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2021年の融資が厳しい理由ととるべき不動産投資戦略

岡元公夫さん_画像 岡元公夫さん 第126話

2021/2/15 掲載

前回のコラムの続きです。前回のポイントは、以下のようなものでした。

〇コロナ禍で世界の実体経済は傷みつつあるが、各国の財政出動により、世界規模でバブルが発生している
〇投資資金は日本の大都市を含めた世界中の局地的な不動産マーケットにも流れ込んでいる
〇全ての物件を投資対象とするわけではなく、得手不得手がある

■ 更に厳しくなっている融資環境

銀行の不動産投資に対する融資姿勢は5年前ぐらいから厳しくなる前兆がありました。

2017年4月のコラム「 日本銀行も動く! 不動産向け融資はどうなる? 」では、金融庁や日銀などが銀行の不動産融資に対する積極姿勢に懸念を強め、監視・指導を強化していく兆候について取り上げました。

そして、2018年6月の「 スルガスキームが破綻した二つの要因と、他行の融資に与える影響 」で、個人投資家に対する銀行の融資環境と今後の予想について触れました。

銀行の融資姿勢の変化は予想しやすいものです。実際に変化する前の行政や日銀の動向を見ていれば、ポジティブな時もネガティブな時も、ある程度は予測できます。

今の銀行の融資スタンスは、バブル崩壊時の金融検査マニュアルに基づく金融庁ルールに従っていた当時に戻った感があります。

〇融資期間は残存耐用年数以内
〇自己資金は最低でも1割、金融機関によっては2ー3割必要
〇給与所得は加味せず、取得物件単体か不動産賃貸業全体でキャッシュフローがまわるかどうか等々

最近、不動産投資を始めた方々にとっては、現在の融資基準は以前より厳しいように思われているかもしれませんが、当時は今より融資環境は更に厳しかったといえます。

今厳しくなっているのは、監督官庁の指導の影響がありますが、それだけではありません。

一つは、コロナ禍対策融資対応で融資部門が多忙であることです。既存融資先の一般事業会社の支援や対応が銀行の融資関連部署にとっては最優先のミッションです。

また、飲食関連や旅行・宿泊関連等コロナ禍で経営が厳しくなっている会社は多いでしょう。中には不良債権化して、現場や本部等が債権保全・債権回収に動かざるをえない事態も増えています。

もう一つは、個人の不動産投資家向け融資の不良債権化が一部で進んでいることです。特に最近、資産規模を急拡大した投資家の「 地方郊外の一棟物 」対象融資で、不良債権が増えている模様です。

少し前までは、諸般の事情により高稼働・家賃維持ができなく経営不振になっても、他に買い希望者も多く、その方々に銀行も高レバレッジの融資をしていたので、出口が取れました。

それが最近は残存耐用年数越えの融資期間許容が難しくなり、自己資金も以前に比して要求されるようになりました。売却しようにも残債が買い手の取得希望価格より多く、身動きができない状況になるケースが増えています。

銀行は、ある業種で不良債権が増えると、その業種への新規融資に慎重になる傾向があります。当面は、個人投資家に対する不動産融資は厳しい環境が続くでしょう。

■今、取るべき不動産投資戦略は

既に経営基盤が確立している事業規模の大家さんには、銀行も相応の新規融資を続けていますので、それぞれの置かれたエリアやポジションで最適な経営戦略を立てられればいいと思います。

私のおすすめは、自分で土地から取得して新築することです。前回書きましたが、全国の大都市の都心に築浅物件の取得を望まれる方は国内外に多くいます。中期間保有しても、RC造や重量鉄骨造でしたら、残存耐用年数は十分に残っており、出口が取りやすくなります。

新築する場合の間取りの狙い目は、30平米台の1LDKや2DKです。今年の税制改正で、住宅ローン減税の面積規制が、従来の50平米から40平米に緩和される見込みです。

緩和されると、マンションデベロッパーが40平米台の分譲マンションの供給を増やすでしょう。都心のマンションは需要もあり、土地価格の高騰や建築費の上昇で高止まりしています。

最近は、価格を抑えるために、同じ間取りでも、面積を狭くする傾向があります。今後は、単身者やDINKs向けに従来に比べて価格帯が低い物件の供給を増やすでしょう。

そして、分譲された物件を当初から賃貸する不動産投資家もいるでしょうし、最初は自宅として取得し、その後、転勤等の理由で賃貸にまわす方もいるでしょう。すぐにではありませんが、賃貸マンションマーケットへ供給が増えることとなります。

また、賃貸需要としても、最近は、コロナ禍で在宅勤務やプライベートでも巣ごもり割合が増え、より広い居住空間を求める傾向があります。防音性がよく、より広めの30平米台にニーズが高まっています。

実際、私が所有する物件でも30平米台のマンションは退去があった際、家賃を上げて募集しても、すぐに決まっています。対して20平米台のアパートは、家賃を下げても従来対比で空室期間が長くなっています。

しかし、いきなり新築は現実的ではないでしょう。では、これからの大家さんたちは、どうすればよいのでしょうか? 今は、雌伏の時期と考えます。かといって、何もやらなくていいわけではありません。

比較的規模や額の大きい物件を狙うのでなく、小規模な物件で不動産賃貸業の実績を積み上げましょう。大家としての実績・業歴がないと、いざ融資環境が好転した時に出遅れてしまいます。

融資も全く閉ざされているわけではありません。信用金庫・信用組合では、融資期間を残存耐用年数以上にしてくれる等、融資内容を弾力的に対応してくれるところが多々あります。

これはバブル崩壊時も、リーマンショック時も同様でした。中小の金融機関は、元々町の商店や工場等の中小企業を主要融資先としています。財務内容だけでは推し量れない先も多いのです。

金融庁の指導も、中小の金融機関に対しては、メガバンクや地銀に比べて比較的緩い傾向があります。今の自分が許容できるリスクを見極めながら、できることをやっていきましょう。

プロフィール

■ 岡元公夫さん

岡元さん

岡元公夫さんのブログ

亡き父と2代続けての元メガバンカー。
銀行員時代は、東証一部上場の大手不動産会社から 個人の大家さんまで、融資主体に幅広く担当。 実家は祖父の代からの小規模ながらの大家さん。

■ 経歴

□2004年
実家の跡を継ぎ、東京城北エリアでマンション・アパート・戸建を取得開始。

□2008年2月
不動産賃貸業の修行の為、不動産開発・運営会社に転職し、プロパティマネジメントの責任者となる。

□2009年10月
不動産収入が年間6千万円ほどになり、デッドクロスもクリアできる目途がついたことから、サラリーマンを卒業。

□2011年
東京エステートバンク株式会社(東京房屋®)を設立。国内・台湾・中国の投資家・会社経営者の方にコンサルティングを行っている。

■ 所有物件

□築44年RCマンション
 1LDK×4戸、2K×8戸

□築28年RCマンション
 1R×10戸

□築21年鉄骨マンション
 2LDK×6戸、2DK×6戸

□築14年木造アパート
 1R×5戸、2DK×2戸

□登記上築60年(実態は新築同様)
 木造戸建 2LDK×1戸

□木造戸建てリノベシェアハウス
 2棟×10室

□区分所有マンション 2LDK×1戸 
 
□駐車場12台
 バイクガレージ26台

□再開発予定木造戸建
 3棟

■ 保有資格

・宅地建物取引主任者
・ファイナンシャルプランナー
・その他生損保等金融関連諸々

■ 税理士試験科目合格
 (簿・財・相・固)

■ 著書

岡元さん
元手100万円から! 気軽で手ごろなマンション投資で年800万円稼ぐ方法(明日香出版社)

岡元さん
はじめての不動産投資1年生 儲かるしくみと損する理由(わけ)がわかる本 (明日香出版社)

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