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融資の現状。今後の不動産相場を左右する2つの「融資の基準項目」とは?

岡元公夫さん_画像 第109話

2019年度も早いもので9月に入りました。最近の個人投資家に対する融資環境の激変に鑑み、私はコラムで投資用不動産融資に対する現況と今後の方向性について解説してきました。

従前の動向については、過去のコラムを読み返していただければと思います。

*第106話:2019年の融資スタンスと不動産相場はどうなる?
*第107話:銀行の融資審査基準はどう変わったのか? 融資を受けられる人とそうでない人の違い

■ 銀行が2〜3割の自己資金を求める理由

さて、上記コラムもふまえ、現在の新興個人投資家への各銀行の融資基準の注意点は、以下の2点となっています。

◎サラリーマンの給与所得を返済原資に含めない
◎取得する物件単体のキャッシュフローで借入返済が可能


よく、自己資金が2割必要とか3割必要とか聞きますが、それはあくまで、金融機関が大家さんや業者さんに現状のスタンスを話すための、ざっくりした後付けの便宜的説明のことが多いです。

ストレスチェック( 空室リスク・家賃下落リスク・金利上昇リスク )を加味したうえでの返済シミュレーションで、サラリーマンの給与収入を返済原資に含めず、取得する物件単体のキャッシュフローで借入返済が可能とするには、現在の不動産相場では、最低自己資金が2割から3割必要となることが本質的な理由です。

また、担保保全面においても、ほとんどの銀行は従来より担保提供物件の銀行評価額の7割前後を融資限度額としてきました。フルローン・オーバーローンは、売買価格と銀行評価額の乖離、そして一部の銀行ではサラリーマン所得を担保保全に組み込んだうえでの結果です。それも最近は、是正される傾向にあります。

*第77話:フルローン・オーバーローンでも債務超過にならない物件とは〜融資審査のポイントpart6〜

■ 西武信金への行政処分の内容からわかること

今、確かに不動産投資向け融資の審査は厳しいといえます。よく「 昔に戻っただけ 」と聞きますが、確かに融資の現場にずっといた者の実感としては、平成バブル崩壊の底辺から少し回復した頃の感があります。

そんな状況の中ですが、私はスルガショックは、あまり気にしていません。銀行の融資姿勢が正常化しただけと思っているからです。その一方で、危惧していることもあります。それは、今年5月に発表された財務省の西武信金への行政処分の内容です。

*財務省関東財務局の西武信用金庫への行政処分の掲示
http://kantou.mof.go.jp/rizai/pagekthp027000005.html

融資審査管理を含む信用リスク管理についての内容は、今後の投資用不動産マーケットに大きく影響を与えるものでした。

『 投資用不動産向けの融資にあたり、形式的な審査にとどまり、不適切な信用リスク管理態勢となっている。
@融資実行を優先するあまり、融資審査にあたり、投資目的の賃貸用不動産向け融資案件を持ち込む業者による融資関係資料の偽装・改ざんを金庫職員が看過している事例が多数認められる。
A投資目的の賃貸用不動産向け融資について、融資期間に法定耐用年数を超える経済的耐用年数を適用する場合には適切な見積りが不可欠である中、経済的耐用年数等を証する書面を作成する外部専門家に対し、金庫職員が耐用年数や修繕費用等を指示・示唆するなどの不適切な行為が多数認められる。 』

@は、スルガと同様に指摘されても仕方ないことでしょう。
そして、他の金融機関にも大きく影響を与えるのは次のくだりです。

「 融資期間に法定耐用年数を超える経済的耐用年数を適用する場合には適切な見積りが不可欠である中… 」

6年前の健美家コラムで金融庁の金融機関への指導の変化について解説しました。

*第37話:金融庁の銀行検査見直しが大家さんに与える影響
*第38話:大家さんの融資は銀行の自主判断へ

金融庁は、それまで法定残存耐用年数を超えた返済期間の設定に非常に厳しかったです。 その厳しさゆえに、バブル時の不動産向け融資は兆円単位で不良債権化し、多くのメガ大家さん・ギガ大家さん達( 今の著名なメガ大家さん数十億円級とすると、当時のメガ大家さんは数百億・数千億円級 )は破綻しました。

更には銀行の破綻・統合にもつながっていきました。それが6年前あたりから、金融庁は融資基準について各金融機関の判断を尊重する方針に転換しました。各金融機関も、それによって独自の融資基準を構築していきました。

しかし、今回の行政処分の内容を見たら、他の金融機関も法定残存耐用年数超えの融資を、かつてのように躊躇するようになるかもしれません。

■ 法定残存耐用年数を超えた返済期間の厳格化の影響

残存耐用年数を大幅に超える融資が難しくなると、銀行が許容する借入期間が短くなり、それによって借入返済後キャッシュフローが低下し、築古物件を取得できる方々が限られてきます。

実際に自己資本比率の高いメガ大家さんに対してでさえも、メガバンクはもとより、信金等の中小金融機関でも残存耐用年数超えの返済期間設定に厳しくなってきています。

そのような方々でさえ融資を使っての取得が難しくなると、現預金を多く有し、多くの自己資金を投入できる投資家ぐらいだけに築古物件の取得者は、絞られてくるのかもしれません。

今後は、残存耐用年数の短い築古物件の相場動向に注目です。

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健美家不動産投資コラム

プロフィール

■ 岡元公夫さん

岡元さん

岡元公夫さんのブログ

年はアラフォー。
亡き父と2代続けての元メガバンカー。
銀行員時代は、東証一部上場の大手不動産会社から 個人の大家さんまで、融資主体に幅広く担当。 実家は祖父の代からの小規模ながらの大家さん。

■ 経歴

□2004年
実家の跡を継ぎ、東京城北エリアでマンション・アパート・戸建を取得開始。

□2008年2月
不動産賃貸業の修行の為、不動産開発・運営会社に転職し、プロパティマネジメントの責任者となる。

□2009年10月
不動産収入が年間6千万円ほどになり、デッドクロスもクリアできる目途がついたことから、サラリーマンを卒業。

□2011年
東京エステートバンク株式会社(東京房屋®)を設立。国内・台湾・中国の投資家・会社経営者の方にコンサルティングを行っている。

■ 所有物件

□築35年RCマンション
 1LDK×4戸、2K×8戸

□築20年RCマンション
 1R×10戸

□築13年鉄骨マンション
 2LDK×6戸、2DK×6戸

□築5年木造アパート
 1R×5戸、2DK×2戸

□登記上築52年(実態は新築同様)
 木造戸建 2LDK×1戸

□区分所有マンション 2LDK×1戸
  合計 45戸

□駐車場12台
 バイクガレージ26台

H22/9に築古戸建1戸取得
H23/9に築古戸建1戸取得
現在、料理中

■ 保有資格

・宅地建物取引主任者
・ファイナンシャルプランナー
・その他生損保等金融関連諸々

■ 税理士試験科目合格
 (簿・財・相・固)


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