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壊れるアメリカ、浮かび上がる日本

長嶋修さん_画像 長嶋修さん 第231話

2021/1/25 掲載

米大統領線は、現職のトランプ氏をバイデン氏が倒し大統領に就任する、という交代劇が起こりました。それまでの経過、例えばトランプ氏の2期目に向けた準備の様子や、前回当選時よりトランプ氏への支持が広がっているであろうことなどを踏まえ、トランプ再選を予想していました。

選挙戦が近づくに連れ雲行きの怪しい雰囲気となり、トランプ氏はホワイトハウスを去ることになりました。今回の選挙戦を巡っては、不正選挙の痕跡がいくつも垣間見え、したがってトランプ支持者には到底納得できないものでしたが、決まったことは決まったことだとの認識が必要です。

さて、バイデン政権とはどのようなものか。簡単に言うと「 オバマ政権時に戻る 」ということです。主要閣僚にはオバマ政権時に副長官など補佐的な地位にいた人物が長官へと繰り上がるといったケースが多いのです。

そして「 大きな政府 」を志向しています。景気回復のための大幅な財政出動はもちろん、4,000万人を超えるフードスタンプ制度の拡充を始め、法人税や株式売却時の譲渡所得税の拡充などが想定されています。要は「 税金をたくさん集めて、たくさん使う 」というわけです。

■ アメリカは混乱の時代へ

さて、ここまでは一般論的な新大統領後の予想。ここから独自の見立てをお話ししたいと思います。今後米国は没落の一途をたどるでしょう。1950年代以降世界のトップに君臨してきたように見える米国は、1ローカル国家に転落です。

決定的なのは、国民の中の「 決定的な分断 」です。これまでも1%対99%と言われるような残酷な格差社会が形成されてきましたが、トランプ支持者、強い言い方をするとトランプ信者の一部は、今回のような選挙結果は受け入れず、より先鋭化、場合によってはカルト化するでしょう。

一方で米国左派の中には、社会主義的・共産主義的、さらにはアナーキスト( 無政府主義 )が力を増しています。愛国的なトランプ支持層と、無政府主義的思想は決定的に折り合わず、しかも今回は不正選挙疑惑が残るといった因縁が残りました。

これはあたかも花瓶を落として割ってしまったようなもので、もうもとには戻せないでしょう。これはもちろん米ドル覇権・基軸通貨の終焉を意味し、世界の警察としての米軍も大縮小となります。

「 アメリカンドリーム 」や「 自由の国 」といったフレーズはとうに昔のこととなり、優秀な人ほど自分の生まれた国に帰るとか、より自由な国に移動するなど、米国外への人材の流出が起きるでしょう。

人が動けば資産も流出。人や資産が国外から出ていくのは、文明や国家が滅びるときに共通して起こってきたことで、今回の米国の変化はそれに値するということです。要は米国は今回の選挙において、よりぶっ壊れる方を選択したわけです。

したがっていくらオバマ政権時に戻る、大きな政府を志向するなどの手を打っても、その意味は限定的。新政権は短命に終わり、つぎの秩序が出来上がるまで、当面は混乱・混沌が続きそうです。

それはかなり時間のかかることで、例えば体調を理由にバイデン氏が辞任し副大統領のカマラ・ハリスに代わるものの、それでもコントロールが効かないといった、何をやってもうまく行かない時代を経ることになることを予想します。

■ 棚ぼた的に日本にマネーが流入する

良く言えば米国の同盟国、悪く言えば属国とされてきた日本はここで、思い切った方向転換ができればいいのですが、現政権にもおそらく次期政権にもそうしたことは望めないでしょう。 にもかかわらず米国の分断、英国のブレグジットからのEUの分裂といった流れから、棚ぼた的に日本にマネーが流入するのは間違いないと思います。

ただしそれは期間限定的な話であり、その先にはいわゆるグレートリセットが待っています。それは「 合成覇権通貨・暗号資産へのチェンジ 」を伴い「 民主主義や資本主義の形が変わる 」というようなものです。

つまり、日本や世界をまとめて言うと、1990年バブル崩壊以降の清算、1945年戦後の清算、1867年明治維新以降の清算、1815年ウイーン会議以降の清算までを一気に行うのがこれからの局面であるといえます。

AIやロボット、ゲノム解析や宇宙開発といったテクノロジーを折り込みながら時代や文明の一大転換を迎えるといった、非常にエキサイティングな局面です。当面は株や不動産を始めとする資産高が続くでしょう。

しかし、それは通過点であることに留意してください。合図は「 金利上昇 」そして「 財政破綻 」。「 自国通貨建てで借金できて低金利なのに財政破綻はしない 」といったご意見はごもっともですが、金融危機や財政破綻は起きるものではなく、起こすものであることは、歴史を見れば明らかであることもまた事実なのです。

プロフィール

■ 長嶋 修さん

長嶋 修さん

不動産コンサルタント
さくら事務所 会長

長嶋修さんのブログ

不動産デベロッパーで支店長として幅広く不動産売買業務全般を経験後、1999年に業界初の個人向け不動産コンサルティング会社である、不動産の達人 株式会社さくら事務所を設立、現会長。

以降、様々な活動を通して“第三者性を堅持した個人向け不動産コンサルタント”第一人者としての地位を築く。国土交通省・経済産業省などの委員も歴任。

2008年4月、ホームインスペクション(住宅診断)の普及・公認資格制度をめざし、NPO法人日本ホームインスペクターズ協会を設立、初代理事長に就任。

また、TV等メディア出演 、講演、出版・執筆活動等でも活躍中。

現在、「東洋経済オンライン」、「Forbes JAPAN WEB」等で連載コラムを執筆中。業界・政策提言や社会問題全般にも言及。

主な著書に、『空き家が蝕む日本』(ポプラ社)、『不動産格差』(日本経済新聞社)、『5年後に笑う不動産』(ビジネス社)等。

【連載中のコラム】


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