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地方高利回り物件で今後、気を付けなければいけないこと

岡元公夫さん_画像 第43話

世の中には多くの「 不動産投資家 」ではない大家さんたちがいます。そして、彼らは税金対策や資産運用など、「 投資物件単体からキャッシュフローや収益を得る 」こととは違う目的で不動産投資を行っています。

そして、そのような不動産投資家ではない大家さんたちが、賃貸不動産マーケットにどのような影響を与えているかについてを、過去のコラムで書きました。

第39話「 融資が受けやすい不動産と節税効果の高い不動産 」
第41話「 新築ラッシュの今は本当に「建てどき」か?地主大家さんの目線と消費税増税 」
第42話「 地銀の融資エリアと地方の資産家の東京進出との深い関係 」


ここで、私が何を伝えたかったというと、「 自分にとってはキャッシュフローを産まない、採算性が良くないと思われる不動産投資でも、ある方にとっては良い投資であるかもしれない 」ということを知っておくことが大切だということです。

その点を踏まえて、これからの不動産投資は、「 合成の誤謬( ごびゅう ) 」に気を付けなければいけません。「 合成の誤謬 」とは、それぞれの人にとっては合理的な行動であっても、他の多くの人も同様の行動をとると、全体では意図しない不都合な結果が生じるということです。

例えば、以下のような例が考えられます。

1)ある町で、相続税・消費税が上がる前の節税対策として、Aさんという地主さんが10室あるアパートを建てました。周辺の賃貸需要から考えると、10室増えたとしても、空室リスクもさほどなく、妥当な不動産投資と思われました。

2)Aさんがアパートを建てた頃、同じ地域に土地を持っているAさん以外の100人も、節税対策として、10室のアパートを建てました。

3)その結果、その町の賃貸住宅の空室率が一挙に上がり、従来からアパートを経営していた人も含めて、入居付・賃料維持に苦労するようになりました。



次のような例もあります。


1)ハウスメーカーや金融機関の提案により、ある地方の町でAさんという地主さんがアパートを建てました。新築で、サブリースも付いているため、当初は経営が順調でした。

2)Aさんの様子を見ていた近所の親戚・知人が、「 うちも!! 」「 私も!! 」と賃貸住宅を建て始めました。また、ハウスメーカーや金融機関( 含む農協 )も、「 Aさんは、アパートを建てて順調に経営されています。あなたも建てませんか? 」と営業したため、さらに同じエリアでのアパートが増えました。

3)Aさんがアパートを建てた数年後、その周辺には、需要を大幅に超えた賃貸住宅が建ち並ぶようになり、需給バランスは大幅に崩れてしまいました。



自分は土地持ちではないから、関係ないと思う方もいるかもしれません。しかし、都市に住む不動産投資家の中にも、地方をターゲットにしている方は多いでしょう。そのような方たちにとっては、他人事ではないはずです。

私の知り合いの大家さんで、あえて県庁所在地ではない地方都市や町の賃貸住宅をメインに投資されている方がいます。

こういってはなんですが、そのようなエリアの平均的な部屋の状態や入居者募集への工夫は、競争の激しいエリアに比べると、レベルが低めの傾向があります。つまり、そのようなエリアに、競争の激しいエリアの賃貸ノウハウを持ち込めば独り勝ちの状態になります。

また、通常、地方ではそのエリア在住か、何らかのご縁がある場合を除いて融資が付きづらいので、他のエリアからの参入者は限られます。そのため、全体の需要は少なくても、十分に勝算が見込めるのです。実際に、その知り合いの大家さんは、高稼働・高収益で順調に賃貸経営を行っているということでした。

しかし、その大家さんも、相続税増税に危機感を持っているそうです。その大家さんは中古アパートばかり所有していますが、都会ほど賃料水準が高くないので、リフォームにかけられる予算は限られています。そこに、相続税対策の新築が乱立すれば、さすがに競争力の低下は否めないからです。

多くの地方では、人の数に限りがあります。そのため、供給量が増えれば、そのまま経営の悪化につながるのです。私が銀行員時代に地方の分譲マンションを主業とするデベロッパーさんから、次のような話を聞きました。

そのデベロッパーさんは、地方の一定のエリア毎に3〜10年ぐらいおきに、分譲マンションを建てていました。話によれば、ある時期までは順調に売れるのですが、予測を誤ると、途端に数10戸レベルのマンションでも、売れ残ってしまうということでした。

別の見方をすれば、今までアパートばかりでマンションが少ないエリアに、いきなりデベロッパーさんがマンションを新築した時、需給バランスが一瞬に悪化することもあるということです。分譲マンションが売れなければ、賃貸に出されるでしょう。そして、賃貸マンションの家賃が下がれば、アパートは厳しい状況に追い込まれるでしょう。

繰り返しになりますが、全体の賃貸住宅数が少ないエリアは、少しの新築増加でも、大きな影響を受けることがあります。今現在、安定した賃貸住宅経営を維持できているとしても、数年先は状況が大きく変わるかもしれません。また、人口減少の影響も、長期的に少しづつ出てくるはずです。

ですから、地方物件に投資する際は、足許の高利回り・高収益を活かして得たキャッシュフローを無駄遣いせず、いざという時のために貯めておくか、当分の間、新規の不動産投資をしないならば、借入金を繰上げ返済して備えておくことは重要かと思います。

手許資金が潤沢であったり、負債が少なければ、賃貸住宅需給が悪化して、空室率上昇・家賃下落しても、持ちこたえることができるからです。

私はそのようなエリアでの投資を否定しているわけではありません。ただし、このような事実があるということは、忘れてはいけないと思います。

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健美家不動産投資コラム

プロフィール

■ 岡元公夫さん

岡元さん

岡元公夫さんのブログ

年はアラフォー。
亡き父と2代続けての元メガバンカー。
銀行員時代は、東証一部上場の大手不動産会社から 個人の大家さんまで、融資主体に幅広く担当。 実家は祖父の代からの小規模ながらの大家さん。

■ 経歴

□2004年
実家の跡を継ぎ、東京城北エリアでマンション・アパート・戸建を取得開始。

□2008年2月
不動産賃貸業の修行の為、不動産開発・運営会社に転職し、プロパティマネジメントの責任者となる。

□2009年10月
不動産収入が年間6千万円ほどになり、デッドクロスもクリアできる目途がついたことから、サラリーマンを卒業。

□2011年
東京エステートバンク株式会社(東京房屋®)を設立。国内・台湾・中国の投資家・会社経営者の方にコンサルティングを行っている。

■ 所有物件

□築35年RCマンション
 1LDK×4戸、2K×8戸

□築20年RCマンション
 1R×10戸

□築13年鉄骨マンション
 2LDK×6戸、2DK×6戸

□築5年木造アパート
 1R×5戸、2DK×2戸

□登記上築52年(実態は新築同様)
 木造戸建 2LDK×1戸

□区分所有マンション 2LDK×1戸
  合計 45戸

□駐車場12台
 バイクガレージ26台

H22/9に築古戸建1戸取得
H23/9に築古戸建1戸取得
現在、料理中

■ 保有資格

・宅地建物取引主任者
・ファイナンシャルプランナー
・その他生損保等金融関連諸々

■ 税理士試験科目合格
 (簿・財・相・固)


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