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世界の政治・経済に大変調。元号の変わり目には大きな変化が起こる!?

長嶋修さん_画像 第208話

敏感な方は昨年後半あたりから、あるいは今年に入って、時代が大きく変わる予感をお持ちでしょう。その予感はおそらく「 大あたり 」です。

今年は平成が終わり「新元号」がスタートしますが、歴史を振り返れば元号の変わり目には大きな変化が起こってきました。昭和の後は「 金融恐慌 」から「 戦争 」へ。昭和から平成の後は「 バブル崩壊 」が起こり、日本は「 失われたウン十年 」を過ごしました。

昨年後半までの私のスタンスは「 日本の不動産市場はバブルではない。したがって崩壊もない 」というものでしたが、そろそろ身構えるタイミングが来たようです。

■ 地方銀行のウィンドーは閉まった

さて、不動産投資の世界では「 不正融資 」が世の中をにぎわしていると思えば、今度はレオパレスの新たな不正が発覚するなど、不動産投資市場には不信感が広がっています。

まず「 スルガショック 」に象徴される、書類改ざんなどによる不正融資について。実はこうしたことは、数十年前はわりと頻繁に行われていました。

真の契約書とは別に、金融機関提出用に契約書を2通作成するとか、白紙の源泉徴収票に、自由に年収を書き込むといったことです。

こうしたことも時間の経過とともに、コンプラ意識の高まりもあって、徐々になくなっていきましたが、今回は以前より大胆に、しかも金融機関まで協力する形で行われていたのは衝撃的です。

これを受けて金融庁は金融機関に対し監視を強める動きを見せ、金融機関は、過去の不動産投資に対する融資についてこの根拠提出を、金融機関に求めているようです。

こうした事態を受けて大東建託社長は「 地方銀行のウインドーは閉まった 」などと発言しています。

また、新たな不正工事が発覚したレオパレスの記者会見によれば「施工性を優先した」とのことで、要は「 工期優先 」「 金利負担減 」によるコスト減、あるいは「 年度末に向けた決算数字合わせ 」といった目的があったのでしょう。

政府の「統計データ」にも不信感が広がりました。厚労省の「 毎月勤労統計 」を多姫とする多数の統計データが信頼できないこととなり、GDPの速報と確報の乖離(かいり)にも疑問の声が出てきました。

こうした政府公表データが信頼できないとなると、それをもとにした政策にも根拠がなくなり、霞が関や永田町に対し不信感が広がります。こんな風に社会に不信感が蔓延するのは、時代の変化のサインのひとつです。

■ 明らかに減速する世界経済

世界経済も明らかに変調。「 ブリグジット 」「 米中貿易戦争 」などで世界経済は明らかに減速。日米中は単純にいえば、日本の機械を中国が買い、それを使って製品を作って米国に売るといった関係がありましたが、中国経済が減速すれば共倒れ。

そしてその中国。現在なんと5,000万戸の住宅在庫を抱えています。中国の新築着工は年間1,000万戸程度ですから、ざっと新築5年分が売れてないわけです。

中国不動産開発企業は今年に入ってから、債務返済のため、相次いで総額2兆円規模の社債発行計画を発表しましたが、今年社債変換期限を迎えるのは6兆円強。

そこで不動産開発業者は金利9−15%もの社債を発行して過去の社債の返済に充てている状態で、昨今では香港で15%の社債を発行して急場をしのいでいます。

こうして発行された社債は昨年、その8割が過去に発行した社債の償還に使われており、つまりは自転車操業。15%の社債を発行するということは、20−25%の利益を不動産業で上げる必要がありますが、現在の中国国内でそんなことは無理です。

米主要都市は不動産価格下落鮮明、ロンドンは英国中央銀行が住宅価格は30%、商業不動産価格は48%それぞれ下落を予測、オーストラリアはシドニーの2ケタ下落に続き、メルボルンも大下落といった状態です。

この状態でどこかの株式・債権市場に変調あれば、どの市場がはじけてもおかしくはありません。

さて、こうした変調の兆しは、少し前の「 ローマ法王の生前退位 」、「 トランプ政権誕生 」「 ブリグジット 」などに象徴的に表れていました。世界の構造は、日米欧といった国単位で動く一方、金融の「 シティ 」、宗教の「 バチカン 」、軍事の「 ワシントン 」 といったシフトで動いているというのが私の認識です。

この三者に大きな変化があったのですから、今後の政治・経済体制も、これまでにない変革に見舞われるとみるのが自然でしょう。

こうした中で出てきた、トリックスターとしてのトランプは、米軍を中東から撤退、南北朝鮮を和解に導き、やがては米軍撤退で国内への引き上げをもくろんでいるのではないでしょうか。その一環としてメキシコ国境建設、そこに米軍配備といったシナリオだと思います。

さらにトランプは、米国の貿易赤字解消を意図しています。トランプ以前は金融が優先され、つまりは円安ドル高ですが、トランプ後は自動車などの国内産業重視ですから、逆に円高ドル安を望みます。

元日銀理事が「 1ドル80円もあり得る 」と発言していますが、さらなる円高は必至で、日本の貿易黒字は大幅に削減されるのではないでしょうか。

■ 株価と共に不動産価格も下落か

さて、こうした形で政治が動くと、当然経済も混乱。そうなると日本やスイスのような、通貨の強い国は、インフレではなくデフレ方向、それ以外の国はインフレでしょう。

デフレは物価が下がることで国民の生活は楽になりますが、所得は下がり雇用は失われます。株価は下がり不動産価格も下落。つまり国内不動産はしばらく大変です。一方で円高となると海外不動産に妙味が出てきますね。

都心不動産価格は、0―15%程度は普通に下がります。テクニカルに見るといかにも危うそうな日経平均株価が1万6,000円程度になればさらなる下落、大変調となれば株価は自民主党時代に8,000円程度もあるかもしれません。この時不動産価格は30−40%の下落が想定できます。

株価も不動産価格も、理屈や学問が通用するのは市場が「 なぎ 」状態の時だけで、今みたいに政治的変調とか、前提が崩れる時には全く無力で、それを後になって「 イベントリスク 」とか「 ブラックスワン 」「 想定外 」と呼んだりします。

このコラムは月イチ更新ですが、時代の変化が早い昨今は、1カ月もたてば大きな社会情勢変化が起きているでしょう。そうした最新イベントも踏まえ、今後の政治・経済情勢を占いつつ、不動産市場を考えます。

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プロフィール

■ 長嶋 修さん

長嶋 修さん

不動産コンサルタント
さくら事務所 会長

長嶋修さんのブログ

不動産デベロッパーで支店長として幅広く不動産売買業務全般を経験後、1999年に業界初の個人向け不動産コンサルティング会社である、不動産の達人 株式会社さくら事務所を設立、現会長。

以降、様々な活動を通して“第三者性を堅持した個人向け不動産コンサルタント”第一人者としての地位を築く。国土交通省・経済産業省などの委員も歴任。

2008年4月、ホームインスペクション(住宅診断)の普及・公認資格制度をめざし、NPO法人日本ホームインスペクターズ協会を設立、初代理事長に就任。

また、TV等メディア出演 、講演、出版・執筆活動等でも活躍中。

現在、「東洋経済オンライン」、「Forbes JAPAN WEB」等で連載コラムを執筆中。業界・政策提言や社会問題全般にも言及。

主な著書に、『空き家が蝕む日本』(ポプラ社)、『不動産格差』(日本経済新聞社)、『5年後に笑う不動産』(ビジネス社)等。

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