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一棟目アパートの火災で大赤字。トラブルから得た3つの教訓

西野浩樹_画像 西野浩樹 第28話

2020/12/17 掲載

今から13年前、新築木造アパートを建てたのが僕のアパート経営の始まりでした。今日はその初めてのアパートで起きた火災のことをお伝えしたいと思います。

大家さんは入居者さんとの距離感に対して2つのタイプに分けられます。一つは入居者とのコンタクトは管理会社さんに任せる大家さんで、もう一つは自主管理で入居者さんとの距離が近い大家さんです。

僕自身は物件を持つことが初めてで色々やってみたかった気持ちもあり、自主管理を選びました。入居者さんとのコミュニケーションは万全にして、更新のときは手土産を持ってあいさつに伺うこともありました。

■ アパートに入居中のアロマエステ店で火災発生!?

その物件は場所が良かったこともあり、アロマエステ事業で使いたいという申し込みがありました。女性起業家を応援したい気持ちと人気アロマエステが入っていることで物件の価値も上がるのではないか? という下心もあり、快諾しました。

女性の一人暮らしが多かったので、アロマエステの体験チケットや商品券を入居者に配布し、入居者にもアロマエステオーナーにも喜んでいただく三方良しの状態がしばらく続きました。そんなある日、事件は起きました。

朝起きて携帯電話をみると、アパートのある市外局番から30件以上の着信が残っています。何か問題が起きたことは一瞬で察知できました。とりあえず、一番着信の多い番号に電話すると、出たのは警察でした。

そこでアパートで火災があったこと、出火原因を消防署と協力して調べているとことを聞きました。アパートで火災が発生したことで気が動転して、頭が真っ白になったのをよく覚えています。

その日は会社に行き、次の日に有給をとって現場に向かいました。車の中で「 こういう時、大家は何をすればいいのだろう? 」と考えていましたが、経験がないのでよくわからず、不安だけが膨らみました。

現地に到着してすぐ、他の6部屋の方にお詫びにうかがうと、「 大家さん、大変ですね 」と言ってくれました。この件で一つも退去がなかったのは不幸中の幸いでした。

そして、火災を発生させたアロマエステのオーナーと一緒に、物件に入りました。電話ではある程度の状況を聞いていましたし、メールでも写真を送ってもらっていました。

しかし、火災の現場というのは実際にそこに立ち入らないと凄さがわからないものです。初めて嗅ぐ火事の跡の匂いと、高温で変形してしまったキッチンやお風呂を見て呆然としました。

出火の原因ですが、アロマオイルが付着したタオル類を洗濯・乾燥させたことが原因だったようです。調べると、日本中で同様の火災がたくさん発生していました。

アロママッサージなどの施術で使用するアロマオイルには、不飽和脂肪酸という水に溶けない成分が含まれています。その結果、タオルの繊維の隙間まで染み込んだアロマオイルは普通に洗濯しても水には溶けだすことがありません。

それをそのまま乾燥機にかけると、タオルに染み込んだアロマオイルは乾燥機の熱風で酸化し酸化熱を発生させ、それがどんどん蓄積することで最終的に自然発火することが原因ということでした。

アロマエステのオーナーにヒアリングしたところ、夕方に乾燥機からだしたタオルを長屋1階のリビングに放置して帰宅したとのこと。その後、どんどん酸化熱を発生させたタオルが自然発火したのです。

偶然、隣りの部屋に遊びに来ていた男性が鳴りやまない火災報知機を不審に思い、119番通報をして、自らも火事の部屋のガラスを割って中に入り、消火してくれたとのことでした。

■ なぜだ! 入居者の保険は使えない?

とりあえず、他の部屋の入居者の方に火災の原因説明とお詫びをしてまわり、保険会社に家事の報告をしました。入居者さんが入っていた保険が使えると安易に考えていたのですが、入居者の入っていた保険会社からはビックリする回答がきました。

「 日本には『 失火責任に関する法律 』( 失火責任法 )というものがあり、誰かが火災を出した場合でも、火元に重大な過失がない限り、火元は損害を賠償する責任はない 」というものです。

故意または極めて大きな過失があった場合は過失ではあるが、今回は入居者のタオルが原因とのことでそれには当たらず、アロマエステオーナーの入居者さんは部屋の損害に対して賠償責任はないという主張でした。

僕は借りている部屋の修復費用に関しては、「 賃貸契約書の原状回復義務による賠償責任がある 」を問いましたが、賃貸人の借家人賠償責任保険は普通賃貸としての契約のためエステとして使っていたのでは契約違反だと言います。

これには困りました。家賃は入ってこなくなるし、部屋は火災でボロボロです。オマケに誰も保証してくれないなんて…。

仕方なく自分の保険を使うことにしたのですが、保険会社は「 火災の原因が大家さんにないのに、なぜ保険を使うのか? 」と何度も訊いてきます。そして、相手の現業回復費用の足りない分は補償するが、全部の修復費用は補償できないと言いだしました。

「 先方の保険会社とこちらの保険会社で案分を話しあってもらえないのか? 」と提案すると、双方「 払う必要がないし、話し合いもしない 」という返事。どちらも一歩も譲らないし、部屋の家賃も入ってきません。

リフォーム会社に見積もりを依頼したところ、プラスターボードの中まで火事の臭いが染み込んでいるので、2重張りのプラスターボードと天井も張替えが必要。トイレとキッチン、洗面台、お風呂も高温で変形していて入れ替えが必要なので約500万円かかるということでした。

その見積もりを自分側の保険会社に見せたところ、「 火事の現場の写真を確認したが、床が抜けている場所のみの改修工事のみしかみられない。プラスターボードや水回りの交換などありえない 」との回答でした。

何度も「 何とかなりませんか 」と電話でお願いすると、もう一度、現場検証に来てもらえることになりました。しかし、現場検証まで1カ月以上かかるといいます。

余談ですが、最近のアパートは不燃材を使っていることで燃え広がることはないのですが、密封性が高いため、高温で煙が充満して部屋の隅々までいきわたり、その結果、部屋全体の設備を使えなくしてしまうケースが多いようです。

この物件は7戸の長屋で一戸40uほどのメゾネット住居だったのですが、1階で発生した火災の熱や煙が部屋中に回り、2階にあった洗面台やお風呂が使えなくなってしまいました。

そして、同じ入居者の同じ住居なのに、1階の火災のせいで使えなくなった2階の洗面台やお風呂の改修工事代は出せないという保険会社にはもっと驚きでした。

■ 火事を経験から得た3つの反省と教訓

1カ月後にやってきた保険会社は、匂いや高温で変形したお風呂や洗面台の写真を何枚も撮影していました。ある程度の理解は示してくれたものの、「 プラスターボードの交換はいらないし、クロスの交換費用も1階の火災の部屋の部分しか出さない 」と言います。

「 プラスターボードの交換費用は自分で負担するから、設備の交換費用はなんとか保険で出してもらえないか 」とお願いしましたが、はっきりした返事はもらえませんでした。

家賃は入ってこないし、入居者さんの保険会社からの返事はありません。サラリーマンの仕事も忙しい中、休憩時間に何度も保険会社とやり取りしました。改修工事にも時間がかかることを考えると時間を無駄にできないと思い、改修工事にとりかかりました。

火災から2カ月後、自分側の保険会社の担当者が匂いや水回りの変形を確認したいと言い出したのですが、もうすでに工事は始まっており、現場はスケルトン状態です。これでは確認のしようがありません。

結局、改修工事には約400万円かかりました。保険会社から下りた保険金はお見舞金を合わせても約200万円。全然足りません。ただ、自分にも落ち度がありました。この時の反省をまとめます。

@普通の住居物件をテナント物件として貸す場合は、テナント用の定期借家契約を結び保険にも入ってもらうこと
A入居さんと仲良くなりすぎないこと( 言うべきことも言いにくくなるため )
B保険の補償金額が決まっていないのに改修工事を始めないこと

賃貸経営の初期の頃は部屋数が少ないために、一部屋の家賃がなくなるだけで冷静な判断ができなくなります。特にサラリーマン大家さんだと時間がないのでなおさら大変です。

こういう時、頼りになる先輩大家さんや仲間がいると安心できると思います。僕も元保険会社勤務だった大家の先輩などにアドバイスをもらえて、とてもありがたかったです。

■ ゴンさんのオンラインセミナーのお知らせ

さて、今年もあと少しとなりました。昨年の今頃は1年後にこんなことになっているなんて1oも思いませんでした。世の中がハードリセットされているように感じます。

今年最後のニーノの部屋のゲストは、普通のサラリーマンから自分の力でメガ大家さんになった関西大家の会会長のゴンさん( 松田さん )です。滅多に聴くことができないゴンさんのセミナーを是非、この機会に受講していただけたら嬉しいです。



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プロフィール

■ 西野浩樹さん(波乗りニーノ)



不動産投資家、ファイナンシャルプランナー
滋賀県彦根市在住
妻と息子二人の4人家族

大家列伝⇒前後編
西野さんのblog
Facebook西野浩樹

■西野浩樹さんのプロフィール

□1973年
石川県金沢市に誕生

流通系会社で労働組合の書記長として、組合員たちの相談に乗る中で、お金の知識の必要性を感じ、ファイナンシャルプランナーの資格を取得

□2007年
社宅について調査する中で、富山市の土地値の安さと家賃の高さの歪みに気づき、富山市内で不動産投資をスタート
その後、新築を中心に物件を買い進める

□2017年
長年勤めた流通系の企業をセミリタイア

■所有物件

□2007年
富山市内にアパートを新築(7室)売却済み


□2008年
富山市内にアパートを新築(6室)


□2009年
富山市内に借家を新築(2棟)


□2010年
富山市内に借家を新築(2棟)


□2011年
中古戸建購入

□2014年
富山市内にアパートを新築(8室)


□2016年
彦根市内に中古アパート購入(8室)

□2017年
富山市内にアパ―トを新築(10室)


彦根市内に中古アパートを購入(8室)

彦根市内にアパートを新築(8室)


彦根市内に中古戸建購入

□2018年
彦根市内にアパートを新築(8室)





□2019年
アパートを2棟新築(10室×2)




□2020年
アパートを新築(12室)


□2021年
満室家賃年収約8,500万円、返済比率は45%

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