2013年の秋に購入した平成6年築のファミリーRCで、利回りは24%ありました。

それまで区分や戸建を展開していた私は、2011年ごろから一棟ものを探すようになりました。区分や戸建は手堅くていいのですが、いかんせん成長スピードが遅すぎるからです。
いろんな物件を検討しているうち、ターゲットは地方の重量鉄骨造かRC造に絞られてきました。というのも、地方では土地の価格が安いため土地の担保評価は異様に低くなってしまいます。
建物が耐用年数の短い木造や軽量鉄骨だったりすると建物の担保評価も低くなるので、物件全体の評価も非常に低くなってしまい、融資が付きにくかったのです。
いまでこそ収益評価の金融機関が増えてきましたので地方の木造にも融資してくれるところが出て来ましたが、当時の私は木造と軽量鉄骨造を最初から除外することにしたのです。
いまも当時も重量鉄骨造やRC造の物件は人気が高く、なかなか良い物件にめぐり逢えません。2011年から2013年にかけて何十という物件を検討しましたがぜんぶダメでした。
そもそも買いたくなる物件が少ないうえ、買いたい物件には融資が付けられないというジレンマが続きました・・・。
そんなとき決まって思い出したのが上↑↑の物件のことです。
■ 利回りが高い理由
この物件はある業者さんから2011年の夏にご紹介いただきました。当時の私では融資付けのスキルが低すぎて簡単にロストしてしまいましたが、私の好みにバッチリ合った物件だったので忘れられなかったのです。
ただ、上の写真では一見キレイそうに見えますが、現地に行くと、利回りが高い理由がよくわかるような厳しい状況でした。例えば、敷地内には退去者が残していったゴミが散乱していました・・・。

廊下は山と積まれたゴミで塞がれていましたし・・・

入居者は自分の荷物を廊下に大量に積んでいました。

おまけに敷地内には雑草が生い茂り、廃タイヤも何本か転がっていました。

つまり、管理状態が劣悪な物件だったのです。決済の時に前オーナーから直接聞いたのですが、20年の所有期間中3回しか現地に行かなかったそうです。
決済の合間の雑談で、「 かなり雑草とかゴミがヒドい状態でしたけど、入居者から苦情は出ませんでしたか? 」と前オーナーに投げかけました。すると・・・
「 ええ、ずいぶん苦情の電話が入りましたが、秋になったら枯れるから我慢せぇって言ってやったら出て行きました。ワハハ・・・(^_^) 」
やっぱりこういう大家さんでなければここまで荒れませんよね(^_^;)
そのため、2011年に最初に出会った時の入居状況は、16戸中4戸。2013年に購入したときも6戸の入居で、入居率は40%弱という状態でした。
■ 「 楽して儲けたい 」の逆バリという発想
こんなヒドい物件をどうしても忘れられなかったのには、以下のようなふたつの理由がありました。
「 大半の大家さんが恐らく尻込みするだろうから買付け競争が激しくないだろう。だったら初心者の私でも買える確率が高い 」
「 ちゃんと再生出来たら超高収益物件になるし、売却時にはスゴい売却益がゲット出来る 」
新規参入される大家さんの多くは「 会社勤めがつらいから大家になりたい 」とか「 楽して儲けたい 」という動機でこの世界に入って来られます。
そのこと自体を私がとやかく言う資格などないのですが、そういう方が多いだけに、「 手のかかる物件は買い手が少ないだろう 」と考えました。逆バリの発想です。
また、私自身がサラリーマンとして事業再生に携わっていたことも背景にあります。かなり大きな会社のひとつの事業部を任せてもらい、業績を改善した実績が何社かあったため、痛んだ不動産でもなんとかなるという漠然とした自信がありました。
■ 2年後に問い合わせを入れ、今度は購入へ
ずっと物件探しをしていた2013年。この物件を紹介してくれた不動産業者さんに「 以前ロストした、RCのガラガラ物件みたいなのをまた紹介して下さいよ〜! 」と電話をかけてみました。

すると、「 え〜! あの物件がいいんだったらまだあるのに・・・ 」というではありませんか!
詳しく聞くと、けっきょく誰も融資付けができず、売れ残ったのだそうです。元付けさんが自社HPで細々と販売している、ということでした。
もうその会社さんは絡みたくない様子だったので、自分で元付けさんを探して直接商談を行いました。その後、商工中金さんで融資を引いて、無事に購入することが出来たのです。
再生過程は別の回でご紹介しますが、購入後半年で満室になり、市内の人気物件になりました。3年間満室を継続したのちに売却し、予定通りキャピタルゲインも得ることが出来ました。
この物件で試したことを現在も反復継続して行っているのが私の事業スタイルです。
次回と次々回は商工中金でお金を借りること、この物件をどうやって再生したかについて書こうと思います。