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融資を活用して不動産を増やしたい時にしてよい節税と、ダメな節税【part1】

岡元公夫さん_画像 第62話

早いもので、9月も下旬。年末も近づいています。個人の大家さんは、12月末が確定申告の計算期間の期日ですので、そろそろ今期の利益の目途がついて、どれぐらい税金がかかるか気になってくる頃ではないでしょうか。

■ リースや保険などを節税に用いるときの注意点

よく他の大家さんの相談を受けていると、税金をできるだけ少なくするために、損金計上できる手段を講じて節税を図ろうとする方がいらっしゃいます。正直、無駄遣いして経費を増やし、税金を減らすのは本末転倒だと思います。

一方で、例えば「 共済 」や「 リース 」や「 保険 」などの金融商品を活用した節税は、実質的に資金の目減りなく節税できるケースもあるので、うまく活用するといいでしょう。私の周囲でも、実際に活用している人は多くいます。

とはいえ、このやり方も確定申告や法人決算で経費を上積みして、利益を削り、所得税や法人税などを減らすことに変わりはありませんので、実行する際は注意は必要です。

どんな注意かというと、もし、これから当面、融資を活用して不動産を増やしていきたいのなら、そのような手段を活用した節税をせず、自然体で利益を計上するほうが良いということです。

特に不動産賃貸の規模が大きくなり、数億円までの個人のアパートローンのレベルを超えて、事業性融資のレベルになっている場合は重要です。なぜなら、「 利益の多寡 」が、銀行が融資の可否や条件等を決める際に重要視する「 財務分析の指標 」に影響してくるからです。

■ 融資の可否を決める「 債務償還年数 」を決めるポイント

その指標とは、「 債務償還年数 」です。銀行が融資する際の一番のポイントは、融資した貸付金がきちんと返済されること。「 債務償還年数 」とは、借入金を現在の利益等を基準として、何年間で返済できるかとういう指標です。

計算式は、大家さん向けに簡単に表すと次の通りです。

○ 債務償還年数=( 借入金の合計―正常運転資金 )÷年間キャッシュフロー

借入金には、役員借入金は含めません。正常運転資金については、通常の不動産賃貸業においては発生しないので、ここでは説明を省きます。

年間キャッシュフローについては、銀行によって若干計算式が異なります。このコラムでは、下記の通り計算することとします。

○ 年間キャッシュフロー=税引後利益( ▲特別利益 )又は( +特別損失 )+減価償却費

「 特別利益 」や「 特別損失 」とは、一時的臨時的に発生する損益です。毎期発生するわけではないので、年間キャッシュフローの計算では考慮します。例えば、不動産賃貸業では、「 不動産の売却益 」や「 売却損 」が特別損益に該当します。

キャッシュフローを算定するうえで減価償却費を加算するのは、減価償却費は既に建物や設備等取得する時に代金を支払い済みの資産の経費化で、資金の流出はないからです。

上記の計算式で算出された債務償還年数ですが、銀行は、一般の事業会社なら10年以内なら良好としています。例えば、一般の事業会社ですと何かの商品やサービスがヒットして利益が出ていたとしても、それが10年後より先も継続していることは稀です。

10年後に利益が出ていなければ、借入金が返済できなくなる恐れもあります。ですが、不動産賃貸業やホテル業など多額の設備資金を必要とし、その投資資金の回収に長期間を要する特性がある業種については、債務償還年数が30年以内とされることが多いです。

つまり、債務償還年数が計算上30年を超える業績の場合には融資がしづらくなるということです。逆に、債務償還年数は短ければ短いほど、その大家さんの財務指標は良くなり、銀行は、より良い条件でより多くの融資をすることが可能になります。

そして、債務償還年数を短くするには、利益を多く計上するか、借入金を減らすことになります。ですので、借入金を利用して不動産を買い進めていく方針であるのなら、キャッシュフローがプラスであることは当然ですが、できるだけ利益を計上し、債務償還年数を短くしたほうが良いのです。

■ 定款にある「 事業目的 」の内容修正を求められることも

参考ですが、銀行によっては、大家さんが資産保有会社を設立する時に、定款の事業目的に不動産賃貸業に関係ないものが含まれていると削除するように指示することがあります。実際に、私も資産保有会社で融資をうけるにあたって、事業目的の一部削除を融資条件とされたことがあります。

また、一般事業会社には、収益不動産取得の為の長期の融資をしないことがあります。これは、一般事業会社の債務償還年数が10年以内、不動産賃貸業の債務償還年数が30年以内とされていることも理由の一つです。

もちろん、銀行は一つの会社内でも、一般事業部門と不動産賃貸部門を分けて財務分析をすることは可能です。しかし、大企業ならともかく、大家さんの資産保有会社で、そこまですることは皆無でしょう。

次回は、不動産を増やしたい時に「 やっても良い節税方法 」などについて説明します。


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健美家不動産投資コラム

プロフィール

■ 岡元公夫さん

岡元さん

岡元公夫さんのブログ

年はアラフォー。
亡き父と2代続けての元メガバンカー。
銀行員時代は、東証一部上場の大手不動産会社から 個人の大家さんまで、融資主体に幅広く担当。 実家は祖父の代からの小規模ながらの大家さん。

■ 経歴

□2004年
実家の跡を継ぎ、東京城北エリアでマンション・アパート・戸建を取得開始。

□2008年2月
不動産賃貸業の修行の為、不動産開発・運営会社に転職し、プロパティマネジメントの責任者となる。

□2009年10月
不動産収入が年間6千万円ほどになり、デッドクロスもクリアできる目途がついたことから、サラリーマンを卒業。

□2011年
東京エステートバンク株式会社(東京房屋®)を設立。国内・台湾・中国の投資家・会社経営者の方にコンサルティングを行っている。

■ 所有物件

□築35年RCマンション
 1LDK×4戸、2K×8戸

□築20年RCマンション
 1R×10戸

□築13年鉄骨マンション
 2LDK×6戸、2DK×6戸

□築5年木造アパート
 1R×5戸、2DK×2戸

□登記上築52年(実態は新築同様)
 木造戸建 2LDK×1戸

□区分所有マンション 2LDK×1戸
  合計 45戸

□駐車場12台
 バイクガレージ26台

H22/9に築古戸建1戸取得
H23/9に築古戸建1戸取得
現在、料理中

■ 保有資格

・宅地建物取引主任者
・ファイナンシャルプランナー
・その他生損保等金融関連諸々

■ 税理士試験科目合格
 (簿・財・相・固)


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