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新築ラッシュの今は本当に「建てどき」か?〜地主大家さんの目線と消費税増税〜

岡元公夫さん_画像 第41話

不動産の価格、賃貸不動産の需要と供給、そして賃料水準は今後、どう動いていくのでしょうか? それを予測するために、できることとは?

前回話した通り、不動産価格や家賃水準は、決して日本全国で同じ動きをするわけではありません。ですから、動向を予測するためには、値動きに関係する多種多様な要因を「 自分の投資ターゲットエリア 」に落とし込んで検討することが必要です。

今回から、その要因について説明していきます。まず、気を付けなければいけないのは、それぞれの要因は表裏一体のことが多く、あるエリアやある属性の方にとってはポジティブなことでも、他のエリアや違う人にとっては、ネガティブになることもあるということです。

もう一つ、要因を自分なりに分析・判断する場合に重要なことに、「 そのマーケットに参入している他の当事者のポジションに立って考えること 」があります。不動産投資をする理由は人それぞれです。自分のポジションだけを基準に分析しようとすると判断を誤ります。

■ 地主系大家さんの目線

私もそうですが、土地から取得して、その不動産からインカムゲインを得る目的で不動産投資をする新興大家さんや、その不動産取得の為に融資する銀行は、投資基準として取得する不動産単体の借入返済後のキャッシュフローを気にします。では、地主系大家さんの投資基準はどうでしょう?

全国の大家さんの9割ほどは地主系大家さんともいわれています。私は銀行員時代から現在に至るまで、地主系大家さんの資産運用・相続コンサルティングも行っていますが、地主系大家さんの投資基準は、新興大家さんのそれと異なる点があります。

例えば、地主系大家さんの多くは、その土地に愛着を持っています。元は先祖代々耕していた田畑であったり、幼少の時より慣れ親しんだ土地であったりするので、思い入れが深いのです。

自宅以外に収益不動産を所有している場合でも、立地は自宅の近所にあることが多いです。また、近隣にはルーツを同じくする元の土地を分けた親戚が住んでいたり、昔よりお付き合いのあるご近所の手前もあり、土地を手放すのを避けたがることもあります。

このような場合、賃貸不動産を建てる目的は、家賃収入でキャッシュフローをアップさせることではなく、その土地を維持することに重きを置くことがあります。そのため、相続税の負担も含めて土地活用を検討されることが多くなります。

地主系大家さんは、土地を元々所有しているので、収益不動産を建てる時のコストには、丸々消費税がかかってきます。そのため、土地から取得する場合に比べて、消費税アップの影響度合いも大きく感じることになります。

■ 消費税増税という要因

次に、消費税と相続税の二つの要因について説明します。
消費税は2014年の4月1日より、5%から8%に引き上げられることが決定されています。更に、2015年10月1日より、8%から10%に引き上げとなる予定です。

基本的に、物件の引き渡し( =最終決済 )が2014年の3月31日までに完了すれば、消費税は5%となるため、これが、地主系大家さんが急いで新築で収益物件を建てる要因となっています。

※ただし、施主が建設会社・工務店等にアパート・マンションを建てることを依頼する「 工事の請負に係る契約 」による場合は、( もう過ぎてしまいましたが )今年9月30日までに契約が済んでいれば、引き渡し日が来年の4月1日を過ぎても消費税は5%が適用されます。

また、収益不動産の場合は、建築にかかった消費税は「 減価償却費 」として経費化され、所得税・法人税の負担が下がることにより一部戻ってきますが、実需のマイホームの場合は、丸々コストの増加となることも、収益不動産の新築を検討する理由となります。

その結果、消費税増税に対する駆け込み需要は、昨年あたりから軒並み増加しています。これは、マイホームでもアパート・マンションも同じです。そのことは、大手ハウスメーカーや建設会社の受注状況をみれば明らかです。この駆け込み需要に対して、土地の需給バランスがタイトになり、土地の値上がりの一因となっています。

では、消費税増税前に収益不動産を慌てて取得する必要があるかというと、私はそうは思いません。

東日本大震災の復興需要、そして消費税増税による駆け込み需要による職人不足、それらの需要増や円安による建築用資材の値上がりにより建築コストは上昇しています。そして、そのコストの上昇は、消費税の上昇分を超えるケースが多くなっているからです。

■ 建築ラッシュと新築プレミアム

また、前述のような駆け込み需要の影響もあり、現在、アパート・マンションの建設ラッシュが続いています。既に竣工して入居者募集をしている物件が増えていますが、来年にかけて更に増えていきます。それも、焦って物件を買う必要はないと考える要因です。

新築物件の供給がスポット的に増えるとどうなるでしょうか?

日本人は、新築が好きな傾向があるため、賃貸住宅は、新築してから初めての入居者の場合に限り、家賃を高めに設定しても入居者が決まりやすく、当初の入居者が居住している間は高めの家賃を得続けることができます。これを新築プレミアムといいます。

ところが、新築が大量に供給されると、本来なら希少価値があった新築の価値が崩れ、従来なら得ることができた家賃の新築プレミアムを享受しにくくなることが予想されます。

これらの理由から、よほどお値打ちな土地に巡り合った場合等は別としても、消費税増税だけを理由に慌てて収益不動産を新築をする理由はないと私は考えます。
長くなりましたので、相続税増税が不動産市況に与える影響については、次回に続きます。

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健美家不動産投資コラム

プロフィール

■ 岡元公夫さん

岡元さん

岡元公夫さんのブログ

年はアラフォー。
亡き父と2代続けての元メガバンカー。
銀行員時代は、東証一部上場の大手不動産会社から 個人の大家さんまで、融資主体に幅広く担当。 実家は祖父の代からの小規模ながらの大家さん。

■ 経歴

□2004年
実家の跡を継ぎ、東京城北エリアでマンション・アパート・戸建を取得開始。

□2008年2月
不動産賃貸業の修行の為、不動産開発・運営会社に転職し、プロパティマネジメントの責任者となる。

□2009年10月
不動産収入が年間6千万円ほどになり、デッドクロスもクリアできる目途がついたことから、サラリーマンを卒業。

□2011年
東京エステートバンク株式会社(東京房屋®)を設立。国内・台湾・中国の投資家・会社経営者の方にコンサルティングを行っている。

■ 所有物件

□築35年RCマンション
 1LDK×4戸、2K×8戸

□築20年RCマンション
 1R×10戸

□築13年鉄骨マンション
 2LDK×6戸、2DK×6戸

□築5年木造アパート
 1R×5戸、2DK×2戸

□登記上築52年(実態は新築同様)
 木造戸建 2LDK×1戸

□区分所有マンション 2LDK×1戸
  合計 45戸

□駐車場12台
 バイクガレージ26台

H22/9に築古戸建1戸取得
H23/9に築古戸建1戸取得
現在、料理中

■ 保有資格

・宅地建物取引主任者
・ファイナンシャルプランナー
・その他生損保等金融関連諸々

■ 税理士試験科目合格
 (簿・財・相・固)


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