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加速する資産バブル。不動産投資をするには厳しい市況の中で何をするか?

長嶋修さん_画像 長嶋修さん 第233話

2021/3/18 掲載

2012年の民主党から自民党への政権交代以降、ほぼ一本調子で上昇してきた日経平均株価や不動産価格。17年あたりに一旦ピークを打ったようにみられたものの、折からの金融緩和で個人・法人ともに投資意欲は旺盛です。

なにより日銀がETF( 上場投資信託 )やREIT( 不動産投資信託 )を通じて資産市場を下支えしているといった安心感からくる下値の限定感が。株式市場では、前場に下がると後場の市場終了間際になって、日銀買いとおぼしき買いが入り、やや上げて終了といったお決まりの流れです。

3万円を超えた昨今はそうした動きがストップし、一時市場には緊張感が走ったものの、日銀としての基本スタンスには変更がないどころか、さらなるマイナス金利深堀りの覚悟まで示すアナウンスが流れ、市場は一安心といったところです。

■ 不動産投資をするには厳しい市況

昨年初頭からのコロナ禍では、当時2万4,000円台だった日経平均株価は1万6,000円台へ急落、緊急事態宣言中の不動産取引数も半減しました。

しかし、日米欧の同時協調的な財政出動や金融緩和、とりわけ日米は無制限金融緩和といったアナウンスもあり、90年バブル崩壊や08年リーマンショックのような金融システム破綻的な状況は訪れず、日経平均は一時3万円超え、不動産市場はコロナ前より上昇といった、いわば資産バブル的な様相。

世界にあり余るマネーが希薄化し相対的に通貨の価値を下げる一方、そのゆくえは株や不動産、ゴールドや仮想通貨、宝飾品や美術品などに向かう流れです。

このような中、安定的なインカムゲインを得ることを目的とした不動産投資は非常に難しい状況に。資産価格上昇に賃料上昇がリニアに追いつかないためです。

長らく不動産投資市場を定点観測している向きから見れば昨今の不動産価格はあまりにも高すぎ、とても手を出せる気にはなれないといったところでしょう。丹念に割安物件を見つけるか、取得後にリノベーションなどで新たな価値を見出すといった努力が求められます。

■ 資産バブルは加速する

さて、この後どうなるか。一言で言えば「 資産バブルが加速する 」ということです。不動産市場で言えばインカムゲインを目的とした投資は影を潜め、キャピタルゲイン( 売却益 )を目的とした投資や、賃料上昇を期待した投資がメインストリームとなります。

これは90年バブルや08年リーマンショック前のプチバブル時に起きた事と同様ですが、当時とはマネー総量が圧倒的に異なり、今回はここからさらに想像もつかないような取引市場が形成される可能性が最も高いとみています。

そうならない場合でも、高止まりのまま早ければ2年後、遅くとも3〜4年後には、これまで何度かお話ししてきた金融システムリセットを迎えるということになるのでしょう。少なくとも2025年にはもろもろ決着がついているといったイメージです。

■ 何に投資したらいいのか

筆者によくいただく典型的な質問は「 何に投資したらよいか 」というもの。株・ゴールド・仮想通貨・不動産・ドルなど多様な選択肢がある中で、どうすればよいのでしょうかと。

まず仮想通貨は、その価格の裏付けは需給のみであり、いつゼロになっても全く不思議ではない性格のもの。また金融システムリセット後に流通する可能性のある合成覇権通貨や暗号資産にもなりえません。とはいえ、資産保全の一端としてその地位を一定程度確保する可能性はあります。

ゴールドは最も固い投資でしょう。しかし、それ自体は何も収益を生まず利用できるものでもなく、全資産を振り向けるわけにも行きません。株は世の中がどうなろうとも、その企業が消滅しなければ所有権は残り、将来に渡って安定的な配当を生み続けるものもあるでしょう。

ドルやユーロなどの通貨は、円になにか決定的なクライシスがあれば同じ運命です。最後に残るのは定石的に言えば円かスイスフランであることから、通貨で持つなら円のままでいいだろうということになります。

ただし、預金保険制度の上限1,000万を意識しておくとか、全額保護される決済性の口座に預けておくといったところは注意したいところ。この場合、金利は付きませんが、そもそも金利などゼロのようなものですから…。

■ 日本の不動産の三極化はさらに進む

さて、肝心の不動産ですが、これはいつもいっている通り3極化がますます極まるのみ。「 強いもの、弱いもの、無価値 」といった分類がますますはっきりするということです。

今回のコロナ禍では、都心部や都市部から地方や郊外へ移住といったメディアの連想ゲーム的な動きもほとんどありませんでした。不確定要素があるとすれば、地震や水害などの天災地変。そしてさらなるパンデミックなど。

歴史的経緯を踏まえるとこういった変化のタイミングでは、予期せぬことというか、時代を大きく動かすイベントが起きやすいものです。人為的なことで言えばどこかの国家が崩壊するとか要人暗殺など。

例えば、中国共産党一党体制が崩壊し、中東情勢がひっくり返り、イスラエルやサウジが没落、アメリカは通貨や軍事の覇権を手放し、EUはシティを抱えるイギリスがブレグジットで出ていったことから力を失い、富の中心はアジアに移動する・・・。

こんな流れを想定しています。こうした大変化を怖がるか楽しむか。ということですね。

プロフィール

■ 長嶋 修さん

長嶋 修さん

不動産コンサルタント
さくら事務所 会長

長嶋修さんのブログ

不動産デベロッパーで支店長として幅広く不動産売買業務全般を経験後、1999年に業界初の個人向け不動産コンサルティング会社である、不動産の達人 株式会社さくら事務所を設立、現会長。

以降、様々な活動を通して“第三者性を堅持した個人向け不動産コンサルタント”第一人者としての地位を築く。国土交通省・経済産業省などの委員も歴任。

2008年4月、ホームインスペクション(住宅診断)の普及・公認資格制度をめざし、NPO法人日本ホームインスペクターズ協会を設立、初代理事長に就任。

また、TV等メディア出演 、講演、出版・執筆活動等でも活躍中。

現在、「東洋経済オンライン」、「Forbes JAPAN WEB」等で連載コラムを執筆中。業界・政策提言や社会問題全般にも言及。

主な著書に、『空き家が蝕む日本』(ポプラ社)、『不動産格差』(日本経済新聞社)、『5年後に笑う不動産』(ビジネス社)等。

【連載中のコラム】


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