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外壁塗装で大失敗。築20年を築10年に見せる外壁メンテナンスのコツ

西野浩樹さん_画像 西野浩樹さん 第20話 著者のプロフィールを見る

2020/4/25 掲載

最近、アパートを塗装したのですが、ベージュの色選びで失敗しました。ベージュの場合、赤が強く出る場合と黄色が強く出る場合があるのですが、今回は赤が強く出てしまいました。

アパートは上半分は濃い茶色で下半分がベージュの予定でした。ところが、出来上がってみると上は赤茶色、下半分はピンク色で、まるで明治アポロチョコレアバージョンみたいです。

もともと、スタイリッシュな外観をイメージしていたので大失敗です。塗り板で確認せずに塗ってもらったのが失敗の原因でした。



■ 同じ築20年でもメンテナンスで大きな差が出る

失敗談から始まりましたが、今日は外壁のメンテナンスについてのお話です。僕は物件を見るのが好きなのですが、築20年以上の収益物件を見ると、20年間のメンテナンスの良し悪しによって大きな差が出ることがよくわかります。

全くメンテナンスしていない築20年の物件は、「 本当に築20年なのか 」と疑いたくなるほど劣化していることが多い一方で、メンテナンスがしっかりとされている築20年の物件は、築10年くらいに見えるものもあります。

自分が中古物件を買うときは、築10年ぐらいに見えるメンテナンスが行き届いた物件を買いたいと思いますよね。ということは、売り側にまわったとき、築20年でも築10年に見える物件を提供する方が需要は高まるということです。

そのような理由から、僕は自分の建てた新築物件について、築10年経ったものから外壁塗装をするようにしています。

■ 建物を劣化させる一番の原因は水

物件を劣化させる一番の原因は水です。外壁の割れやコーキングのヒビの部分から、雨水が家の中まで浸透してきます。そうなると、木が腐ったりシロアリの原因になったりして、どんどん建物を侵食していきます。

僕の物件がある雪国では、サイディングの小さな割れから水が入ると、入った水が凍って膨張して更に大きな割れを作ってしまいます。それで終わりではなく、そこにまた水が入って凍って膨張して…を繰り返し、外壁がバリバリになっている物件をよく見ます。

これを防ぐために、僕は10年前までの新築物件では、外壁を14㎜サイディングの「 釘留め 」にしていたのですが、それ以降は16㎜サイディングの「 金具留め 」で施工してもらうようにしました。

釘留めをやめた理由は、釘留めのところから水が浸入しやすく、割れの原因になっていることがわかったからです。16㎜サイディングの金具留めにしてもらってからはそこからの割れはなくなりました。

外壁に水が当たらないように軒を作ることも効果的です。最近のアパートは見た目重視で軒のないデザインが増えていますが、50㎜でも軒があると外壁の痛みは違ってきます。できれば100㎜以上、最低でも50㎜で良いので軒を作ることをお勧めします。

■ 外壁の塗装を依頼する時の注意点

そして、外壁の塗装についての注意点ですが、知り合いのペンキ屋さんに直でお願いするのが一番安くなると思います。反対に、飛び込みで来た「 スーツを着た塗装屋さん 」にお願いすると高くつくことになると思います。

突然やってきて、「 近所で外壁塗装をしているので、今なら外壁塗装を安くやれますよ。外壁塗装の見積もりの半分は足場代ですから、その分を値引きします 」などというのはほぼほぼウソなので、絶対に契約してはいけません。

ただ、外壁塗装のコストのうち足場代が大きい( 3分の1くらい )というのは本当で、保険で屋根を直すときや雨樋を直すときに足場を使うのであれば、その足場を使って外壁塗装をすることでコストを抑えられます。

信頼できる塗装屋さんが周りにいないという場合は、信頼できる投資家の先輩に紹介してもらうと良い業者にあたる確率は高くなります。投資家は定期的にアパートの塗装をしているので良いペンキ屋のネットワークを持っています。

外壁塗装の厄介なところは、塗った瞬間はキレイに見えるけれど、将来のことはわからないということです。シーラー塗装( 下地 )や中塗りの手を抜いた場合、半年から1年でボロボロになってペンキが剥がれてきて、塗装の意味がなくなってしまいます。

ボロボロになってからやり直しをお願いするためにペンキ屋さんに連絡しようとしたら、電話がつながらなくなっていたり、事業をたたんでしまったりしていたという話もよく聞きます。

■ 塗装の種類と色の選び方

次に塗装の種類ですが、フッ素樹脂塗料、シリコン樹脂塗装、ウレタン樹脂塗装と様々なものがあります。その中で、「 2液シリコン塗装 」が長寿命で費用も抑えられてコスパが良いので良く使います。

2液というのは油性ということで、塗っているときの匂いや扱いにくさから使いたがらない業者が多くなってきています。しかし、水を弾く塗膜を持たせるためには油性が良いに決まっています。

最後に、色の選び方ですが、ロックペイントさんから出ている「塗装用標準色(ポケット版)」で選ぶのが一般的です。しかし、これが小さすぎてよくわかりません。小さいと濃く見えます。

塗りたい色が決まったら、必ず「 塗り板 」というA4の板をお願いして、実際に塗った色を太陽光の下でどんな風に見えるか、角度を変えながら見てみてください。太陽光の下でも角度によって全く違った色に見えるので要注意です。



最初に紹介したアポロチョコになってしまったアパートは、今回タイミングの問題で、塗り板の工程を抜かしたのがよくありませんでした…。これまで、10回以上の外壁塗装をしていますが、塗装は本当に難しいです。

繰り返しになりますが、適切な塗装は外壁の割れやヒビを防ぎ、建物を劣化から守るため、実際の築年数よりも若々しく見せる効果があります。

歯医者と一緒で早めに行った方がいいとわかっているけれど、なかなか踏み出せない…、それが塗装です。先延ばしにせず、適切なタイミングで行っていきましょう。


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※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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プロフィール

西野浩樹(波乗りニーノ)さん

西野浩樹(波乗りニーノ)さんにしのひろき

FPと簿記1級の資格を持つ不動産投資家

プロフィールの詳細を見る

経歴
  • □1973年
    石川県金沢市に誕生
    流通系会社で労働組合の書記長として、組合員たちの相談に乗る中で、お金の知識の必要性を感じ、ファイナンシャルプランナーの資格を取得
  • □2007年
    社宅について調査する中で、富山市の土地値の安さと家賃の高さの歪みに気づき、富山市内で不動産投資をスタート
    その後、新築を中心に物件を買い進める
  • □2017年
    長年勤めた流通系の企業をセミリタイア
不動産投資歴
  • □2007年
    富山市内にアパートを新築(7室)売却済み
  • □2008年
    富山市内にアパートを新築(6室)
  • □2009年
    富山市内に借家を新築(2棟)
  • □2010年
    富山市内に借家を新築(2棟)
  • □2011年
    中古戸建購入
  • □2014年
    富山市内にアパートを新築(8室)
  • □2016年
    彦根市内に中古アパート購入(8室)
  • □2017年
    富山市内にアパ―トを新築(10室)
    彦根市内に中古アパートを購入(8室)
    彦根市内にアパートを新築(8室)
    彦根市内に中古戸建購入
  • □2018年
    彦根市内にアパートを新築(8室)
  • □2019年
    アパートを2棟新築(10室×2)
  • □2020年
    アパートを新築(12室)

    中古戸建、中古アパート、新築アパートを順調に増やす

    □2024年
    満室家賃年収約1億円、返済比率は46%年

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