過去のコラムを読み返してみると、昨年は130室中23室が入れ替わりになったようです。今年は150室中30室の入れ替わりがありました。よかったら昨年のコラムも読んでみてください。
参照:自主管理物件と管理会社に任せる物件を分ける基準
■ 学生物件の退去の注意点
僕は滋賀県と富山県の2カ所で賃貸経営をしています。ワンルームや通称なんちゃって1LDKと呼ばれる30u前後の物件数も多く、国立大学も隣接しているため、この時期は大学卒業による退去と新入学生の入居が相次ぎます。
学生向け物件というと一度入ったら4年の入居が確定するイメージですが、実際は本人の病気や家庭の事情から途中で退学・休学して実家に帰る子、同棲や友達との同居を始めるために引っ越していく子などもいます。半年や1年での退去も一定数あります。
その一方で、大学院に行ったり留年したりという理由で4年以上住む子もいて、平均すると入居期間はやっぱり約4年になります。2回転させれば8年間ほぼ満室ですので、一般的な30u前後の物件よりも経営は安定します。
ちなみに、社会人が企業から派遣されて2年間だけ大学に学びに来るケースや、他の大学を出てこちらの大学院に入る層もいます。彼らは高価格帯の物件に住む傾向があり、車を持っている人も多いです。
こう書くと学生物件はメリットが多いように感じますが、ゴミの出し方や設備の使い方などの躾が難しく、苦労することもあります。大学生向けアパートを検討している人は、そのあたりも考慮することが大切です。
学生向け物件は、春に入退去が集中します。ただ、中には単位を取り終わった子でサークルやバイトや部活をしていない子は夏休みに退去する子も少しいます。
一方で、単位がギリギリで卒業できない可能性のある子や、就職先が全国区で3月にならないと配属先が決まらない子などは、3月になっても次の行き場所がわからず、退去予定日を決めてくれないのでハラハラすることになります。
今年は4月4日前後に入学式を行う学校が多く、1週間前の土日である3月26日・27日から入居が始まり、1日、2日、3日にピークとなりました。掃除や修繕に必要な期間を逆算すると、退去者には3月中旬には退去してもらう必要がありました。
そのため、3月15日までに退去する方には3月中の家賃免除、20日までに退去の方には1万円分の商品券プレゼントなどのキャンペーンを実施しました。無事に全ての部屋が3月15日までに退去となり、次の入居までに修繕や清掃を終えることができました。
■ 学生物件のリーシングの特徴
大学にもよりますが、大学受験は推薦試験の合格発表が11月から12月にあるため、早い人はそこから部屋を探し始めます。彼らは好きな部屋を選び放題ですが中が見れないことが多く、外観と写真だけで決めることになります。
その後、前期試験合格発表、後期試験合格発表と、合格発表が進むにつれ、どんどん学生向けの物件の空室が減っていきます。
確実に部屋を抑えたい人のために、合格前に入居予約ができる物件もあります。中には無料で受け付けるところもありますが、そうすると一応申し込んでおくという人が増えてしまいます。そのため、1万円や家賃の半月分を預かって予約を受け付けるところが多いです。
入試倍率の高い学校は合格前予約を受けても試験に落ちてダメになる確率が上がりますが、予約キャンセルが増えると機会損失につながります。そのため、僕は倍率が3倍以上の大学では合格前予約を受け付けていません。
ちなみに、合格前予約を受け付ける物件は、申し込みの際に必ず受験番号を確認します。受験番号をもらっておけばこちらで合否を確認することができて、落ちてしまった場合は自動的にキャンセルして、すぐに入居募集を再開できるからです。
大家さんの中には、良い条件の物件はほとんどなくなってしまう後期試験の時期になると、家賃を値上げしている人もいます。学生向け物件の需給バランスが崩れていない地域だけでできるやり方です。
少し話が変わりますが、今年は富山の僕のドミナントエリアで巨大な食事つきマンションが2つもオープンしました。一つは65室、もう一つは121室、合計186室の大規模なマンションです。
この物件は合格前予約で部屋数の倍以上の予約を受け付け、後から部屋を振り分けるというホテルやマンスリーマンションのような予約の取り方をしていました。家電や食事も付いており、結構強気の家賃設定ですが即満室になったようです。
この2棟が成功したため、2年後にまた大型物件を建築する予定があるらしく、僕にとっては脅威です。ただ、規則が厳しいそうなので、新入生のうちはそこに住んでも、慣れてくると周りのアパートに流失してきそうな気がしています。
そんな今年の繁忙期でしたが、退去予定だった30部屋全部の入居が決まり、先日、無事にカギ渡しも終わりました。頑張って入居をつけてくれたリーシング会社ならびに大学生協に感謝です。
余談ですが、今年はリーシング会社が人手不足ということで、妻も応援でリーシング会社にバイトで入り、入居案内や重要事項説明書の説明などを担当しました。そのため、自分の物件の空室の部屋止めや解除をスピーディーに行うことができてとても良かったです。
■ 自分の息子の部屋探しを経験して分かったこと
今年は、自分の息子も大学受験生でした。受験が急遽ZOOMになったり、送り迎えをすることになったり、期間中は落ち着かなかったです。前期、後期の受験から滑り止めの私立受験まで体感してみて分かったことは、子供が受験する年は自分が想像していた何倍も慌ただしいという事です。
これまでは、選んでもらう立場で不動産賃貸業を行ってきましたが、実際に自分の家族が物件を選ぶ立場になると、前期試験の大学周りで選んで、滑り止め大学周辺で選んで、最後は後期試験の大学周りで選ぶので3回も選ぶ必要があります。
僕らはその都度、大学周辺の環境や相場を調べてある程度の情報を把握した上で、賃貸ポータルを見て、その中からよさそうなものを3件から5件程度選び、内覧して決めるということをしました。
僕自身は、大家業を15年以上しているので、ある程度の知識と経験から割安感やお得感のある物件を選ぶことができますが、初めての方は本当にめちゃくちゃ大変だと思います。
自分の子供は後期の試験を受けた後で、前期の試験で受けた沖縄の大学に受かったことがわかったので、後期の合格発表を待たずに沖縄に行き、4件の不動産を見てそのうちの1件に申し込みを入れました。
それから必要書類を提出して、審査が通った1週間後にZOOMで重要事項説明を聞き、10日後には引っ越しをして、1週間後には入学式というスピード感です。( 沖縄の重要事項説明書が1通しかないのは地域性でしょうか???ビックリしました )
時間はあるので家族みんなで沖縄に行き、最後の旅行を楽しみました。自主管理物件の鍵や入居立ち合いもリーシング会社や生協が全部やってくれたおかげで家族の大切な時間を作ることができました。ありがたいことです。
18年間の最後の約5年、難しい時期を家族で過ごせたのは本当に良かったです( その期間はFIRE後で家にいました )。あの時期に単身赴任で自分が家にいなかったら家族はバラバラになって取り返しのつかないことになっていたかもしれません。
子供と過ごした18年間は掛け替えのない宝物の期間だったと思います。自宅に帰り寝る前にiPhoneのピープル機能で18歳の子供をタップすると、この5年間の旅行写真が音楽と共に映されて涙がこぼれました。
過ぎてみればあっという間でした。嬉しいのが半分と寂しいのが半分です。たくさんの経験をさせてくれた子供や妻に感謝です。
■ 4月24日( 日 )のニーノの部屋( オンラインセミナー )のお知らせのお知らせ
最後に告知です。4月のニーノの部屋のゲストは、グッチー子だくさんです。ふんどし王子の同級生で理論派の彼が如何にして不動産投資でFIREしたかについて分かりやすく具体的にタップリとお話ししていただきます。
今回も健美家パートナーセミナーです。お楽しみに!!!

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