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インスペクションで建物の本当の価値を見極める

長嶋修さん_画像 長嶋修さん 第44話 著者のプロフィールを見る

2010/1/27 掲載

さて今回もさくら事務所のインスペクション ( 建物調査 ) の現場から。

東京都内にあるRC ( 鉄筋コンクリート ) 造、築15年の収益物件の事例です。築年数の割にはなんとなくみすぼらしく見え、なおかつ売り出し価格が割高だったこともあって、長らく売れ残っていたものです。 この物件はなだらかな傾斜地にあり、土地のおおよそ半分はコンクリートの擁壁 ( ようへき ) で覆われています。

下記の写真はその擁壁部分の写真ですが、クラック ( ひび割れ ) があり、そこから漏水しているところです。擁壁に確認されたクラックは巾も狭く、構造に問題があるものではないと判断出来ますが、漏水箇所は擁壁の耐久性に影響を及ぼす懸念がありますので、早期に補修する事が望ましいと考えられます。ちなみにこの擁壁はけっこう厄介モノ。当時と現在とでは許可の基準が変わっていることが多く、作り直すには莫大な費用がかかるケースが多いものです。




次は室内、キッチンの天井部分の写真です。上階洗面所付近から漏水したと考えられる水シミが確認されました。上階を確認すると、洗面台の配管に勾配が取れていないために水が漏れていたようです。大きな修繕...

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プロフィール

長嶋修さん

長嶋修さんながしまおさむ

不動産コンサルタント
さくら事務所 会長

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経歴
  • 不動産デベロッパーで支店長として幅広く不動産売買業務全般を経験後、1999年に業界初の個人向け不動産コンサルティング会社である、不動産の達人 株式会社さくら事務所を設立、現会長。

    以降、様々な活動を通して“第三者性を堅持した個人向け不動産コンサルタント”第一人者としての地位を築く。国土交通省・経済産業省などの委員も歴任。

    2008年4月、ホームインスペクション(住宅診断)の普及・公認資格制度をめざし、NPO法人日本ホームインスペクターズ協会を設立、初代理事長に就任。

    また、TV等メディア出演 、講演、出版・執筆活動等でも活躍中。

    現在、「東洋経済オンライン」、「Forbes JAPAN WEB」等で連載コラムを執筆中。業界・政策提言や社会問題全般にも言及。

    主な著書に、『空き家が蝕む日本』(ポプラ社)、『不動産格差』(日本経済新聞社)、『5年後に笑う不動産』(ビジネス社)等。

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