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簡単にできる銀行が融資しやすくなる決算対策(その2)

岡元公夫さん_画像 第29話

5月に入り、決算対策についての相談を受けることが多くなりました。
去年書いた第6話「 簡単にできる銀行が融資しやすくなる決算対策 」について質問を受けることもあります。

第6話では、銀行の評価を上げる効果的な手法である「 決算書上の短期借入金の長期借入金への振り替え 」について説明しました。今回はそれに補足して、簡単にできる融資に有利になる決算対策(その2)を紹介します。

■ 役員借入金は明確に分けよう

大家さんの資産保有会社が、役員個人から資産を借り入れることは、よくあると思います。

その際には、短期借入金から長期借入金へ振り替えると共に、もし銀行借入と一緒の勘定科目に表記されているならば、銀行からの長期借入金とは別に「 役員借入金 」等として固定負債に表記することをおすすめします。



銀行が融資を検討する際に参考にしている金融庁の金融検査マニュアルには、以下のように記載されています。

「 代表者等からの借入金等については、原則として、これらを当該企業の自己資本相当額に加味することができるものとする。なお、代表者等が返済を要求することが明らかとなっている場合には、この限りではない 」

役員借入金は、負債ではありますが、銀行によっては、負債ではなく自己資本としてみなしてくれて、会社の評価が良くなる可能性があるということです。

ですから、特に返済期限が決まっている短期の役員借入金以外は、固定負債の「 役員借入金 」として表記した方が良いのです。

「 銀行からの『 長期借入金 』と一緒にしておいても、決算書の内訳書を見れば役員借入金の金額はわかるのだから、別に表記しておかなくても良いのでは? 」という意見もあるでしょう。

それもごもっともです。しかし、銀行員がきちんと決算書をチェックして、長期借入金から役員借入金を分けて調整するかというと、そうとも限りません。実際には、洩れることもあります。

借り入れされている方からすると、銀行員が仕事でそのようなミスをすることは少ないだろうと思うでしょうが、実はそんなことはありません。

個人の大家さんの資産管理法人は、若手・新人といった実務経験の少ない担当者がつく可能性が高いですし、簿記や会計をあまり勉強しないまま、融資の実務に携わっている担当者も多くいます。

上司や事務センター・本部のチェックもあるでしょうが、それも確実とはいえません。ですから、あえてひと手間かけてでも、別表記にすることを心がけてみてください。その価値はあると思います。

■ 手元資金を厚くしよう

もうひとつ、銀行の評価を上げ、融資を受けやすくする決算対策を紹介します。こちらは、会社の決算対策だけでなく、個人の大家さんの融資についても関係するものです。

それは、現預金を多めに留保しておくことです。

時々、手元に余剰資金があると、既存借入金の繰上返済にまわそうとする方がいらっしゃいます。不動産投資をしないサラリーマンで住宅ローンしか借入金のない方なら、問題はないでしょう。

大家さんでも、総資産に対する借入金の比率が低く、借り入れを活用して収益不動産を買う予定のない方なら、繰上返済で日々の金利負担を下げるのも良いと思います。

しかし、そうではなく、今後も借り入れを活用して収益不動産の取得を検討しているなら、現預金の残高を多めに維持することを心がけた方がいいといえます。

中には、預金と借入金が両建てになっているのを見て、「 預金の利子と借入の利息の差額が無駄 」と感じる方もいるでしょう。しかし、それはサラリーマン大家さんの多くは、身辺の資金繰りが安定しているためにそう感じるのです。

銀行が主な融資先としているのは、一般事業会社です。そのような会社は、突発的なトラブルやマーケットの変化により、業績や資金繰りが大きくぶれることもあります。

銀行は、増加運転資金や設備資金などの前向きな資金への融資には積極的ですが、業績が悪くなった時の赤字資金やリストラ資金などの後ろ向き資金に対しては消極的です。

そのため、融資先としては、「 現預金を多めに持っていて、いざというときも新たな借り入れをすることなく、既存の借り入れの返済を滞りなく継続できる変事抵抗力のある先 」を好みます。そしてそれは、大家さんであっても同じです。

そうはいっても、大家さんの資産保有法人が、現預金を多く持つための手段は限られます。一般の事業会社では、「 運転資金 」の形で銀行から多めの資金を調達することも可能ですが、不動産賃貸業では、通常は運転資金が発生しません。もし運転資金を借り入れできたとしても、その金額は些少です。

そこで活用したいのが、前述の「 役員借入金 」です。資産保有会社が役員から借り入れをする時は、利息を支払わなくても問題ありません。

大家さん個人が現預金を多く有している場合、資産保有会社に余剰資金を貸し付けて、会社の現預金を多めにするのも一案です。

粉飾決算はもってのほかですが、コンプライアンス上問題ない対策は、できるだけ取り組んで、融資を有利な条件で受けられるようにしていきましょう。

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健美家不動産投資コラム

プロフィール

■ 岡元公夫さん

岡元さん

岡元公夫さんのブログ

年はアラフォー。
亡き父と2代続けての元メガバンカー。
銀行員時代は、東証一部上場の大手不動産会社から 個人の大家さんまで、融資主体に幅広く担当。 実家は祖父の代からの小規模ながらの大家さん。

■ 経歴

□2004年
実家の跡を継ぎ、東京城北エリアでマンション・アパート・戸建を取得開始。

□2008年2月
不動産賃貸業の修行の為、不動産開発・運営会社に転職し、プロパティマネジメントの責任者となる。

□2009年10月
不動産収入が年間6千万円ほどになり、デッドクロスもクリアできる目途がついたことから、サラリーマンを卒業。

□2011年
東京エステートバンク株式会社(東京房屋®)を設立。国内・台湾・中国の投資家・会社経営者の方にコンサルティングを行っている。

■ 所有物件

□築35年RCマンション
 1LDK×4戸、2K×8戸

□築20年RCマンション
 1R×10戸

□築13年鉄骨マンション
 2LDK×6戸、2DK×6戸

□築5年木造アパート
 1R×5戸、2DK×2戸

□登記上築52年(実態は新築同様)
 木造戸建 2LDK×1戸

□区分所有マンション 2LDK×1戸
  合計 45戸

□駐車場12台
 バイクガレージ26台

H22/9に築古戸建1戸取得
H23/9に築古戸建1戸取得
現在、料理中

■ 保有資格

・宅地建物取引主任者
・ファイナンシャルプランナー
・その他生損保等金融関連諸々

■ 税理士試験科目合格
 (簿・財・相・固)


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