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私が体験した空き部屋詐欺(?)の恐怖

岡元公夫さん_画像 岡元公夫さん 第91話 著者のプロフィールを見る

2016/7/21 掲載

このコラムを読まれている方は、日常的にパソコンやスマホで情報を収集したり、その他にも実際の大家活動に利用されていることでしょう。色々なメルマガに登録したり、ネット通販で買い物をすることもあると思います。

私も、10年ぐらい前からメールやネットを大家業に役立てています。すると、いつの間にかメールにスパムメールが混じるようになりました。

迷惑メールフィルタをすり抜けたスパムメールもすぐに判断して削除していますし、怪しそうなウェブサイトも閲覧しないようにしています。それでもセキュリティソフトでチェックすると、ウィルスが紛れ込んでいたりします。

電話番号もいくつか使い分けていますが、祖父の代から使用している昔は電話帳にも載っていた電話番号には、怪しい投資話やセールスの電話が結構掛かってきます。

リアルでもネットでも、今の世の中は危険と隣り合わせです。そして大家さんは、直接の被害者ではないかもしれませんが、それらの犯罪に巧妙に利用されてしまうことがあります。

その一つが「 空き部屋詐欺 」です。私も過去に経験したことがあり、非常に気味の悪い思いをしました。

■ 空き部屋詐欺の手口

やり方はこうです。まず、犯罪集団が何らかの方法で他人のクレジットカード情報を手に入れます。彼らがそのクレジットカード情報を使い、ネット通販で買い物をします。

ただ、買った商品の受取り先を自分たちのアジトなどにすれば、すくに警察に捕まるでしょう。そこで、賃貸物件の空き部屋を利用するのです。

賃貸物件の空き部屋は、客付業者さんなどが連れてきた入居希望者さんが内見しやすいように、鍵を現地のキーボックスなどに設置することがよくあります。

客付業者さんは、大家さんや管理会社に電話して、入室の方法を問い合わせます。犯罪集団の中にこの業界のルールを知っている者がいれば、簡単に悪用することができます。

手口は次の通りです。

①内見希望の客付業者を装って、ターゲットとなる空き部屋の開錠方法を聞き出す。
           ↓
②ネットで買い物し、その空き部屋を配送先にする。
           ↓
③配送が予定される日時にその部屋の中に待機し、宅配業者が来たら、荷物を受け取る。


部屋を片付けてしまえば、後日、クレジットカード情報を使った詐欺が発覚しても、荷物受取り時の犯人につながる証拠を得るのは困難となります。

■ 私の空き部屋詐欺の体験談

事件というと他人事に思うかもしれませんが、決してそうではありません。その証拠に、私自身がこの空き部屋を利用した詐欺と思われるケースに2度、遭遇しました。

1回目は、とある空室物件で、現地の配管に内見用のキーボックスを設置していた時のことです。

ある時、内見希望の客付業者さんと入居希望者さんが、現地でキーボックスから鍵を取り出そうとしたところ、番号を合わせてもキーボックスが開かないとのことでした。

私が現地に行っても、確かにキーボックスが開きません。もしかしたら、前に内見した業者さんがキーボックスのダイヤル番号をうっかり変えてしまったのかな? と思いました。

その時に使用したキーボックスは、引掛ける部分を180度回して伸ばすと番号が変更できるタイプで、うっかりダイヤルを触ってしまう可能性もあったからです。

仕方ないので、その時は新たなキーボックスにスペアキーを設置して、元のキーボックスはそのままにしておきました。

しばらくして、入居者が決まったので、空き部屋の鍵を交換しました。その時は開かなくなったキーボックスは邪魔になるわけでもなく、取れないので放置しておきました。

ところが、それから1カ月ぐらい経った時に巡回で現地に立ち寄ってみると、開かなくて取れなくなっていたキーボックスがなくなっているではありませんか!!

ダイヤルの番号を知っていた人間がいたのです。こうなると、誰かが何らかの意図が、あってキーボックスの番号を変更したとしか考えられません。

もちろん、入居が決定した時点で鍵を変えていたため、実損はキーボックス1個のみですが、内覧希望者の方を案内してくれた不動産会社さんに迷惑をかけましたし、気持ち悪い思いをしました。

2回目は、今年の繁忙期のことです。入居が決まった部屋で、内見セットの撤収にいったら、キーボックスが設置してあったパイプスペースの中に落ちていて、鍵がなくなっていました。

インターフォンを見ると電源ランプが点いています。室内は内見が終われば、普通はブレーカーを切って、部屋の電源は切っておくものです。

誰か客付業者さんが部屋の中にいるのかとも思い、インターフォンを鳴らしてみても応答はありません。直近で入室したと思われる業者さんに連絡しても鍵は持っていないとのことでした。

その時は、スペアキーを持参していなかったので、一旦事務所にスペアキーを取りに戻りました。空き部屋詐欺の一味が部屋の中に潜んでいるかもと思い、対抗できそうな道具も用意して、再度現地に行きました。

いざ、玄関ドアを開ける時は、結構怖くて緊張しました。開けてみると、そこには誰もいなく、ほっとしました。

ただ、室内を確認すると、部屋の真ん中に菓子パンの袋が落ちていたり、キッチンに携帯用灰皿が忘れられていたりと、通常の内見ではあまり見かけない状況がありました。

部屋数のあるファミリー向けの部屋でしたので、子連れの入居希望者さんなどの痕跡だったのかもしれません。その後も警察からは、何にも問い合わせがなかったので、空き部屋詐欺に使われたという証拠はありません。

しかし、実際にそれらの物件の近隣で空き部屋詐欺が起きているようなので、可能性がないわけではなく、とても怖い思いをしました。

皆さんも、身近に潜むことだと認識し、見知らぬ客付業者さんに現地鍵対応の内見方法を教える時は、身元確認を厳密にするなど、できる限りの注意は怠らないようにして欲しいと思います。

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※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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プロフィール

岡元公夫さん

岡元公夫さんおかもときみお

亡き父と2代続けての元メガバンカー。
銀行員時代は、東証一部上場の大手不動産会社から個人の大家さんまで、融資主体に幅広く担当。
実家は祖父の代からの小規模ながらの大家さん。

プロフィールの詳細を見る

経歴
  • □2004年
    実家の跡を継ぎ、東京城北エリアでマンション・アパート・戸建を取得開始。

    □2008年2月
    不動産賃貸業の修行の為、不動産開発・運営会社に転職し、プロパティマネジメントの責任者となる。

    □2009年10月
    不動産収入が年間6千万円ほどになり、デッドクロスもクリアできる目途がついたことから、サラリーマンを卒業。

    □2011年
    東京エステートバンク株式会社(東京房屋®)を設立。国内・台湾・中国の投資家・会社経営者の方にコンサルティングを行っている。
不動産投資歴
  • □築44年RCマンション
    1LDK×4戸、2K×8戸

    □築28年RCマンション
    1R×10戸

    □築21年鉄骨マンション
    2LDK×6戸、2DK×6戸

    □築14年木造アパート
    1R×5戸、2DK×2戸

    □登記上築60年 木造戸建(実態は新築同様)
    2LDK×1戸

    □木造戸建てリノベシェアハウス
    2棟×10室

    □区分所有マンション
    2LDK×1戸

    □駐車場12台
    バイクガレージ26台

    □再開発予定木造戸建
    3棟
保有資格

宅地建物取引主任者
ファイナンシャルプランナー
その他生損保等金融関連諸々
税理士試験科目合格
(簿・財・相・固)

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