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国内政治は混沌へ、円高・株安・デフレ進行で不動産投資はどうなる?

長嶋修さん_画像 第209話

国内景気の不透明感・減速感が鮮明になってきました。今回のコラムは「 国内政治は混沌に陥り、日本経済は激しい円高・株安・デフレに見舞われる 」というものです。

■ アメリカが目指す貿易赤字の解消

各所で「 下方修正 」や、数千人規模の「 人員削減 」といった文字が踊り、1月の「 景気動向指数 」は「 足踏み」 から「 下方への局面変化 」に引き下げられ、鉱工業生産指数は3か月連続の低下を示しています。

主な要因は中国経済の大減速であり、それは「 米中貿易戦争 」に由来します。これから始まる米中通商協議では、知的財産の扱いや関税の水準について、中国にとって相当程度厳しいものになることが見込まれています。

中国経済に暗雲が垂れ込めれば、アジアやドイツ・そして日本経済には大打撃です。さらにこの後、おそらく4月か5月には日米の貿易交渉が始まります。ここで日本経済にはさらなる試練が待ち受けているでしょう。

このことに当てはまるトランプ大統領の大きな目的は「 貿易赤字の解消 」です。ということは、彼らは、以下の導入することを目指すことになります。

1.米農産物・畜産品の輸出強化
2.日本製自動車の輸入制限
3.為替条項


これで、国内の一次産業はにわかに厳しくなるでしょう。続いて、TOYOTAなど自動車産業にも大打撃を与えそうです。

また、これまでのように、直接・間接的な為替誘導による「 円安=株高 」の構図を創らせないことを企図した「 為替条項 」は、政府・日銀の超低金利・量的緩和政策にも影響を及ぼす可能性があります。金利を下げて日本円を擦りまくったら円安になるのは明白だからです。



■ 7月の参議院選挙後の日本はどうなる?

こうした中、7月には参議院議員選挙があります。6月あたりから次々と公表される企業決算はマイナスサイドに転じるものが大勢を占める公算が高い中、現政権としては株価を維持したいはず。

となれば、日銀・年金買いや、もしかしたら企業に自社株買いを要求するなどして何とか頑張ろうとするでしょう。野党としては、景気悪化の責任を与党に求めつつ、この状況で10月に消費増税を行うのか? といった主張を繰り広げるのは必至です。

したがって、現政権は選挙直前に消費増税を延期する可能性もありますが、増税前提で事が進んできたものを見直すというのは、これはこれで非常にエネルギーのいることであり大変で、どうなるかわかりません。

野党は分裂、現政権を倒すほどのパワーはなく、与党の大敗はないと思われます。有権者としては「 データ改ざんなどの問題はあるものの、かつての民主党政権には懲りているし、なにより株高が演出され雇用が戻りつつあるのだから我慢しよう 」といったところではないでしょうか。

いずれにしても、選挙後の日本経済は相当程度悪化する公算が大きく、株安となるとそうした国民の期待も揺らぎます。そうなると、北方領土問題や拉致問題など、実は外交にほとんど成果を出せていないことや、なにより円高に向かうことで、経団連などの圧力が強まるのは必至です。

どのような形であるにせよ、政権運営はかなり厳しくなり、しばらくは、誰が何をやっても厳しいといった状態になるものと思われます。そして円高・株安が明白となればデフレに陥り、そうなると有権者も離れます。

そもそも円安株高を望む姿は、新興国モデルといってよく、日本のような先進国・成熟国は自国通貨高のモデルを構築しておく必要があったところ、構造改革をしないまま進んできたツケを、ここにきて払うというわけです。



■ 景気の下落局面で不動産投資家にできること

さて、こうなると不動産市場は、2012年以降の株高と共に上昇してきた文脈は終了です。

新築マンション発売戸数や販売価格はとうに頭打ちしているほか、都心中古マンション価格は株価が2万4,000円程度である水準にとどまっており、10〜15%程度の価格下落が自然でしょう。

こうしたなか投資用不動産は、賃料の下方硬直性から比較的デフレに強い性格があるものの、賃料は下落方向に向かいます。融資枠を目一杯使ってギリギリの経営をしている不動産投資はかなり厳しい状況に追い込まれるでしょう。

不動産投資に関する融資がこれ以上緩和されるとも考えにくく、投資用不動産価格は下落報告に進み、後は程度問題ということになります。そこで不動産投資家のできるのは、自身のアセットについて再考すること。

つまり、賃料想定やポートフォリオ、融資の中身について見直しを行い、身構えておくことです。また、不動産価格下落局面ではチャンスが訪れる可能性も出てきますので、自身の目利き力を高めておくことですね。

株価や経済が現状をキープできるのはせいぜい選挙まで。下手をするとその前に減速せざるを得ないかもしれない、不動産はそれに遅れて反応する、といった前提でいるくらいがちょうどよいのではないかと思います。



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プロフィール

■ 長嶋 修さん

長嶋 修さん

不動産コンサルタント
さくら事務所 会長

長嶋修さんのブログ

不動産デベロッパーで支店長として幅広く不動産売買業務全般を経験後、1999年に業界初の個人向け不動産コンサルティング会社である、不動産の達人 株式会社さくら事務所を設立、現会長。

以降、様々な活動を通して“第三者性を堅持した個人向け不動産コンサルタント”第一人者としての地位を築く。国土交通省・経済産業省などの委員も歴任。

2008年4月、ホームインスペクション(住宅診断)の普及・公認資格制度をめざし、NPO法人日本ホームインスペクターズ協会を設立、初代理事長に就任。

また、TV等メディア出演 、講演、出版・執筆活動等でも活躍中。

現在、「東洋経済オンライン」、「Forbes JAPAN WEB」等で連載コラムを執筆中。業界・政策提言や社会問題全般にも言及。

主な著書に、『空き家が蝕む日本』(ポプラ社)、『不動産格差』(日本経済新聞社)、『5年後に笑う不動産』(ビジネス社)等。

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