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増加が予想される任意売却と競売のポイントを知っておこう

岡元公夫さん_画像 岡元公夫さん 第127話

2021/3/8 掲載

私は銀行員時代は、債権者として競売や任意売却に携わっていました。そして不動産投資を始めてからは、競売で入札したり、任意売却物件を取得する側にまわりました。

ただ、ここ数年は、自分が触れる競売や任意売却の案件が少なくなりました。競売については、公式なデータでも、その減少が裏付けられています。

全国の地方裁判所の不動産等を目的とする担保権の実行としての競売等の件数は、2000年に82,379件あったのが、その後減少し続け2008年には49,907件まで減りました。

2009年には64,254件に増えましたが、その後は一気に減少傾向となり、2019年には15,976件と、20年で件数はピーク時のほぼ2割まで減りました。

■ 競売の件数が減少した理由

競売の件数が減少した理由は、いくつかあげられます。

平成バブル崩壊後の1990年代後半は、不良債権処理の為、金融機関は競売をさかんに行っていました。また、不良債権の最終処理として、いわゆるハゲタカファンドへのバルクセールも始まりました。

2002年には、当時の竹中平蔵金融担当大臣により金融再生プログラムが作成され、銀行は不良債権処理を更に急かされました。当時は、私も銀行の融資担当者として一番大変な時期だったと鮮明に覚えています。

2008年9月にはリーマンショックがあり、その影響で2009年には競売件数が前期比ほぼ3割増しとなりました。こうしたイベントを経つつ、2010年代には不良債権処理も落ち着きをみせていったのです。

2000年代に不良債権処理が進んだ以外にも、2010年代に競売が減った理由は幾つかあります。

〇アベノミクス等の経済政策の効果もあって景気が上向いたこと
〇金融緩和により金利水準が低下したこと
〇大都市を中心に不動産価格が上昇し、競売にかけなくても債権回収できるケースが増えたこと等

■ 競売から任意売却へ

そして、2009年12月に施行された中小企業金融円滑化法も、今なお大きく影響しています。

法律の詳細は省きますが、金融機関は借入人からリスケ等の返済条件変更の申し込みがあった場合、できる限り応じるように努力義務を定めていました。そしてこの法律は、中小企業のみならず個人にも適用されました。

2013年3月末で期限を迎えた時限立法でしたが、金融庁は、金融円滑化法の終了後も金融機関から「貸付条件の変更実施状況」の報告を求め、報告は2019年3月期まで続けられていました。

実態として、金融機関が貸付条件変更に柔軟な姿勢をとることが求められていたのです。2010年代は行政も銀行の健全化が進んだことから、無理に不良債権を処理させず、中小企業や個人の保護に重点を置きつつありました。

このような状況下で増えていったのが任意売却です。

任意売却とは、借入金の返済ができなくなり、担保物件を売却したとしてもローンが残ってしまう場合に金融機関の合意を得て売却する方法です。バブル崩壊時から事例はありましたが、件数が多くなったのは、ここ10数年ではないでしょうか。

個人向けローンで任意売却が増えてきたのは、住宅金融支援機構が任意売却に積極的なことがあげられます。住宅金融支援機構は、前身の住宅金融公庫時代から任意売却を増やしていました。

住宅金融公庫が融資するに際し債務保証をおこなっていた公庫住宅融資保証協会は任意売却をおこなう宅建業者の育成と登録制度を開始し、任意売却の制度化を進め、ガイドラインやマニュアルを整備していきました。

それが、他の金融機関の個人向ローンの任意売却の礎にもなっています。

住宅金融支援機構が任意売却を勧める理由として、オフィシャルウェブサイトで次の3点をあげています。

@通常の不動産取引として売買されるため、一般的に競売より高値で売却できることが期待され、負債の縮減につながること
A状況により売却代金から不動産仲介手数料、抹消登記費用等を控除できる場合があること
B裁判所による手続である競売と比べると、自宅の引渡時期についての調整がしやすく、自宅退去後の生活設計が立てやすくなること

この中で、特に@が競売と比較するポイントとなります。一般的に競売の落札価格は、市場価格の6〜7割程度の場合が多いと言われています。それに対して任意売却の場合は、市場価格により近い価格で売却できます。

市場価格により近い価格で売却できるなら、全て競売でなく任意売却にすればいいのでは、と考える方もいるでしょう。ですが、例えば昨年9月に銀行取引停止処分になった関西の大物不動産投資家さんなどは、金融機関から次々に競売開始を申し立てられてしまっています。

どうしてでしょうか? 続きは、次回に。

プロフィール

■ 岡元公夫さん

岡元さん

岡元公夫さんのブログ

亡き父と2代続けての元メガバンカー。
銀行員時代は、東証一部上場の大手不動産会社から 個人の大家さんまで、融資主体に幅広く担当。 実家は祖父の代からの小規模ながらの大家さん。

■ 経歴

□2004年
実家の跡を継ぎ、東京城北エリアでマンション・アパート・戸建を取得開始。

□2008年2月
不動産賃貸業の修行の為、不動産開発・運営会社に転職し、プロパティマネジメントの責任者となる。

□2009年10月
不動産収入が年間6千万円ほどになり、デッドクロスもクリアできる目途がついたことから、サラリーマンを卒業。

□2011年
東京エステートバンク株式会社(東京房屋®)を設立。国内・台湾・中国の投資家・会社経営者の方にコンサルティングを行っている。

■ 所有物件

□築44年RCマンション
 1LDK×4戸、2K×8戸

□築28年RCマンション
 1R×10戸

□築21年鉄骨マンション
 2LDK×6戸、2DK×6戸

□築14年木造アパート
 1R×5戸、2DK×2戸

□登記上築60年(実態は新築同様)
 木造戸建 2LDK×1戸

□木造戸建てリノベシェアハウス
 2棟×10室

□区分所有マンション 2LDK×1戸 
 
□駐車場12台
 バイクガレージ26台

□再開発予定木造戸建
 3棟

■ 保有資格

・宅地建物取引主任者
・ファイナンシャルプランナー
・その他生損保等金融関連諸々

■ 税理士試験科目合格
 (簿・財・相・固)

■ 著書

岡元さん
元手100万円から! 気軽で手ごろなマンション投資で年800万円稼ぐ方法(明日香出版社)

岡元さん
はじめての不動産投資1年生 儲かるしくみと損する理由(わけ)がわかる本 (明日香出版社)

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