの影響にしかならないわけですが、その気配はいまのところありません。

所得アップを伴わないインフレは課税のようなもので、そうでなければ国債発行は将来の増税を伴わないと持続可能ではないわけです。

また仮に国民所得が上昇したとして、日銀が手じまいする手順とは、具体的にどのようなものでしょうか。このことについては私も何度も考えたのですが、どうににも思いつきませんし、おそらく説明できる人はいないのではないでしょうか。

したがって結論は「 現在の日銀の施策に出口はない 」「 所得上昇を伴いマイルドなインフレを導けない限り大増税しかない 」「 それもできないなら、いつかは破たんしかない 」となります。あくまで論理的に考えるとそうなるということです。

こうしたなか、国内や海外の経済・政治動向を俯瞰すると、非常に不穏な動きを感じます。いよいよ、長らく続けてきた政治・経済支配体制が一つの終焉を迎えようとしているのでしょうか。

トランプ政権が金利上げを実行しているのは自国をつぶそうとしているようにしか私には思えませんし、英国が離脱決定し仏で大規模な暴動が起きるEUは自制が効かなくなっているようにみえます。

EUにいる限り通貨発行権がなく、金融緩和もできず、国債発行に制限があり、といった状況では、緊縮財政か増税路線にしか動けないのですから無理もないのではないでしょうか。

南北朝鮮は和解しましたので、地政学的なリスクが残るとすれば、皇太子が殺害された疑いがもたれるサウジアラビア人記者殺害事件や、イスラエルあたりでしょうか。

リーマンショックは投資銀行の破たんでした。今回あり得るのは、金融機関が破たんした後、それを救いきれない国家の破たんですが、この程度のことは、想定しておいたほうがいいかもしれません。

本来リーマンショックで経済が崩壊したところ、国家がそれを救ったわけですが、今回はその国家も莫大な負債を抱えています。もしこのような事態に陥る流れだとしたら、早ければ2年後、遅くとも5年後といった見立てを、私は持っています。

いずれにせよこれからしばらくは、歴史的な大転換期です。

一方でいま世の中には「 ブロックチェーン 」「 AI 」といった画期的な技術が生まれています。こうしたテクノロジーは社会を大きく変容させる可能性があり、大きな希望が持てるものです。

ここに仮に「 エネルギー革命 」が加われば、まさにパラダイム転換が起きるのではないでしょうか。いずれにしても私たちは、時代の大きな節目の中で、どう考え、どう行動すべきか。この年末年始はよく考えておきたいところですね。


健美家サイト会員登録で最新コラムやニュースをチェック!

健美家不動産投資コラム

プロフィール

■ 長嶋 修さん

長嶋 修さん

不動産コンサルタント
さくら事務所 会長

長嶋修さんのブログ

不動産デベロッパーで支店長として幅広く不動産売買業務全般を経験後、1999年に業界初の個人向け不動産コンサルティング会社である、不動産の達人 株式会社さくら事務所を設立、現会長。

以降、様々な活動を通して“第三者性を堅持した個人向け不動産コンサルタント”第一人者としての地位を築く。国土交通省・経済産業省などの委員も歴任。

2008年4月、ホームインスペクション(住宅診断)の普及・公認資格制度をめざし、NPO法人日本ホームインスペクターズ協会を設立、初代理事長に就任。

また、TV等メディア出演 、講演、出版・執筆活動等でも活躍中。

現在、「東洋経済オンライン」、「Forbes JAPAN WEB」等で連載コラムを執筆中。業界・政策提言や社会問題全般にも言及。

主な著書に、『空き家が蝕む日本』(ポプラ社)、『不動産格差』(日本経済新聞社)、『5年後に笑う不動産』(ビジネス社)等。

【連載中のコラム】


【著書一例】



ページの
トップへ