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融資の夜明けは近い?「金融検査マニュアル」廃止が不動産投資に与える影響って?

岡元公夫さん_画像 第110話

昨今、投資用不動産向け融資が厳しくなったという声を多方面から聴きます。本当に厳しくなったのでしょうか? 銀行業界や各種メディアの情報を分析すると、そうとも限りません。

ここ最近のスルガを筆頭とする金融機関や一部の不正を働いたシェアハウス開発業者・アパートメーカー・サラリーマン投資家向け不動産業者などが絡む一連のトラブルを受けて、融資の審査は確かに厳しくなりました。

しかし、積極的な融資姿勢は取らなくなったものの、融資残高は、むしろ増えているようです。

自己資金の少ないサラリーマン初心者さんや不動産業者経由の融資申し込みに対しては厳しくなりましたが、ベテランの大家さんや地主さん・富裕層の資産運用・節税対策のニーズには、以前と変わらず対応している金融機関が多いようです。

■ 「 金融検査マニュアル 」が廃止へ

このような不動産投資を取り巻く環境の中で、金融庁は、今年の12月を目標に従来の「 金融検査マニュアル 」の廃止を9月某日に明らかにしました。

金融検査マニュアルとは、金融庁が金融機関を検査する際の手引書・ルールブックです。このマニュアルには、不良債権の分類や引当の基準が定められています。

金融機関が融資をする際には、このマニュアルのルールに従って、不良債権とみなされないよう融資基準を決めていました

この金融機関の融資にとって絶対的ルールであった「 金融検査マニュアル 」が廃止されることによって、投資用不動産融資に対する各金融機関の融資基準も多種多様化していくことでしょう。

ただし、今年の12月を目途に廃止することとなったものの、検査マニュアル廃止後の融資に関する検査・監督の考え方と進め方は、まだ最終決定していないようです。

案については、金融庁から発表されておりますので、今回はその内容から、金融機関の融資審査に与える影響を読み解きます。

検査マニュアル廃止後の金融庁の検査・監督の考え方と進め方( 案 )は46ページほどになります。ただ、本案のメインターゲットは一般事業法人ですので、収益不動産融資に重要な箇所はそう多くはありません。

〇金融庁ディスカッション・ペーパー
検査マニュアル廃止後の融資に関する検査・監督の考え方と進め方( 案 )
https://www.fsa.go.jp/news/r1/yuushidp/yuushidp.pdf

■ 融資に関する検査・監督の見直しの背景

バブル崩壊時に不動産投資等へ融資が集中し、その後、資産価格の急落を主要因として、借り手は大幅な債務超過におちいり債務返済能力が著しく低下しました。資産価格の下落という要因を処理し、国内外の信用を回復するためには、不良債権問題への対応が最優先課題でした。

その為、金融当局は、金融検査マニュアルを用いて、過去の財務状況・経営実績を重視した厳格な自己査定・償却・貸倒引当を金融機関に求めました。その結果多くのメガ大家さん・ギガ大家さんが不良債権処理され、それに伴い金融機関も実質潰れたところが散見されました。

現在は、バブル崩壊時の不良債権の処理が終わったものの、融資を取り巻く環境が大きく変化しています。人口減少・高齢化の進展・産業構造の変化などにより、借り手の本業の経営悪化の要因が多様化しました。また、低金利環境の長期化に伴い、金融機関は厳しい収益環境にあります。

これまでの融資に関する検査・監督は、各金融機関のビジネスモデルとは切り離して、画一的なあり方を想定して設計されてきたため、金融機関の融資に関する様々な取組みや将来損失の的確な見積りを制約する結果となっていました。

■ 金融機関の課題に合わせた融資に関する検査・監督の基本的な考え方

金融庁としては、金融機関が創意工夫を行いやすくするにはどうしたらよいのかを考えています。

前提としては、一律の目線ではなく、金融機関の経営理念・戦略の多様性があることを理解し、金融機関の個性・特性に着目し、これに即した検査・監督手法を継続的に見直していくようです。

不動産賃貸業に触れている内容は次のようなことです。


不動産賃貸業者向け貸出については、当該地域の過去の空室率や賃料水準の変動に伴って、貸倒れが増減する傾向にあることが確認された場合には、過去の実績に加え、これらの外部環境の変化をも考慮して信用リスクを推計し、金融機関が実質的な自己資本や適切な引当の水準をどのように考えているかを対話する 。

特定地域の不動産賃貸業に注力する方針の金融機関において、当該セグメントが景気変動の影響を受けやすい場合には、当該セグメントを切り出してグルーピングし、過去の貸倒実績率をベースに、足元や将来の外部環境の変化による影響を見込んで引当率を調整することが考えられる。

調整の方法には様々な方法が考えられるが、例えば、当該セグメントの貸倒れのトレンドと高い相関が認められる指標(当該地域の同種不動産の空室率の推移、賃料水準等)を特定した上で、その足元の指標の推移等に基づいて、引当率を調整することが考えられる。


このように、金融検査マニュアルでは、地域性があまり考慮されていなかったのが、今後は大いに考慮されていくことになるでしょう。

続きは次回に。

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健美家不動産投資コラム

プロフィール

■ 岡元公夫さん

岡元さん

岡元公夫さんのブログ

年はアラフォー。
亡き父と2代続けての元メガバンカー。
銀行員時代は、東証一部上場の大手不動産会社から 個人の大家さんまで、融資主体に幅広く担当。 実家は祖父の代からの小規模ながらの大家さん。

■ 経歴

□2004年
実家の跡を継ぎ、東京城北エリアでマンション・アパート・戸建を取得開始。

□2008年2月
不動産賃貸業の修行の為、不動産開発・運営会社に転職し、プロパティマネジメントの責任者となる。

□2009年10月
不動産収入が年間6千万円ほどになり、デッドクロスもクリアできる目途がついたことから、サラリーマンを卒業。

□2011年
東京エステートバンク株式会社(東京房屋®)を設立。国内・台湾・中国の投資家・会社経営者の方にコンサルティングを行っている。

■ 所有物件

□築35年RCマンション
 1LDK×4戸、2K×8戸

□築20年RCマンション
 1R×10戸

□築13年鉄骨マンション
 2LDK×6戸、2DK×6戸

□築5年木造アパート
 1R×5戸、2DK×2戸

□登記上築52年(実態は新築同様)
 木造戸建 2LDK×1戸

□区分所有マンション 2LDK×1戸
  合計 45戸

□駐車場12台
 バイクガレージ26台

H22/9に築古戸建1戸取得
H23/9に築古戸建1戸取得
現在、料理中

■ 保有資格

・宅地建物取引主任者
・ファイナンシャルプランナー
・その他生損保等金融関連諸々

■ 税理士試験科目合格
 (簿・財・相・固)


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