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融資を受ける為に絶対にしてはいけない決算対策と、してもOKな決算対策

岡元公夫さん_画像 第108話

前回の続きです( 参照:銀行の融資審査基準はどう変わったのか? 融資を受けられる人とそうでない人の違い )。

これからのアパートローンは、サラリーマン・士業などの属性ではなく、従来以上に不動産賃貸業本来の財務内容が融資審査の判断で重要視されます。

■ 融資を受ける際に絶対にしてはいけないこと

今回は、融資を受ける場合に、して良い決算対策と、してはいけない決算対策について解説します。まず、大前提として、粉飾決算( まがい )や違法行為は、絶対いけません。違法行為の最たるものが、二重売買契約、俗にいう「 かきあげ 」です。

例えば、売買価格の9割が融資限度の銀行で1億円の物件を取得する為の融資を受けようとする時に、真の1億円の売買契約書とは別に、偽の1億2千万円の売買契約書を作成し、それを銀行に提出するのです。

すると、1億2千万円の9割にあたる1億800万円の融資が出る算段になります。本当の価格は1億円ですから、諸経費も賄えるオーバーローンとなりますが、「 私文書偽造 」や「 詐欺 」の罪に問われることがあります。預金通帳の改ざんも、同様に罪に問われます。

ただ、銀行にとっては罪を問うことでなく、債権回収することが一番の目的ですから、刑事告訴することは少ないです。その代わり、期限の利益を喪失させ、「 全額繰り上げ返済 」を求めたり、「 追加担保を要求 」したりすることが多いです。

元メガバンクの融資担当者の立場からすると、ここ最近の事件を見て、個人投資家レベルの大家さんが、よく二重売買契約をしたな〜。一部の不動産業者もよく、その手法を推進したな〜、と驚きました。

なぜなら、二重売買契約で融資を受けて不動産を取得しても、翌期の確定申告書や決算書を読めば、すぐにバレるからです。しかし、その後で、某地方銀行は、法人に融資しないし、翌期以降の確定申告書も徴求しないということを聞き、合点がいきました。

粉飾決算で融資を受けるのも当然、駄目なことです。別の業界ですが、成人の日に晴れ着が届かないことでニュースになった振り袖販売・レンタル会社の「 はれのひ 」を覚えていますでしようか。

あの会社の社長は、粉飾決算によって融資を受けたことで、詐欺罪で執行猶予無しの実刑判決を受けました。

■ 減価償却費の未計上は「 粉飾まがい 」と同じ

ここまででは絶対にしてはいけないことでした。ここから、違法ではないけれど、してはいけないことを解説します。ひとつめは、「 減価償却費の未計上 」です。

減価償却は税法上では、個人は強制ですが、法人は任意です。任意なので、決算が赤字になるぐらいなら、減価償却費を計上しないでおこうという経営者は多くいます。しかし、銀行から見るとこれは、粉飾決算まがいに見えます。

銀行は、融資している法人から決算書を徴求した時に、「 別表16 」を必ず確認します。そこには、減価償却をしていないと「 減価償却不足額 」が明記されます。決算書を深読み・裏読みしなくても、新人行員でもわかります。

違法ではありませんが、日本の企業会計の基礎となる企業会計原則にも、減価償却費を計上することが規定されています。また、実際に建物・設備は経年劣化するものですから、それを減価償却せずに、簿価を維持することは「 粉飾まがい 」といわざるを得ません。

また、減価償却をしないことは、他にも何か作為的に決算操作しているのではと疑念を持たれてしまいます。また、銀行が融資先の財務内容を判定するときは、「 減価償却不足額 」も勘案しますので、ほぼ無意味です。

■ しても良い融資を受けるための決算対策

では、“しても良い融資を受けるための決算対策”は、どのようなものでしょうか。一般事業会社に比べると、不動産賃貸業の取れる手段は多くありませんが、いくつか紹介します。

決算を赤字にしないためには、下記のような「 経費として一括計上できる支出 」を、あえて「 資産計上 」して、徐々に経費化していく方法があります。



1、物件取得時に建物にかかる登録免許税・不動産取得税等を調整する

これは、新規物件取得時のみ、使える手法です。ただし、資産計上した場合、それ以降は建物と同じ残存耐用年数で減価償却していくことになります。なので、長期保有か中短期保有か、他の物件との損益も勘案して、慎重に検討したほうがよいでしょう。

2、毎期かかる修繕費を資産計上する

これも本来はその期に一括費用計上できるものを、あえて資産計上し、少しずつ償却していくことになります。あくまで税法に則ってですが、修繕ごとに、「 資産計上 」か「 一括費用計上 」かを選べますので、その期の損益状況を鑑みて、調整することが可能です。

3、流動負債の固定負債への振り替え

あと、損益計算書ではなく、貸借対照表の面からの融資対策として、短期負債の「 長期負債への振り替え 」があります。役員個人や家族から借り入れをしている場合に、短期借入金や預り金勘定に計上しているケースがあります。



短期借入金や預り金から長期借入金に振り替えると、固定長期適合比率等の財務指標が改善され、銀行の財務判断向上に効果があります。

最後に、皆さんに伝えたいのは、「 融資に裏技なし 」ということです。経理のプロが確信犯的に粉飾決算を作成するのならばともかく、素人の個人投資家レベルの方々が長年にわたって粉飾決算を続けていくことは困難です。

真っ当なやり方で、不動産賃貸経営をしていきましょう。

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健美家不動産投資コラム

プロフィール

■ 岡元公夫さん

岡元さん

岡元公夫さんのブログ

年はアラフォー。
亡き父と2代続けての元メガバンカー。
銀行員時代は、東証一部上場の大手不動産会社から 個人の大家さんまで、融資主体に幅広く担当。 実家は祖父の代からの小規模ながらの大家さん。

■ 経歴

□2004年
実家の跡を継ぎ、東京城北エリアでマンション・アパート・戸建を取得開始。

□2008年2月
不動産賃貸業の修行の為、不動産開発・運営会社に転職し、プロパティマネジメントの責任者となる。

□2009年10月
不動産収入が年間6千万円ほどになり、デッドクロスもクリアできる目途がついたことから、サラリーマンを卒業。

□2011年
東京エステートバンク株式会社(東京房屋®)を設立。国内・台湾・中国の投資家・会社経営者の方にコンサルティングを行っている。

■ 所有物件

□築35年RCマンション
 1LDK×4戸、2K×8戸

□築20年RCマンション
 1R×10戸

□築13年鉄骨マンション
 2LDK×6戸、2DK×6戸

□築5年木造アパート
 1R×5戸、2DK×2戸

□登記上築52年(実態は新築同様)
 木造戸建 2LDK×1戸

□区分所有マンション 2LDK×1戸
  合計 45戸

□駐車場12台
 バイクガレージ26台

H22/9に築古戸建1戸取得
H23/9に築古戸建1戸取得
現在、料理中

■ 保有資格

・宅地建物取引主任者
・ファイナンシャルプランナー
・その他生損保等金融関連諸々

■ 税理士試験科目合格
 (簿・財・相・固)


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