※参照:第一話「 知は力なりー無知が原因で損をする投資家たち- 」
実は私もこういう失敗を経験しています。恥ずかしいですが、今回は最初に買ったアパートの失敗事例を詳しくご紹介しましょう。
写真の九十九里の木造アパートが、私が最初に購入した物件です。平成16年( 2004年 )のことでした。私が買う直前に外壁塗装されていて、非常にキレイでしたし・・・。



内部も比較的良い状態でした。そして何より、利回りが18%もあったので「 エア大家 」だった私は飛びついてしまいました。ところがこの物件で私は2つの大失敗を犯していたのです。
■ 融資期間が短すぎた
ひとつは「 融資の組み方 」です。この物件は昭和63年新築の木造で、当時で築17年でした。法定耐用年数が終わるまであと5年しかありません。
当時の私は、「 銀行の融資年限は法定耐用年数までの残年数が基本 」ということを知りませんでした。千葉興業銀行さんに融資営業で訪問すると、商談をしているうちに融資担当者の顔がだんだん渋くなっていくのがわかりました。
銀行マン
「 ご融資出来る期間がずいぶん短くなりますけど、それでもいいですか? 」
と言われたときは、私はその意味がわからず、条件反射的にこう答えてしまいました。
ぺんた
「 大丈夫です・・・ 」
その結果、「 返済期間9年! 」という短い期間になってしまいました。

お恥ずかしいことに、返済比率は72%です・・・。手のかかる中古物件でその水準というのは、かなり致命的です。
■ 初めての夜逃げ
もう一つの失敗は、このアパートが「 駐車場なし物件 」だったことです。都会の方は実感できないでしょうけど、地方の生活はすべてクルマ移動が前提になっています。
そんなエリアで駐車場がないというのは、これまた致命的でした(^_^;)。ちなみに、そのエリアはこんな風にド田舎です・・・。

道を挟んだ向かい側に3台分だけ駐車場を借りることが出来たのですが、全戸分はありませんので、最後まで苦戦の原因になりました。
地方で駐車場がない物件を経営するということは、言い方が悪いかもしれませんが、「 クルマを所有出来ない層 」や「 厄介な人たち 」を受け入れる確率が高くなります。
私も例にもれず、アパートを所有して早々に、その洗礼を浴びました。ある日、管理会社のおばちゃんから電話が入りました。
管理会社のおばちゃん
「 どうも、10X号室は夜逃げだったみたいだよ・・・ 」
ぺんた
「 え〜っ。そんな〜?? 」
と絶句しました。私の夢が音を立てて崩れた瞬間でした( 笑 )。そのお部屋は入金が2カ月ほどなく、電話にも応答しなかったので、管理会社さんに現地確認をお願いしていたのです。
室内には残置物が大量にありましたが、こちらは幸いなことに保証人の方が後始末をしてくれました。
■ ボクシング留学生が隣人をノックアウト
この一件以降、トラブルが続きました。次のトラブルはなんと、傷害事件です。事の発端は、物件から何キロか離れた大学にボクシング留学に来た韓国人留学生が入居したことでした。
チャンピオンを何度も輩出した有名なジムの会長さんが保証人になってくれたので、滞納の心配はありません。どうやら将来のチャンピオン候補として育成する腹づもりだったようです。
数カ月は平穏な日々が続きましたが、再び管理会社から、電話がありました。
管理会社さん
「 実はいま警察が来ていまして・・・ 」
ぺんた
「 え〜っ、何があったんですか? 」
管理会社さん
「 韓国の子が傷害事件を起こしてしまったみたいです 」
詳しく話を聞くと、状況は最悪でした。
彼はお隣の部屋の方と些細なことでトラブルになったようです。ところが、日本語がひとこともしゃべれないこともあって激高し、お隣の方をぶん殴ってしまったのです。
プロボクサーになろうかという子ですから、その拳は凶器みたいなもの。本人もその自覚があったのか、警察が来る前に韓国に逃亡してしまいました。殴られた方も退去してしたため、一気に2部屋空いてしまいました。
■ 70代の入居者さんが転んで亡くなる…
その後もいろんな事件があったのですが、私のモチベーションにとどめを刺したのは、入居者のおじいちゃんが亡くなってしまった事件です。
この方は当時70歳過ぎでした。スーパーの駐車場でクルマ止めにつまづいて転倒し、打ち所が悪く、そのまま亡くなってしまいました。
お部屋の中でなくて不幸中の幸いではあったのですが、保証人だった息子さんが残置物の撤去をしたくないとゴネたので、後処理が長期化してしまいました。もうウンザリです(^_^;
この物件を所有している間、駐車場不足がたたって入居率はだいたい50%、良くて66%でした。返済比率が72%でしたから、サラリーマン収入から常時補填をしていることになります。
それでいて、トラブルが続いたものですから、嫌気が差してしまい、このアパートは売却して、大家業から撤退しました。
この一件以来、駐車場を確保することと、返済比率を低く抑えるような融資組みをすることには、徹底してこだわっています。逆に、それが実現出来ない場合は買いません。
そう考えると、たくさんの失敗も私が成長するための必然だったのでしょうか。ということで、今日は最初からうまくいったわけではない、というお話でした。リカバリー可能な金額だったのが、救いでしたね。