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フルローン・オーバーローンでも債務超過にならない物件とは〜融資審査のポイントpart6〜

岡元公夫さん_画像 第77話

前回は、銀行の不動産評価方法のうち「 積算評価法 」について説明しました。
積算評価法は、永年使われている主要な不動産評価方法です。

■ 収益還元法

今回は、まず十数年前から使われるようになった「 収益還元法 」について説明します。収益還元法とは、対象不動産から得られると予想される純収益を基に評価額を算出する方法です。

収益還元法には、年間の純収益を還元利回りで割って価格を求める「 直接還元法 」と、保有期間中の純収益と将来の売却時の予想価格等を現在価値に割り戻して、合計して評価額を求める「 DCF法 」があります。

DCF法は、直接還元法より緻密であり、予測の精度を高めたものですが、計算方法が複雑なため、高額な不動産に使用される傾向があります。私達大家さんが不動産を取得する時には、銀行は直接還元法を使用することがほとんどです。

それでは、直接還元法について更に解説していきましょう。
直接還元法を計算式にすると下記の通りとなります。

○ 収益還元評価額=年間の純収益÷還元利回り

純収益は、家賃・共益費・駐車場等の賃料収入から維持管理費・修繕費・固定資産税等の公租公課・損害保険料・空室等逸失利益相当額などの経費を控除したものです。

還元利回り( =キャップレート )とは、その物件を取得する場合に、基準となる投資利回りのことを言います。

還元利回りは、銀行がエリアや築年数・建物の用途ごとに独自に設定しています。例えば、東京23区内でも、城南地区と城東地区では異なりますし、住宅か店舗・事務所かでも異なります。

総じてブランド地や利用価値の高い地域ほど還元利回りは低くなる傾向にあります。

計算例をあげると、「 年間の家賃収入が1,000万円、年間経費が400万円、還元利回りを6% 」と設定すると、収益還元評価額は次のようになります。

○( 1,000万円―400万円 )÷6%=1億円

賃料収入は、地方によっては大幅に変動することがあります。また還元利回りも銀行の裁量により恣意的に変更されることがあります。そのため、収益還元法でも、不動産を適正に評価するには限度があります。

リーマンショック前までは、収益還元法のみで不動産評価をしていた銀行もありますが、現在は、収益還元法を評価方法に採用している銀行でも、「 積算評価額7割+収益還元評価額3割 」といったように、両方の評価法を組み合わせて評価することが多くなっています。

■ フルローン・オーバーローンでも債務超過にならない物件とは

銀行の不動産評価方法として、前回は積算評価法、今回は収益還元法を紹介しましたが、どちらの評価方法でも、出された金額は実際の実勢価格とは異なります。

積算評価では、都市部のほうが地方・郊外に比べて実勢価格が高くなる傾向にあります。収益還元評価でも、銀行が採用している還元利回りと実際のそのエリアの相場の利回りが異なり、銀行の収益還元評価額が実勢価格より高くなる場合があります。

この銀行の不動産評価額と実勢価格の相違を上手く利用すると、自己資金が少なくても、不動産を買い進めることができます。では、図で説明しましょう。前提として、以下のような条件があると仮定します。

○某大都市A物件 売買価格( 実勢価格 )100万円 銀行評価額 70万円
○某地方B物件  売買価格( 実勢価格 )100万円 銀行評価額150万円

そして、取得資金の調達を、「 自己資金30万円投入+借入70万円( 自己資金3割 )」、「 借入100万円( フルローン )」「 借入110万円( オーバーローン )」の3パターンに分けて、バランスシートにしてみます。すると、下記の通りとなります。

まず、「 某大都市A物件 」の結果です。



A物件では、自己資金30万円を投入して、やっとバランスシートは均衡します。フルローン・オーバーローンでは債務超過となります。債務超過ですから、他に自己資金がない場合、二棟目以降は融資を利用するのが難しくなります。

次に、「 某地方B物件 」の結果です。



フルローン・オーバーローンで取得したとしても、銀行の評価では、純資産が積み上がっています。この状態ですと、次の物件を買うときに、金融機関からの融資は受けやすいといえます。

某大都市のA物件も、某地方のB物件も、売買価格( 実勢価格 )は同じです。違うのは銀行が独自に付けた評価額です。それでも、銀行から見た場合には、このような差異が生じるのです。

不動産投資を始めて、まだ純資産が積み上がっていない方、自己資金が少ない方が融資を使って買い進めるには、「 売買価格( 実勢価格 )< 銀行評価額 」の物件を選ぶことが大事といわれるのは、このような理由があるからです。しっかりと覚えておきましょう。


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健美家不動産投資コラム

プロフィール

■ 岡元公夫さん

岡元さん

岡元公夫さんのブログ

年はアラフォー。
亡き父と2代続けての元メガバンカー。
銀行員時代は、東証一部上場の大手不動産会社から 個人の大家さんまで、融資主体に幅広く担当。 実家は祖父の代からの小規模ながらの大家さん。

■ 経歴

□2004年
実家の跡を継ぎ、東京城北エリアでマンション・アパート・戸建を取得開始。

□2008年2月
不動産賃貸業の修行の為、不動産開発・運営会社に転職し、プロパティマネジメントの責任者となる。

□2009年10月
不動産収入が年間6千万円ほどになり、デッドクロスもクリアできる目途がついたことから、サラリーマンを卒業。

□2011年
東京エステートバンク株式会社(東京房屋®)を設立。国内・台湾・中国の投資家・会社経営者の方にコンサルティングを行っている。

■ 所有物件

□築35年RCマンション
 1LDK×4戸、2K×8戸

□築20年RCマンション
 1R×10戸

□築13年鉄骨マンション
 2LDK×6戸、2DK×6戸

□築5年木造アパート
 1R×5戸、2DK×2戸

□登記上築52年(実態は新築同様)
 木造戸建 2LDK×1戸

□区分所有マンション 2LDK×1戸
  合計 45戸

□駐車場12台
 バイクガレージ26台

H22/9に築古戸建1戸取得
H23/9に築古戸建1戸取得
現在、料理中

■ 保有資格

・宅地建物取引主任者
・ファイナンシャルプランナー
・その他生損保等金融関連諸々

■ 税理士試験科目合格
 (簿・財・相・固)


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