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融資を活用して不動産を増やしたい時にしてよい節税と、ダメな節税【part2】

岡元公夫さん_画像 第63話

前回の続きです。まずは前回にも少し触れましたが、無駄遣いして経費を増やし、税金を減らすことの問題点について補足します。

■ 経費の無駄遣いをした分だけ税金が減るわけではない

大家さん限定というわけではなく、銀行員時代に融資を担当していた一部の中小企業の経営者の方の中に、「 税金に持っていかれるぐらいなら、経費で使う 」と、本来なら払わなくてもよい経費を必要以上に使おうとする方がいました。

使った経費全額分と同じ金額の税金が減ると思っていた方もいたようですが、これは税金の仕組みをわかっている方なら間違いだとすぐに気付くと思います。

また、企業や役所に勤めていると年間の経費予算が決まっていて、年度末に余った予算を無理に使い切ろうとすることがありますが、それは勤め人の発想です。私達大家さんはオーナーですので、そのような発想は捨てなければなりません。

一例をあげます。
ある決算期の税引前利益が100万円、税率が23%とします。ここから更に10万円の経費の無駄遣いをしても、10万円の税金が減るわけではありません。2万3,000円の税金が減るだけです。

それなら、10万円の経費を無駄遣いせずに、2万3,000円の税金を払って、残りの7万7,000円を内部留保しておいたほうが良いでしょう。

■ 法人と個人との税率の違いを節税に利用する

では、融資を活用して不動産を増やしたい時、やってもよい節税というのはどのようなものでしょうか? 

それは、収益不動産からの利益を法人や家族に分けて税率を下げる方法です。法人と個人の税制は異なり、一概に比較するのが難しいので、ここでは簡略化して説明します。

個人の所得に対する税負担は、累進税率です。収入が増えると、その分、税率もアップします。具体的には以下のとおりです( 2014年10月現在 )。

・課税所得金額が330万円超〜695万円以下
 →所得税・住民税の税率は30.42%
・課税所得金額が900万円超〜1,800万円以下
 →所得税・住民税の税率は43.693%
・課税所得金額が1,800万円以上
 →所得税・住民税の税率は50.84%


このほかに経費に算入できますが、事業税( 税率5%、控除額29万円 )も掛かります。

これに対し、法人所得に対する税負担は以下のようになります( 東京都の中小企業の場合 )。

・課税所得が400万円以下
 →法人税・住民税・事業税等を合わせた実効税率は22.86%。
・課税所得が800万円超
 →法人税・住民税・事業税等を合わせた実効税率は38.37%


個人所得で900万円や1,800万円というと、一般のサラリーマン世帯にとっては高額のように思えますが、不動産投資を続けて数億円の資産規模になると、サラリーマンの給与所得と合算して、いとも簡単に超えてしまいます。

前回でも触れていますが、借入金の元金返済は、年間キャッシュフロー《 =税引後利益( ▲特別利益 )又は( +特別損失 )+ 減価償却費 》を原資とします。数億円単位の借入元金の返済には、相応の利益( 所得 )を計上しなければ返済できません。

仮にある大家さんが、本人(個人)一人で収益不動産を買い進め、所得が1,800万円を超えていた場合、新たに収益不動産を取得すると、その物件から得られる不動産所得の50%以上が税金となります。

かたや、その大家さんが新たに資産保有会社を設立して、その会社で新たに収益不動産を取得した場合、その会社の課税所得が400万円以下なら税率は22.86%で済みます。

同じ大家さんが同じ収益不動産を取得して、同じように努力して利益を多くしても、その利益に掛かる税金は倍以上の開きがでることになります。これは大きいですね。

■ 早めに法人を設立して新規物件取得に備えよう


大家さんの中には、新たに収益不動産を取得するごとに新たに法人を設立する方もいます。銀行は融資の審査をする時に、大家さんと、その大家さんが関与する資産保有会社、及び家族の収益不動産を実質一体として判断することが多いです。

大家さん個人一人で収益不動産を有していても、大家さんとその家族・資産保有会社で分けて保有していても、年間の家賃収入や不動産維持費用は変わりません。

不動産の所有者をいくつかに分けることによって、税理士費用や法人住民税の均等割などの負担が増えますが、法人税・所得税の節税効果に比較すれば小さいものです。

税引前利益は本人・家族・法人の業績を合算すれば、あまり変わりませんが、法人税・所得税を減らすことによって、税引後利益は増益、そしてキャッシュフローも向上します。

ぜひ、大家さんとして規模を拡大していく時は、資産保有会社の活用や家族分散を検討してみてください。

注意する点として、一度本人が収益不動産を取得してから、法人や家族にその不動産を移転する時は、不動産取得税等の諸費用や移転する時の売買価格の設定など手間やリスクを伴います。

今現在は節税の点では、所有者分散のメリットがあまり得られないとしても、将来的に節税が必用な規模の大家さんを目指すなら早めに法人を設立して新規物件取得の準備をすることをお勧めします。

お値打ちな物件が出てきて、それを新設法人で取得しようとしても、物件が出てきてから法人を設立していたのでは、融資の手続きが間に合わない可能性もあるからです。



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健美家不動産投資コラム

プロフィール

■ 岡元公夫さん

岡元さん

岡元公夫さんのブログ

年はアラフォー。
亡き父と2代続けての元メガバンカー。
銀行員時代は、東証一部上場の大手不動産会社から 個人の大家さんまで、融資主体に幅広く担当。 実家は祖父の代からの小規模ながらの大家さん。

■ 経歴

□2004年
実家の跡を継ぎ、東京城北エリアでマンション・アパート・戸建を取得開始。

□2008年2月
不動産賃貸業の修行の為、不動産開発・運営会社に転職し、プロパティマネジメントの責任者となる。

□2009年10月
不動産収入が年間6千万円ほどになり、デッドクロスもクリアできる目途がついたことから、サラリーマンを卒業。

□2011年
東京エステートバンク株式会社(東京房屋®)を設立。国内・台湾・中国の投資家・会社経営者の方にコンサルティングを行っている。

■ 所有物件

□築35年RCマンション
 1LDK×4戸、2K×8戸

□築20年RCマンション
 1R×10戸

□築13年鉄骨マンション
 2LDK×6戸、2DK×6戸

□築5年木造アパート
 1R×5戸、2DK×2戸

□登記上築52年(実態は新築同様)
 木造戸建 2LDK×1戸

□区分所有マンション 2LDK×1戸
  合計 45戸

□駐車場12台
 バイクガレージ26台

H22/9に築古戸建1戸取得
H23/9に築古戸建1戸取得
現在、料理中

■ 保有資格

・宅地建物取引主任者
・ファイナンシャルプランナー
・その他生損保等金融関連諸々

■ 税理士試験科目合格
 (簿・財・相・固)


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