こんにちは。オロゴンです。現在、新事業の開業に向けて、正社員の方を探したり、融資を受けるための事業計画書を作ったりしています。
どうしても人を何人か雇用することになりそうなので、資金繰りのシミュレーションをしているのですが、その計算をしている中で、ふと思ったことをツイッターに投稿したところ、予想以上の反響がありました。
(元tweet)

ツイートに添付した表の画像は、「 社会保険料の金額一覧表 」です。毎年、会社(社員を雇用する側)に送られてくるものです。
荒っぽく言うと、「 この金額の月額給料を払っている社員からは、この保険料を天引きしろ! さらに、それと同じ額をおまえたち会社が上乗せして、合わせて支払をしろ! 」という表です。
「 社会保険料( 健康保険+厚生年金 )は、従業員と会社が半分ずつ( 折半して )払っている 」という話を聞いたことあるかもしれませんが、こういうことなんですね。
ちなみにこの健康保険の保険料は、全国健康保険協会( 略称:協会けんぽ ) 福岡支部のものです。大企業などは会社独自でけんぽを持っていることもありますし、都道府県によっても、毎月の金額は異なります。
参考:全国健康保険協会 令和4年度保険料額表( 令和4年3月分から )
ツイートの中でも例を出している通り、月給の額面30万円を従業員に支払っている会社の場合、健康保険料15,315円+厚生年金保険料27,450円=42,765円を差し引いた 257,235円が手取りの給料になります。
この金額は社会保険料だけを考えたもので、給料から天引きされるものは、税金の主役ともいえる所得税の源泉徴収など、他にも色々あります。( 詳しく知りたい方は、拙著「 サイフの穴をふさぐには? 」をぜひごらんください )
さて、会社側としては30万円を払ったはずなのに、従業員の手取りは25.7万ほどに減りました。さらに、会社が支払うべき折半分42,765円を上乗せして、会社側は翌月末までには、現金で支払いをしなければなりません。
会社によっては、従業員は何人もいますから、掛け算で考えると、なかなかのインパクトになることがわかりますね。
僕がツイートで言っている「 ギャップ 」というのは、経営者側の「 この人には人件費として○○万円払っているのだから 」 という思いと、従業員側の「 給料を○○万円しかもらっていないのに・・ 」という思いの差のことです。
まさにこういうこと↓
(元tweet)

■ 資本主義のルールはだれも教えてくれない
「 経営者はこんなにかわいそうなんだ! 」とか「 従業員は贅沢を言ってはいけない! 」というつもりは毛頭ありません。「 人件費+社会保険料 」を負担してでも、それ以上の利益をあげることが経営者の責務だと考えています。
社会のルールは既にそこにあるのですから、知った上で飛び込んでいかなければいけません。サッカーの試合が始まってから、「 手を使ったらいけないって知らなかった!参加しなければよかった! 」と嘆いても、その声はフィールドに虚しく響き渡るのみなのです。
しかし、このサッカーにおいての「 手を使ってはいけない 」というルールが、プレイヤー・審判・観客すべてが理解されているのに対し、税金や社会保険のルールはそうなっていません。
日本のサッカー競技人口は500万人だそうですが、資本主義というゲームの競技人口は1.2億人です。国民もれなく参加しなくてはならないゲームなのに、そのルールは、学校も会社も誰も教えてくれないのです。
自分で学ぶしかないというところが、この世界の残酷なところです。そして、もっと残酷なのは、こんなにも残酷な世界なのに、パッと見は「 残酷なように見えない 」というところです。
僕自身、特に何も考えずに高校・大学に通い、当時、就職ランキングの高かった銀行に就職しました。世界の仕組みなんて、考えたこともありませんでした。なぜなら、それでも特に困ることもなく普通に暮らせたからです。
人生というゲームのスコアボードには暗幕が張られていて、強者とはいつのまにか点差が開いていく・・・。自分がいる世界が、何となくそんな世界だと気づいたのは、僕が銀行を退職し、雇われ社長となったときです。
人を雇う側になって初めて、「 サラリーマンの知らない裏側の世界は、こんな風になっていたのか!? 」と驚いたのです。
■「 ねんきん定期便 」にも隠されたワナ
話は変わります。下の画像は日本年金機構から毎年誕生月に送られてくる「 ねんきん定期便 」に記載されている「 これまでの保険料納付額 」の欄です。( この書類を見たことないという人、まさかいませんよね・・・? )

参考:https://www.nenkin.go.jp/service/nenkinkiroku/torikumi/teikibin/20150331-05.html
こちらの画像の例だと、今までこの被保険者は、サラリーマンとして、500万近くの厚生年金保険料を支払ってきた、と表示されています。
そして、そのすぐ下には、現時点で受け取ることができる年金のシミュレーション( 年額 )が記載されているのですが・・・

この人の場合、年間合計57万円ほどですから、年金受給開始から、9年ほど生存すれば、いわゆる「 元が取れる状態 」になりそうな気がします。
しかし、このねんきん定期便にあらわれる、保険料合計500万はあくまでも、「 被保険者負担額 」。この裏には会社が負担したはずの500万円が隠れてしまっているのです。
つまり、この被保険者にかけられている厚生年金保険料は実際には1,000万円近くになるのです。ある意味、何も知らない人をダマしているような書きぶりですね。某回転寿司のおとり広告を攻撃している場合ではありません。
※「 元を取る 」という考え方は、実は日本の年金システムを考えるにあたってはナンセンスだったりするのですが、ユーザーである国民にとっては重大な関心事項なので、ここではあえてそう書いています。
■ 僕が投資家・経営者を目指すひとつの理由
このように、サラリーマンは税金や社会保険料においては、国が決めたルールには従わなければならない現状があります。そして、そのルールをみんなが常識として学んでしまうと、国にとっては都合が悪いこともあるわけです。
(元tweet)

しかし、自分でビジネスモデルを持つと、その世界は少し変わってきます。言われるがままに会社からの天引きで社会保険料や税金を引かれる状態を脱し、確定申告や決算のルールを活用して、自主的にあれこれとコントロールできるようになります。
コラムでは詳しくは触れませんが、それが僕がサラリーマンをやめて、投資家・経営者を目指す理由のひとつになっていることは間違いありません。
不動産投資も、不動産賃貸事業という立派なビジネスですし、世界には様々なチャンスがあります。まずは自分が生きている資本主義のルールを知り、自分の現状を知りましょう。
その上で、小さなことからでも行動を起こしてみると、今までと違う世界が広がっていくことになると思います。