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2020年は大家さん受難の年-災害被害に備えよ-

長嶋修さん_画像 長嶋修さん 第218話

2019/12/16 掲載

世界は「 米中貿易戦争 」「 ブレグジット 」「 香港デモ 」「 ドイツ銀行危機 」など、リーマン級あるいはそれ以上の危機となる火種が満載。10月の消費増税であらゆる経済指標が悪化する中、日米の株価だけが上昇し、一方では長期金利がジワリと上昇するなど、なにやら不気味な雲行きです。

そんな中、モリカケでも揺らがなかった安倍政権が、度重なる大臣辞任や大学入試問題、そして「 桜を見る会 」で足元がおぼつかなくなり、内閣支持率が低下。年内か年明けには解散総選挙があるかもしれないといった状況のなか、皆様いかがお過ごしでしょうか。

さて今回は、今年最後のコラムですので、2020年の予測など。



■ 2020年以降は、風水害への備えを

残念ながら、来年の不動産投資市場というか大家さんの世界は、一言でいうと「 受難の年 」となりそうです。一番の理由は何と言っても「 気候変動 」。

今年の台風15号や19号では、各地で大中小の被害に見舞われましたが、気候変動がますます激しくなる2020年以降は、さらなる風水害が起きることを前提とした準備をしておいたほうがいいでしょう。

9月の台風15号では、神奈川県の一部や千葉県の多くの地域で屋根が飛ぶなどの被害が続出。私は被災後の千葉県館山市の現地を見て回りましたが、被災の有無の分かれ目は「 屋根工事が2001年以前か以降か 」だったようです。

1995年の阪神大震災の被害を受け、6年後の2001年に、各業界団体合同で示された「 瓦屋根標準設計・施工ガイドライン 」に、工事のやり方が沿っていたかどうか、ということ。

巨大地震( 震度7 )に耐える目的で創られたこのガイドラインより前の屋根工事は、極端にいうと、ただ載っけているだけのようなケースも多く、一定以上の風量には全く対応できません。

ひとたび屋根が飛ぶと、それが周辺の建物の壁を貫通するなどの2次的被害も発生し、地域全体が悲惨な状況となっていました。

自身が保有する建物の屋根は、いつごろの工事なのか、どのような基準に基づいて公示されたのか、確認しておきたいところ。さらには、周辺の建物の屋根工事の状況についても、現状把握をしておく必要があるでしょう。

もちろん、2001年以降の工事であってもガイドラインを無視した工事もあるかと思います。



■ 浸水被害へどう備えるか

10月の台風19号では各地で浸水被害が発生しましたが、来年も海面温度が上がり始める時期が到来すれば、今年以上の浸水可能性があると踏んでおいたほうがよいでしょう。

ハザードマップなどで建物のある立地の浸水可能性を把握し、必要に応じた対応策を検討しましょう。それは「 止水版や土嚢の設置 」「 電気設備などの移動 」といった具体策の他、場合によっては売却という選択肢もありかと思います。

例えば浸水可能性が指摘されている都内某所では、「 24前に広域避難 」「 間に合わなければ垂直非難( 高いところに逃げる ) 」といった指針を打ち出されています。賃借人にはこうしたアナウンスを、大家の側からあらためてあらためて行っておく必要もあるでしょう。

実際に浸水した場合には、最大10メートル・2週間以上浸水する可能性があるとされていますので、もちろん通常の生活はできない上、当面は賃貸経営が成り立たなくなる恐れもあります。

浸水可能性について、現在は不動産売買・賃貸時に説明義務化もありませんが、時期は別として、将来義務化される可能性はほぼ100パーセントとみておくべき。同様に、金融機関の担保評価が見直される可能性も限りなく高いでしょう。



■ 令和は常識が大きく転換する時代

火災保険の料率が上昇するのもほとんど必至です。長期的には災害回避目的のほか、自治体の持続可能性といった観点から、都市計画そのものの見直しもありそうです。

昭和や平成の不動産の常識の多くが、大きく転換するのが令和時代。もっとも受難なのは大家さんに限らず、社会全体が、と言っていいでしょう。

年明けのコラムでは、政治・経済・金融的にどのような受難があるのか、みていきたいと思います。

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プロフィール

■ 長嶋 修さん

長嶋 修さん

不動産コンサルタント
さくら事務所 会長

長嶋修さんのブログ

不動産デベロッパーで支店長として幅広く不動産売買業務全般を経験後、1999年に業界初の個人向け不動産コンサルティング会社である、不動産の達人 株式会社さくら事務所を設立、現会長。

以降、様々な活動を通して“第三者性を堅持した個人向け不動産コンサルタント”第一人者としての地位を築く。国土交通省・経済産業省などの委員も歴任。

2008年4月、ホームインスペクション(住宅診断)の普及・公認資格制度をめざし、NPO法人日本ホームインスペクターズ協会を設立、初代理事長に就任。

また、TV等メディア出演 、講演、出版・執筆活動等でも活躍中。

現在、「東洋経済オンライン」、「Forbes JAPAN WEB」等で連載コラムを執筆中。業界・政策提言や社会問題全般にも言及。

主な著書に、『空き家が蝕む日本』(ポプラ社)、『不動産格差』(日本経済新聞社)、『5年後に笑う不動産』(ビジネス社)等。

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