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融資が受けやすい不動産と節税効果の高い不動産

岡元公夫さん_画像 第39話

健美家不動産投資コラム

最近、東京など大都市の不動産が値上り傾向にあります。その要因の一つとして、2015年からの相続税増税による、全国の資産家の相続税対策があげられます。

今回の相続税増税では、基礎控除額が縮小されます。

現在は相続税の計算において、課税対象となる亡くなった方が遺した相続財産の評価額から「 5,000万円+1,000万円×相続人の数 」の額を基礎控除額として差し引くことができます。それが、2015年からは基礎控除額が「 3,000万円+600万円×相続人の数 」になります。

つまり従来に比べて、基礎控除額は4割削減されることになります。それだけでなく、相続税の税率も上がります。現状の最高税率は「 3億円以上で50% 」ですが、「 6億円以上で55% 」に引き上げられるのです。

このような税制改正で、従来は相続税がかからなかった方にも相続税がかかるようになりますし、既に相続税がかかる範囲の方は増税になるわけです。

相続税の負担割合は、昭和63年〜平成15年の法改正で低下傾向にありましたが、今回はその流れが逆転して、人によっては、昭和63年の改正後より負担割合が多くなるケースも出てきます。

□ 財務省ホームページより




そこで、相続税増税に備えて資産家の方々は、従来以上に賃貸不動産を活用した相続税対策を検討し始めています。また、本人に、まだその気があまりなくても、銀行やハウスメーカーが積極的に提案してきます。

かくいう私も、現役銀行員時代には、賃貸不動産を使った相続税対策を資産家の方々に、よく提案していましたし、自分自身も相続税対策としての不動産投資を行っています。以下に、不動産を使った相続税対策の一例をあげましょう。



Q:現金3億円を持っている方がいるとします。その方が亡くなると、その現金の相続税評価額は当然に3億円となります。では、その3億円で生前に大都市の中心地に賃貸不動産を取得したとしたら、相続税評価額はいくらになるでしょうか?

◎ 前提条件( 場所は大都市の中心地 )
土地の取得費( 時価 )→2億円
更地の場合の相続税評価額→1億円
土地の面積→200u
建物の取得費→1億円
建物固定資産税評価額→4,000万円
借家権割合→30%
借地権割合→70%

1、土地の相続税評価額の計算

○ 貸家建付地としての評価
更地の場合の相続税評価額×( 1−借地権×借家権 )
=1億円×( 1−70%×30% )
=7,900万円

○ 小規模宅地等の特例による減額
 7,900万円×50%=3,950万円

2、建物の相続税評価額の計算

建物の固定資産税評価額×( 1−借家権 )
=4,000万円×( 1−30% )
=2,800万円

3、相続税評価額( 合計 )

土地の相続税評価額+建物の相続税評価額
=3,950万円+2,800万円
=6,750万円

A:現金で持っていた場合、3億円だった相続税評価額は、賃貸不動産にすることで6,750万円まで圧縮することができました。
※ 借入金を活用すれば、相続税を0円にすることも可能です



上記のように、賃貸不動産用地は、「 貸付事業用宅地 」として200uまでは「 小規模宅地等の特例 」が使えるというポイントがあります。そして、「 小規模宅地等の特例 」は、単価の高い土地ほど節税効果が高いのです。

その結果、相続税対策を講じる場合は、東京など大都市の中心地に近い単価の高い土地を求めて、賃貸不動産を所有することが、ひとつの解決策となるのです。

では、同じケースで、大都市ではなく、地方や郊外の賃貸不動産を取得した場合は、どうなるのでしょうか。



Q:現金3億円を持っている方がいるとします。その方が亡くなると、その現金の相続税評価額は当然に3億円となります。では、その3億円で生前に地方の賃貸不動産を取得したとしたら、相続税評価額はいくらになるでしょうか?
※土地・建物の取得価格は積算価格と同じで、借地権割合は50%とします。土地が広いため、「 小規模宅地等の特例 」は不適用となります。

◎ 前提条件( 地方・郊外 )
土地の取得費(時価)→2億円
更地の場合の相続税評価額→2億円
土地の面積→2,000u
建物の取得費→1億円
建物固定資産税評価額→1億円
借家権割合→30%
借地権割合→50%

1、土地の相続税評価額の計算

○ 貸家建付地としての評価
更地の場合の相続税評価額×( 1−借地権×借家権 )
=2億円×( 1−50%×30% )
=1億7,000万円

2、建物の相続税評価額の計算

建物の固定資産税評価額×( 1−借家権 )
=1億円×( 1−30% )
=7,000万円

3、相続税評価額( 合計 )

土地の相続税評価額+建物の相続税評価額
=17,000万円+7,000万円
=2億4,000万円

A:大都市の中心で賃貸不動産を取得するケースでは、3億円の資産の相続税評価額が6,750万円まで圧縮できるのに対して、地方・郊外で賃貸不動産を取得するケースでは、2億4千万円までしか圧縮できませんでした。
※土地値・積算超えといわれる物件を購入した場合、現金で持っているよりも、相続税評価額が高くなってしまうケースもあります。



上記の2つの例を比べると、「 相続税の節税 」という目的からは、大都市の中心の賃貸不動産の方が有利になる傾向があるのがわかります。しかし、これはあくまでも相続税対策として考えた時の話です。

相続税から離れてみると、都会の物件と地方の物件に対する捉え方は、大きく変わってきます。例えば、手持ち資金が少なく今から不動産投資を始める方や、まだ純資産が積み上がっていない方が不動産投資を始める場合を考えてみましょう。

手持ち資金が少ないのですから、銀行から融資を受けることになるのが前提となります。そして、銀行が担保評価を計算する時の使う積算価格は、相続税評価額と似たような動きをするのです。

つまり、上記の2例の場合、取得価格( 時価 )は同じ3億円でも、大都市の賃貸不動産の積算価格は購入価格に比べて少ないため、「 大幅な担保割れ 」とみなされ、バランスシートを毀損するケースがあるのに対して、地方・郊外の賃貸不動産の積算価格は「 買値以上 」とみなされ、借入の際にフルローンが出るケースもあるのです。

ということは、融資の受けやすさという側面から見ると、大都市の物件に比べて、地方・郊外の賃貸不動産の方がスムーズに進みやすい傾向にあるということになります。

私は、純資産の積み上がっていない方や所得がまだ多くない方には、まず地方・郊外の比較的利回りの高い賃貸不動産を取得を提案し、ステージが上がったら大都市の中心の賃貸不動産へ資産の組み替えを提案することがありますが、それはこのような理由からです。

どの種の物件が今の自分に合っているのかは、人により異なります。自分の財務面でのポジションを把握し、不動産投資をする目的を考えて、その時のステージにあった投資をしていくことが大切であると思います。
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プロフィール

■ 岡元公夫さん

岡元さん

岡元公夫さんのブログ

年はアラフォー。
亡き父と2代続けての元メガバンカー。
銀行員時代は、東証一部上場の大手不動産会社から 個人の大家さんまで、融資主体に幅広く担当。 実家は祖父の代からの小規模ながらの大家さん。

■ 経歴

□2004年
実家の跡を継ぎ、東京城北エリアでマンション・アパート・戸建を取得開始。

□2008年2月
不動産賃貸業の修行の為、不動産開発・運営会社に転職し、プロパティマネジメントの責任者となる。

□2009年10月
不動産収入が年間6千万円ほどになり、デッドクロスもクリアできる目途がついたことから、サラリーマンを卒業。

□2011年
東京エステートバンク株式会社(東京房屋®)を設立。国内・台湾・中国の投資家・会社経営者の方にコンサルティングを行っている。

■ 所有物件

□築35年RCマンション
 1LDK×4戸、2K×8戸

□築20年RCマンション
 1R×10戸

□築13年鉄骨マンション
 2LDK×6戸、2DK×6戸

□築5年木造アパート
 1R×5戸、2DK×2戸

□登記上築52年(実態は新築同様)
 木造戸建 2LDK×1戸

□区分所有マンション 2LDK×1戸
  合計 45戸

□駐車場12台
 バイクガレージ26台

H22/9に築古戸建1戸取得
H23/9に築古戸建1戸取得
現在、料理中

■ 保有資格

・宅地建物取引主任者
・ファイナンシャルプランナー
・その他生損保等金融関連諸々

■ 税理士試験科目合格
 (簿・財・相・固)


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