国内海外ともにコロナがまだ収まっておらず、あらゆる景気指標がこれまでにないほど悪いにも関わらず、日経平均株価は2万3000円台( 8月13日現在 )と、すっかりコロナ前の水準に戻っています。
それどころか原油を除く金( ゴールド )やビットコインなどの仮想通貨を始め、あらゆる資産価格が上昇し高止まりにあります。コロナ前との相対比較においてこれはもはや「 バブル 」と言ってしまっていいのかもしれません。
日米欧が同時に財政出動・金融緩和を行い、とりわけ日米は無制限金融緩和を標ぼうしてきたため、リーマンショックのような金融システムの破綻は起きませんでした。
また一時大幅下落していた株価も元に戻ったわけですから、こうなると市場にあふれたマネーはどこに向かうのかという話になります。この状況は、1980年代後半に巻き起こったバブル経済時と酷似しています。
今回、アドバイスが可能だった身近な皆さんには「 2020年以降は、新規の、大掛かりな投資は控えるように 」とお話ししてきました。今後さらなる社会的な激変が待っていることが予想されたためです。
以前のコラムでも指摘したので詳細は端折りますが、2020年以降は「 パンデミックの第2・3弾 」「 水害や地震などの天災地変 」「 経済ショックや金融システム破綻 」など、想定できる課題が次々と、あるいは同時多発的に起きる可能性が高いと考えていました。
こうした予測は歴史を見れば明らか。激変の第一弾がコロナであるとまでは予想できませんでしたが、結果的にホテル・民泊投資を検討していた方には感謝されました。
■ グレートリセットで、金融システムが変わる?
しかし、今後しばらくは現在のようなバブル的な状況は続き、さらなる株高・資産高といった局面を迎える可能性もありそうです。リミットは、長く見積もって新札発行2024年とみています。
昨年9月に米ワイオミング州においてイングランド銀行総裁が「 合成覇権通貨を検討する 」と言いだしたのがその合図。その後各国がこぞって「 暗号資産・暗号通貨 」に関し動き出しています。
今回もし金融システムが破綻した場合、リーマンショックのように中央銀行がシステム破綻を防ぐことは不可能。すでに中央銀行は資産をパンパンに膨らませており、中央銀行を救う先はないからです。だからこそ暗号通貨が検討されているとみるべきでしょう。
そもそも現在のように、各国に中央銀行が置かれるシステムは、イングランド銀行が置かれたせいぜい330年程度のものに過ぎません。日本銀行が設置されたのは明治維新以降で、まだ150年も経過していないのです。
今後、こうした中央銀行制度が大きく変わる可能性があるでしょう。その際には、現在の通貨システムがなくなり、全て暗号通貨に置き換えられるか、あるいは共存するのか、具体詳細は分かりません。
しかし、次回のダボス会議におけるテーマは「 グレートリセット 」であることからも、経済・金融システムの置き換えが想定されていることは、状況証拠から見ても間違いないものと思われます。
■ 早ければ2025年には新体制が定着か
おそらくいま生きている人にとっては最大の変革がこれからやってきます。日本でいえば明治維新以降の清算。世界でいえばナポレオン戦争の大混乱の後、現行体制でいくと決めた1815年のウイーン会議以降の清算を行うことになるはずだからです。
歴史サイクル的に2020年から2050年の30年間はどちらかというと「 陽転 」。春の前には冬を通り過ぎなければならないといったイメージで、早ければ2025年、そして2030年には政治・経済・金融をはじめとする新体制があらかた定着し落ち着くことになるだろうとみています。
さてどうなりますか。不謹慎かもしれませんが、大変革の時代に対して、いたずらに身構えることもなく、積極的に前進していきたいと思っています。