• 収益物件掲載募集
  • 不動産投資セミナー掲載募集
  • 収益物件 売却査定

15,809アクセス

アパートローンのターニングポイント〜大家さんの融資は銀行の自主判断へ〜

岡元公夫さん_画像 第38話

前回のコラムが掲載されたあとの9月6日に、金融庁は銀行に対する新たな検査方針を発表しました。

新方針では、これまで金融庁の指針に沿って実施されていた融資先が健全かどうかの判断について、中小企業など小口の査定に限って「 金融機関の判断を尊重 」と明記し、査定の大部分を銀行の自主的な判断に委ねるとしています。

個人の大家さんは、ほとんどの方が中小の不動産賃貸業者に該当します。そして、この業種は中小企業のカテゴリーの中では、融資しやすい部類です。他に比べて業績の見込みは立てやすいですし、担保も相応にカバーされています。 これから、各銀行が大家さんへの融資基準を、それぞれ工夫していくことでしょう。

□ 関係官公庁や日銀の動きに左右される不動産市況

従来より不動産市況は、国の政策により左右されてきました。法律が施行されたり、監督官庁の指導が入ったりしてから動いても、既にマーケットでは織り込み済みになっていて、時既に遅しということもあります。

不動産投資で成功するには、関係官公庁や日銀の検討会・研究会の動きを常に注視して、先手を打つことが大切です。

現在、国ベースの動きとしては、中古住宅の流通促進・活用のため検討を重ねていた国土交通省の「 中古住宅の流通促進・活用に関する研究会 」が、税法上の耐用年数等を参考に行っている中古木造住宅の評価手法を見直すことを提言した報告書を最近とりまとめています。

以下は、国土交通省の一報告書ですが、今後の政策・指針を予測するのに参考になります。

http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_fr2_000020.html

報告書を読んで「 おっ! 」と思ったのは、金融庁監督局銀行第一課の方がオブザーバーとして参加していること。これは銀行にとって重要なポイントです。なぜなら、銀行の監督官庁は、あくまで金融庁です。国土交通省が不動産の評価手法について、いかなる提言をしようとも、銀行にはあまり影響はありませんでした。これが、変わってくる可能性があります。

金融庁は、国土交通省と別に「 官民ラウンドテーブル 」という金融機能の向上・活性化に向けた議論の場を設けています。これは、民間・政府系金融機関と金融当局との間において、自由闊達に意見交換を行う機会を作り、今後のあるべき金融サービスの将来像に迫る取組で、今後も継続して開催される予定です。

http://www.fsa.go.jp/singi/kan-min/index.html

ただ、その内容を見ていると、国土交通省の「 中古住宅の流通促進・活用に関する研究会 」の報告書ほど、中古建物の評価については踏み込んでいません。しかし、今後の動向については注視が必要だと考えます。

□ 大家さん向けの融資はどう変化するのか?

今後、国としての中古住宅に対する施策がどうなるのかは、まだ未定ですが、今回の金融庁の検査見直しによって、大家さん向けの融資がどう変化するかを私なりに予測してみます。

金融庁の指導に縛られていたために、今までは一部の金融機関しか取り扱っていなかったものの、今後はその内容が変わっていきそうな点は次の通りです。

〇 法定耐用年数超えの期間の融資

例えば、銀行評価額の内、土地の割合が高い築古物件・土地の値段が安定しているエリアの物件ならば、耐用年数を大幅に超えた融資期間も許容する銀行が今より増えるかもしれません。実際にバブル以前には、元金返済不要・利息のみ支払いの中小企業・個人向け長期融資商品もありました。

〇 融資期間の延長( リスケジュール )

従来は、融資期間の延長は、貸出条件緩和債権という不良債権判定の要因になることから、銀行は行うことをできるだけ回避していました。財務内容が健全な融資先でしたら、融資期間の延長によるキャッシュフローの改善を認める銀行が今以上に増えるでしょう。

〇 不動産の銀行評価方法変更

不動産担保の評価額は、金融検査マニュアルでは、「 客観的・合理的な評価方法で算出した評価額( 時価 ) 」とされています。銀行では、小口融資の不動産担保については、銀行本体や関連会社が評価することが多いのが一般的です。

「 客観的・合理的な評価方法 」として、土地について内部ルールの多くは公示地価、基準地価、相続税路線価などを利用して、担保の種類や所在に応じて銀行独自の掛目を定め、担保評価額に乗じて算出。建物は一律に経年減価させる形で原価法により評価する簡易な査定方法を取っています。

また現在の金融検査マニュアルでは、「 担保評価額が一定金額以上のものは、必要に応じて不動産鑑定士の鑑定評価を実施していることが望ましい。賃貸ビル等の収益用不動産の担保評価に当たっては、原則、収益還元法による評価とし、必要に応じて、原価法による評価、取引事例による評価を加えて行っているかを検証する 」ともあります。

金融検査マニュアルに基づきアパート・マンションなどの評価については、現在、収益還元法・原価法そして一部取引事例比較法による評価が用いられていますが、今後は、その使う配分を大きく変える銀行もあるでしょう。

また、これからは、これらの評価方法に加えて、リフォームによる建物担保評価額の増価・長期の借入返済期間の許容が普及するかもしれません。

既に、一部の銀行が、持ち家の為の中古住宅取得資金とリフォーム資金を一体で融資するローン商品を提案しています。今後、賃貸物件についても取り扱われる可能性もあります。これら以外も、各銀行でいろいろな工夫が検討されていくと思います。

不動産投資の仕入れでは、不動産そのものと、金融機関からの借入が重要なファクターです。銀行の融資スタンスと基準がどう変わっていくか、これからも目が離せません。

健美家サイト会員登録で最新コラムやニュースをチェック!

健美家不動産投資コラム

プロフィール

■ 岡元公夫さん

岡元さん

岡元公夫さんのブログ

年はアラフォー。
亡き父と2代続けての元メガバンカー。
銀行員時代は、東証一部上場の大手不動産会社から 個人の大家さんまで、融資主体に幅広く担当。 実家は祖父の代からの小規模ながらの大家さん。

■ 経歴

□2004年
実家の跡を継ぎ、東京城北エリアでマンション・アパート・戸建を取得開始。

□2008年2月
不動産賃貸業の修行の為、不動産開発・運営会社に転職し、プロパティマネジメントの責任者となる。

□2009年10月
不動産収入が年間6千万円ほどになり、デッドクロスもクリアできる目途がついたことから、サラリーマンを卒業。

□2011年
東京エステートバンク株式会社(東京房屋®)を設立。国内・台湾・中国の投資家・会社経営者の方にコンサルティングを行っている。

■ 所有物件

□築35年RCマンション
 1LDK×4戸、2K×8戸

□築20年RCマンション
 1R×10戸

□築13年鉄骨マンション
 2LDK×6戸、2DK×6戸

□築5年木造アパート
 1R×5戸、2DK×2戸

□登記上築52年(実態は新築同様)
 木造戸建 2LDK×1戸

□区分所有マンション 2LDK×1戸
  合計 45戸

□駐車場12台
 バイクガレージ26台

H22/9に築古戸建1戸取得
H23/9に築古戸建1戸取得
現在、料理中

■ 保有資格

・宅地建物取引主任者
・ファイナンシャルプランナー
・その他生損保等金融関連諸々

■ 税理士試験科目合格
 (簿・財・相・固)


ページの
トップへ