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アパートローンはどう変わる?〜金融庁の銀行検査見直しが大家さんに与える影響〜

岡元公夫さん_画像 第37話

金融庁が、画一的な基準による銀行検査を見直す方向とのことです。

しかし、大家さんにとっては、金融庁とか、銀行検査とか、画一的な基準を見直すとかいわれてもピンとこないかもしれません。ですので、まず今回は、融資を取り巻く環境の変遷について、銀行員の立場から説明します。

私は、平成初めに銀行員になり、入行当初から主に法人融資を担当していました。その頃は、まだ金融庁ではなく、大蔵省が銀行の検査を担っていて、支店が担当する中小企業の個別の融資について、今のように細かく指導されることはありませんでした。

各銀行は、それぞれの銀行が定めたルールに従い、融資案件を審査し、そして実行していました。今思い起こせば、土地神話の終焉の頃でした。

その後、バブルが崩壊すると、平成初めまで上がることはあっても下がることがほとんどなかった不動産価格が下落し続け、多額の融資が焦げ付き始めました。平成9年前後からは、銀行や証券会社の破たんも目立つようになり、平成10年には「 金融監督庁 」が発足し、翌年には「 金融検査マニュアル 」なるものが、初公表されました。

そして、始まったのが、金融庁による銀行検査です。金融庁の各銀行に対する画一的な指導、そして、その基になる金融検査マニュアルの改訂を経て、各銀行の融資ルールは、同じようになりました。

※ 参考コラム
□ 第4話 銀行が融資したがる大家さんとは? 〜銀行業界共通の融資ルール〜
□ 第5話 よりよい条件で融資を受けるには〜債務者区分のポイント〜

私が一番大変だったと思うのは平成14年に、当時の竹中金融担当相が不良債権問題解決を主題とする「 金融再生プログラム 」を公表した頃です。「 金融検査マニュアル 」による金融庁検査も定着し、金融庁と銀行の不良債権を巡る駆け引きも激しさを増していました。

平成15年には、りそなグループが実質国有化され、その翌年にはUFJ銀行が検査忌避で刑事告発されました。金融庁が入ってきたことにより、今までは、銀行独自のルールで正常債権とされていた融資が、次々と不良債権と認定され、銀行はその処理を促されました。

不良債権の処理には、担保となっていた不動産の処分を進めなければなりません。その処分を進める方法の一つとして、一般の方がスムーズに競売に参加できるような法律が施行されました。

また、平成11年には、改正SPC法( 特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律等の一部を改正する法律 )が施行され、平成13年にはJ―REIT市場がスタートしたりもしました。そして、ファンドが活用していた収益還元法も銀行の不動産融資の基準にも取り入れられ始めました。

各種の施策により、塩漬けになっていた不動産が動き始め、10年ぐらい前から、不動産市況に回復の兆しがみられるようになりました。しかし、銀行は、まだまだバブルの後遺症に悩んでおり、企業向けの不動産融資には、消極的でした。

その一方で、公的資金を注入されて、政府から「 中小企業融資を増やせ 」と指示されていた銀行は、それまで地主さん等を主な対象としていたアパートローンを、資産背景のないサラリーマンの方々にも適用するようになりました。その後、サラリーマンによる不動産投資が急速に拡がっていったのは皆さんご存知の通りです。

今回の金融庁による銀行検査見直しの最大のポイントは、「 融資先の査定を銀行に任せる 」ということです。

金融庁が検査体制を見直す理由は、バブル期のように甘い自己査定が原因で、銀行の経営が揺らいでしまうというリスクが遠のいたからです。また、金融危機が去って、銀行の体力が回復したのに融資が伸び悩でんでいる背景に、「 金融庁が細かく銀行を拘束しすぎる弊害がある 」と判断したこともあるでしょう。

特に中小企業向け融資は、銀行独自のルールを尊重するということです。これにより、創業期の赤字が続くベンチャー企業などがお金を借りやすくなるだけでなく、大家さんにとっても、メリットがありそうです。

この先は、金融庁の正式公表を受けて、各銀行が新たな融資ルールを作り、適用し始めることになります。今のところ、どの銀行がどのような独自性を発揮していくのかは、まだわかりません。

ただ、私は現在金融庁に縛られている次のような事項については、変わっていくのではないかと予想しています。

〇 法定耐用年数超えの借入期間の新規融資
〇 既存融資の借入期間の延長( リスケジュール )
〇 不動産担保評価額の銀行評価方法変更

これらの具体的な説明は次回に譲ります。

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健美家不動産投資コラム

プロフィール

■ 岡元公夫さん

岡元さん

岡元公夫さんのブログ

年はアラフォー。
亡き父と2代続けての元メガバンカー。
銀行員時代は、東証一部上場の大手不動産会社から 個人の大家さんまで、融資主体に幅広く担当。 実家は祖父の代からの小規模ながらの大家さん。

■ 経歴

□2004年
実家の跡を継ぎ、東京城北エリアでマンション・アパート・戸建を取得開始。

□2008年2月
不動産賃貸業の修行の為、不動産開発・運営会社に転職し、プロパティマネジメントの責任者となる。

□2009年10月
不動産収入が年間6千万円ほどになり、デッドクロスもクリアできる目途がついたことから、サラリーマンを卒業。

□2011年
東京エステートバンク株式会社(東京房屋®)を設立。国内・台湾・中国の投資家・会社経営者の方にコンサルティングを行っている。

■ 所有物件

□築35年RCマンション
 1LDK×4戸、2K×8戸

□築20年RCマンション
 1R×10戸

□築13年鉄骨マンション
 2LDK×6戸、2DK×6戸

□築5年木造アパート
 1R×5戸、2DK×2戸

□登記上築52年(実態は新築同様)
 木造戸建 2LDK×1戸

□区分所有マンション 2LDK×1戸
  合計 45戸

□駐車場12台
 バイクガレージ26台

H22/9に築古戸建1戸取得
H23/9に築古戸建1戸取得
現在、料理中

■ 保有資格

・宅地建物取引主任者
・ファイナンシャルプランナー
・その他生損保等金融関連諸々

■ 税理士試験科目合格
 (簿・財・相・固)


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