ポケモンGOの日本での配信が7月22日に始まりました。アメリカで先行配信されて話題になっていたので、実際にプレイしてみた方も多いでしょう。
かくいう私もスマホにアプリをダウンロードして、プレイしています。実はスマホでゲームをプレイするのは、これが初めてです。
また、ポケモンも20年前ぐらいにテレビでの放映が始まったころに少し視たぐらいで、ポケモンのゲームをしたこともないので、それほど詳しくはありません。
そんな私でも、プレイを始めて、すぐに慣れて楽しめています。プレイしてみた方の中には、ゲームの中身がシンプルで早くも飽きてしまったという方もいるようです。
ただ、ゲームの提供者サイドとしては、まずは多くの方に簡単にプレイを始めてもらうことが重要です。プレイヤーの方々が慣れてきたら、ポケモンを捕まえる時にバトルさせたり、プレイヤー間でトレードできたりする新要素を付け加えることは可能でしょう。
■ 地方のほうがポケモンGOを不動産投資に活用できる
私は東京に住んでいて、所有賃貸物件も全て東京都区内にあります。
管理物件を巡りながらポケモンGOをプレイしていると、タップすることで経験値・道具・タマゴ などを入手することができる「 ポケストップ 」やポケモンをバトルさせられる「 ジム 」が自宅や所有物件の近くに多数あることがわかりました。
賃貸物件の中には、部屋の中にいてもポケストップやジムにいつでもアクセスできる所もあります。また、物件から直接アクセスできなくても、近くの公園や繁華街に行けば多くのポケストップが設置されていて、多数のポケモンが出現している所がいくつもあります。
ポケモンGOでは、どれだけポケストップを通過できるかでゲームの進行速度が大幅に変わります。その点、都会はプレイしやすい環境にあるといえます。
対して地方では、ポケストップやジムが少なく、ポケモンもあまり出現しないエリアが多いようです。しかし、その状況を逆手に取って、自分が所有している賃貸物件の近くにポケストップやジムがある場合は、入居者募集において優位に立てるかもしれません。
実際に先行配信してるアメリカでは、付加価値としてアピールしている物件が出てきています。ゲームで遊ばない方やポケモンを知らない世代の方にはピンと来ないかもしれませんが、賃貸物件入居者のメインターゲットの世代にとっては魅力的な付加価値でしょう。
■ ポケモンGOを使った地域おこしやイベントも
ただ、その優位性も永続するとは限りません。ポケモンGOは、民間企業の営利事業です。ポケストップやジムの設置・削除、ポケモンの出現度合などは、運営者が自由に変えられます。
例えば日本で配信を開始した時には、マクドナルドが提携して全国に約2,900店あるマクドナルド全てのうち400店舗が「 ジム 」、2,500店舗が「 ポケストップ 」に指定されています。
また、8月10日には、ポケモンGOを開発、運営する米国Nianticの日本法人の株式会社ナイアンティックと岩手県、宮城県、福島県、熊本県の4県が共同で、ポケモンGOを使った観光復興策を連携して進めていくことを発表しました。
会見では、4県でのポケストップ・ジムの追加や関連イベントの開催などが発表されています。またレアなポケモンのイベント活用も否定されませんでした。
■ 拡張現実により弱かった立地に魅力を付加できる
今のところ、大手企業や公共団体との提携・連携の段階ですが、今後は中小企業や我々個人の大家さんも提携して、ポケストップ・ジムを設置できるようになる可能性もあります。
グーグル・フェースブック・LINEなども無料利用でユーザーを囲い込んだ後で、広告を掲載できるなど、更なる利便性を得られるビジネスモデルとなっています。
今の状況は、新しいライフスタイルの始まりにすぎません。ポケモンに限らず位置情報や拡張現実を活用したゲームなどのソフトの将来性は、まだまだ延びていくはずです。
今はまだver1.0の段階です。活用するコンテンツも、ポケモンに限定する必要はありません。他のアニメやゲーム、映画などのコンテンツでも良いでしょう。
今まで個人の大家にとって、自分だけの力では立地の価値は変えられないものでした。しかし、拡張現実を活用すれば、それを変えられる可能性があります。時代の変化をうまく捉えて、賃貸経営に生かしていきましょう。