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マイナス金利が不動産投資家に与える良い影響と悪い影響

岡元公夫さん_画像 第87話

■ マイナス金利とは?

日本銀行が今年の1月29日にマイナス金利導入を決定して、2月16日から実施されています。

マイナス金利となったのは、銀行などの金融機関が日銀に預け入れる当座預金についてです。それまでは、預け入れられていた当座預金全額に0.1%の金利をつけていましたが、今後は一部の預金を対象として−0.1%の金利としました。

日銀の資料から要約すると当座預金の金利階層構造は次の通りとなりました。

(1)基礎残高( 年利+0.1%を適用 )
各金融機関が積み上げた今までの残高については、従来の扱いを維持して、+0.1%を適用する。

(2)マクロ加算残高( ゼロ金利を適用 )
所要準備額に相当する残高など。
※所要準備額とは、対象となる金融機関に対して、「 受け入れている預金等の一定比率以上の金額を日本銀行に預け入れること 」を義務付けている準備預金制度による金額のこと。

(3)政策金利残高( 年利▲0.1%を適用 )
各金融機関の当座預金残高のうち、(1)と(2)を上回る部分に、▲0.1%のマイナス金利を適用する。

グラフにすると次の通りです。(日銀資料より抜粋)



日銀は今回、この当座預金口座の金利を全てマイナスにするのではなく、0・1%、0%、マイナス0・1%と3段階に分け、マイナス金利が適用されるのは増加分の一部にし、金融機関の収益を過度に圧迫しないよう配慮しています。

しかし、0.1%でもプラスとマイナスは大違いです。従来は金融機関は余剰資金を日銀に預けていれば利息が貰えたのに、今後は目減りすることになりますから、お金を預けなくなります。

金融機関は、預金するよりはましということで、今まで以上に日本国債を買い進めています。そのため3月18日の東京債券市場では、国債価格が一段と上昇( 金利は低下 )し、長期金利の代表的な指標となる新発10年物国債の利回りは一時マイナス0・135%まで低下しました。

一般常識からすると、なぜマイナス金利の国債を金融機関が購入するのか謎ですよね。

国債は、貸し付けや社債・株式に比べてリスクが低く換金性にすぐれてます。また金融機関同士が取引する際の担保にもなり、金融機関は一定の量の国債を手元に置いておく必要があります。

さらに日銀は、金融緩和政策の維持を目的に、マイナス金利でも国債を買う姿勢を変えていません。そのため、金融機関は、日銀に損せず売れることを見越して、国債を買っているのです。

■ 不動産投資向け融資に与える影響

そして現在、貸出金利の指標となる国債の金利が低下しているので、各金融機関のアパートローンの金利も連動して低下する傾向にあります。

4月以降は融資姿勢に与える影響も大きくなるでしょう。金融機関の年間の融資スタンスは、年度初めの4月から6月ぐらいに決まるところが多いからです。ここでのポイントとなるのは2点。

「 融資審査基準 」「 融資額目標( =ノルマ ) 」です。

まず、融資審査基準ですが、耐用年数による融資可能期間・担保評価による融資限度額・審査上のキャッシュフローの算定方法などは、ほとんどの金融機関で現在とあまり変わらないと思われます。

ですから、以前のように所得の低い方や自己資金の少ない方にフルローンで貸し出す金融機関が増えるという可能性は低いでしょう。

しかし、日銀への当座預金が増やせず、国債の購入にも限りがあるため、各金融機関は資金の運用先に困り、各支店への融資額目標( =ノルマ )を増額することになります。

そこで、どのような状況になるかというと、昨年にも増して、他行からの肩代わりや地主さんや資産家の方へのアパート・マンションへの新築提案が増えることが予想されます。

マイナス金利は特殊な状況でありますし、これ以上のローン金利の引き下げ余地も限られています。既存の借り入れの多い大家さんにとっては、金利引き下げの良いチャンスになるはずです。

■ 不動産価格に与える影響

不動産価格への影響については、地域によって差はあれ、総じて好影響となると見込まれます。

都心の投資物件については、デベロッパーやファンドの資金調達時の金利が下がりますので、不動産価格が上がって表面利回りが下がっても、金利コストが下がるので実質利回りは維持できます。

また、不動産価格が伸び悩んでいた地方・郊外のエリアも、マイホーム購入希望者の取得意欲が高まれば、次第に価格上昇につながるでしょう。

ただし、賃貸不動産については、総じて地方・郊外は家賃が上がるわけではなく、新築も昨年同様に増えるでしょうから、個別の物件ごとに慎重な見極めが必要です。

金融緩和の時に「 銀行が貸してくれるから 」という理由だけで不動産の取得を決断すると、情勢が変わったときに苦労することになります。このあたりは注意が必要です

まとめると、本年1月に書いた「 2016年の融資動向と不動産相場はどうなる? 」とスタンスはほぼ同じですが、運用先に困る地方銀行が更に積極的に不動産融資に注力することが予測されるといえそうです。

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健美家不動産投資コラム

プロフィール

■ 岡元公夫さん

岡元さん

岡元公夫さんのブログ

年はアラフォー。
亡き父と2代続けての元メガバンカー。
銀行員時代は、東証一部上場の大手不動産会社から 個人の大家さんまで、融資主体に幅広く担当。 実家は祖父の代からの小規模ながらの大家さん。

■ 経歴

□2004年
実家の跡を継ぎ、東京城北エリアでマンション・アパート・戸建を取得開始。

□2008年2月
不動産賃貸業の修行の為、不動産開発・運営会社に転職し、プロパティマネジメントの責任者となる。

□2009年10月
不動産収入が年間6千万円ほどになり、デッドクロスもクリアできる目途がついたことから、サラリーマンを卒業。

□2011年
東京エステートバンク株式会社(東京房屋®)を設立。国内・台湾・中国の投資家・会社経営者の方にコンサルティングを行っている。

■ 所有物件

□築35年RCマンション
 1LDK×4戸、2K×8戸

□築20年RCマンション
 1R×10戸

□築13年鉄骨マンション
 2LDK×6戸、2DK×6戸

□築5年木造アパート
 1R×5戸、2DK×2戸

□登記上築52年(実態は新築同様)
 木造戸建 2LDK×1戸

□区分所有マンション 2LDK×1戸
  合計 45戸

□駐車場12台
 バイクガレージ26台

H22/9に築古戸建1戸取得
H23/9に築古戸建1戸取得
現在、料理中

■ 保有資格

・宅地建物取引主任者
・ファイナンシャルプランナー
・その他生損保等金融関連諸々

■ 税理士試験科目合格
 (簿・財・相・固)


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