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2022年はバブル再び!?「歴史は繰り返さないが韻を踏む」

長嶋修さん_画像 長嶋修さん 第243話 著者のプロフィールを見る

2022/1/21 掲載

さあいよいよ2022年がやってきました。平たくいうとこれから数年間は「 激動期 」。どうなるのか、端的にまとめれば以下の通り。

「 これから1990年をはるかに超える、史上最大の「 買いが買いを呼ぶ資産のインフレスパイラル 」ともいうべき「 資産バブル 」が発生する可能性がある。日経平均は4万円を遥かに超え、不動産を始めとするあらゆる資産価格がさらに上昇する 」

「 これは数年間続き、ある日突然終焉を迎えるが、この時、首尾よく次の金融システムに移行しソフト・ランディングできるのか、戦後のような大混沌を迎えるハード・ランディングとなるのかはわからない 」

「 このようなシナリオが成立しない場合でも、歴史的な社会・経済システム転換は避けられない。ところが我が国は政官財ともに劣化し身動きがとれないため、主体的な変革を起こすことはできず、当面嵐の中を漂うと言ったグダグダとした時間が一定程度過ぎ、ある日リセットボタンが押される 」

「 政治・経済・金融の混乱は大きく、天災地変が重なる可能性もあり、これまで溜めてきた膿みを清算し、新しい社会の枠組みが構築されるまでの「 過ぎ越し 」の期間として一定の社会的混乱・混沌は避けられない。歴史を見るとこうしたタイミングで同時に紛争・戦争や革命、疫病などが起きることも多い 」

「 世界の経済金融システムはもちろん、社会的な大きな変革期の兆候はすでに出ているが、大きな動きは早ければ2024年に始まり、2030年くらいまでには新しい社会スタイルが定着する。この一連の過程をWEF( World Economic Forum / 世界経済フォーラム )の年次総会では「 グレート・リセット 」と呼ぶ 」

「 時代は西洋( 欧米 )から東洋( アジア )へシフト。その中で日本が果たす役割や位置づけは大きい 」

「 このようなプロセスのなかで、私たち一人ひとりは、基本的な価値観はもちろん、仕事や投資のあり方、生活のあり方まで大きな転換を迫られる 」

■ 歴史は繰り返さないが韻を踏む

「 歴史は繰り返さないが韻を踏む 」( 米作家マーク・トウェイン )といった格言にならえば、現在の状況は、1980年代後半から90年にかけてのバブル期と似た状況とでも言えばいいでしょうか。

戦後の長期的な高度経済成長を経て一定程度モノやサービスが行き渡ったあと経済成長が鈍化する中、1985年のプラザ合意で一気に為替がドル安・円高へと進んだ当時、自動車や家電製品を始めとする商品を中心とした輸出立国を標榜していた日本経済において、240円程度だった円が150円にまで、やがて120円台へと一気に動いたのですから大変なことだったのです。

輸出が滞る可能性が必至であることから「 円高不況入りか? 」といった、当時としては絶体絶命とも言える危機意識がもたらされ、それを回避すべく大規模な財政出動や金融緩和が行われることに。

それが当時の、あのものすごいバブルを生み出すきっかけとなったわけです。当時は「 バブル 」といったワードもなく、そもそもバブルの経験もありませんから、念頭にない事象の発生はそもそも恐れることすらできないどころか、むしろ不景気突入への恐怖が先立っていました。

1980年代と言えばすでに不動産が相当に高くなっており、したがって不動産市場も「 円高不況が予想される今が天井ではないか? 」と、まことしやかに言われていたのです。要はこれが「 マス層 」の認識。

ところが結果はその真逆で、そこから1990年のバブル崩壊まで、信じられないような株価や不動産のバブルが発生し、崩壊後もしばらくは「 ヒャッハー! 」とディスコで踊り狂っていたのです。

■ 不動産業界紙に書かれた1985年の様子は現在との共通点

ここで1985年( 昭和60年 )の不動産業界紙「 日刊不動産通信 」における論調を見てみましょう。

東京都心3区の不動産価格の値上がりの非常識さについては、業界でもかねがね話題の対象となっていた。それは健全な常識を持った業界人にとっては、常に「 まさか 」「 もうこれが限界だろう 」とする判断が、次々に破られて行くプロセスでもあった。

〜中略〜

特に現在の円高基調では、来年度の成長率は3パーセント程度に落ち込むだろう。その不況のなかで、はたして今のような土地投機が何時まで続いていくだろうか。私はかなり早い時期に都心3区の地価高騰も冷却し、オイルショック直後の地下低迷期にそうであったように、抱えたババの金利負担にあえぐ企業が増加すると思っている。

〜中略〜

来年に予想される日本経済の深刻な局面は、必ずや都心3区の地価上昇に水をかけることになるだろう。

こんな調子です。なにやら昨今の論調と似ていることは皆さんお気づきだと思います。そしてこの後、はたしてどうなったか。結果は御存知の通り。1985年( 昭和60年 )から猛烈な土地バブルが始まり、1991年( 平成3年 )のピークまで天井知らずでドド〜ン!と駆け上がっていったのです。

もちろんこのような事態が起こらないシナリオもありえます。だとしても結末は一緒。日本はもちろん世界の経済金融システムのリセット、政治的な大動乱、風水害や地震などの天災地変に、AIやロボット化などテクノロジーの進展が相まって、これまで私達が経験したことのない時代がやってくるでしょう。

これからどんなシナリオがあり得るのか。その中で私達はどう考え、どう生きていったらいいのか。そんな答えを一人ひとりが見出すヒントになる新刊『 バブル再び: 日経平均株価が4万円を超える日 』( 小学館新書)が発売されました。



不動産はもちろん、政治・経済・金融・歴史・哲学・宗教・科学などあらゆる学問ごちゃまぜにして共通項や普遍性を見出し、未来を占います。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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プロフィール

長嶋修さん

長嶋修さんながしまおさむ

不動産コンサルタント
さくら事務所 会長

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経歴
  • 不動産デベロッパーで支店長として幅広く不動産売買業務全般を経験後、1999年に業界初の個人向け不動産コンサルティング会社である、不動産の達人 株式会社さくら事務所を設立、現会長。

    以降、様々な活動を通して“第三者性を堅持した個人向け不動産コンサルタント”第一人者としての地位を築く。国土交通省・経済産業省などの委員も歴任。

    2008年4月、ホームインスペクション(住宅診断)の普及・公認資格制度をめざし、NPO法人日本ホームインスペクターズ協会を設立、初代理事長に就任。

    また、TV等メディア出演 、講演、出版・執筆活動等でも活躍中。

    現在、「東洋経済オンライン」、「Forbes JAPAN WEB」等で連載コラムを執筆中。業界・政策提言や社会問題全般にも言及。

    主な著書に、『空き家が蝕む日本』(ポプラ社)、『不動産格差』(日本経済新聞社)、『5年後に笑う不動産』(ビジネス社)等。

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