何度も申しあげて来た通り、駐車場の確保は地方の賃貸経営では死活問題です。一生懸命駐車場の確保に努力して来て、いろんなパターンを習得出来ましたので、今回はそういう事例を順にご紹介して行きましょう!
言うまでもありませんが駐車場を確保するのは「 借りる 」か「 買う 」かしかありませんので、そんなに難易度は高くありません。
■ 事例1、「 借りる 」から「 買う 」に転換した事例
この事例は健美家コラム第3話で詳しくご紹介していますが、初心者だった私が2004年に買って失敗した物件です。
参照:駐車場不足の田舎アパートをどう売る?ー失敗もリカバリーすれば成功さー
ド田舎で駐車場なし物件を買ってしまった私は、駐車場がないことが満室にならない原因だとわかると、道路向かいに3台分の駐車場を借り上げました。
ぜんぶで6台分しかない小さな駐車場で、当時は3台分しか借り上げ出来なかったため、それがボトルネックになり入居はやっぱり進みません。
大家業にほとほと嫌気が差してきたのでアパートを売却することにしたのですが、こちらも少し知恵がついてきて、この外部駐車場の持ち主に売ってくれ! という話をもちかけました。
幸い150万で売ってくれることになり、現金決済したあと、アパートの売却広告に「 駐車場100%完備 」と記載すると早々に売れたのです。やっぱり田舎で駐車場なしアパートを買うおバカさんは私だけだったようですね(^_^;
■事例2、自治体を相手に「 買う 」から「 借りる 」に転換した事例
こちらも詳しいお話は第9話でご紹介しています。
参照:地方の物件では必須! 購入後に駐車場を200%に増やした方法。「 源流主義 」を大家業に生かす②
岐阜県のこの物件は3DK×16戸のマンションでしたが、敷地内に戸数分しか駐車場がありませんでした。200%を目指して苦心していたのですが、隣地所有者である市役所に「 土地を売ってくれ! 」とお願いしても門前払いを食ってしまいました。
ならば・・と方針を転換して「 土地を貸してください 」「 人口増加につながります 」と口説いたところOKになりました。
①土地の賃貸は単年度契約で、毎年役所に申請すること
②造成費用はこちら持ちであること
②造成費用はこちら持ちであること
この2点が先方の条件でしたので、こちらは条件を呑んで交渉成立。駐車場造成費として170万円かけて立派な駐車場が出来上がりました。
第二駐車場の完成と同時にお申し込みがどんどん入り、1ヶ月も経たないうちに満室になりました。やはり駐車場の威力は絶大です。
■ 事例3、自分で「 ブツ上げ 」した事例
2DK×6戸・1DK×2戸のアパートは敷地内駐車場が8台分しかなく、管理会社さんからは「 もっと駐車場がないと入居が進みません 」という苦情をいただいていました。
周辺の土地所有者にどんどん声をかけても片っ端から断られてヘコミ気味でした。そんなとき、それまで注目していなかった草ボーボーの土地に気付きました。自分で謄本を上げてみると地元のバス会社さんの所有地でした。
内部はコンクリートが打ってあり、そのまま駐車場に使えそうです。
バス会社さんに直接電話をかけても不審者扱いされてしまうのがオチなので、どうやってアプローチするか悩んだのですが、結局その企業のメインバンク経由でお声がけをしました。
その銀行とは私も取引があったので、うちの担当さんからバス会社の担当さんに話をつないで、先方の売却意向を確認してもらいました。すると、「 売ってもいい 」という回答が来たんです!
その後先方指定の仲介業者経由で価格交渉して、固定資産税評価額で譲っていただくことができました。450万円です。草刈りのあとトラロープを張って5台分のスペースが確保できました。
しかし、いま思うとこの取り組みは失敗でした。2DK部分に入るお客さんは一人住まいの方が多く、わざわざ買ったこの土地はほとんど使われておりません…。宅地として処分しちゃおうかな・・・という誘惑に駆られています(..;)
■ 事例4、売主様からの申し送りで買った事例
1DK×6戸の重量鉄骨物件を購入したときのこと。表面利回りは26%と上々なのですが、ここも駐車場が3台分しかありませんでした。
売買契約時に売主様と初対面したときに意外な言葉を聞きました。
「 すぐ近くに市の土地が公売に出る予定があるから、そこを駐車場にするといいですよ 」
そこまで調べておられるのならご自身で駐車場を整備すればアパートはもっと高く売れるはずですが、人生の断捨離を一刻も早く行いたいということで私に申し送りしてくれたそうです。有り難いですね~。おっしゃっていたのは80㎡ほどの三角地でした。
ここを80万ちょっとで落札したあと、左官屋さんに型枠ブロックを使った擁壁を作ってもらいました。( 普通のブロックより強度がありますから擁壁にも使えます )
擁壁完成後に埋め立てて第二駐車場完成です!4台分取れました。工事代は120万ですから土地代と合わせて200万です。アパートの方はその後、ずっと満室基調を維持しています。
■ 事例5、まとめて地上げした事例
現在も市営住宅として使われているファミリー物件を昨年購入しました。ここを購入する前のエピソードです。
ここは戸数比50%ほどしか駐車場がありませんので、残る150%を確保しなければいけません。市営の契約が終了したあと、一般物件として募集するのに支障が出るからです。
たまたま仲介業者さんがブツ上げの得意なところだったので、マンションの売買契約前に、周辺の戸建群を地上げしてくれるようお願いしました。
というのもマンション前面側にこんな↓古い物件が計4棟あったのです。それらを全て安価に購入することができたら、マンション本体も買います・・・とドSなお題を出しました。( もちろん予算額もお伝えしましたw )
そうしたところ、本当に優秀な業者さんですので、4棟すべて話をまとめてくださり、安心してマンションの購入に踏み切ることが出来ました。これら4棟はすでに解体して更地になっています。
年明けにはマンションとの境界にあるブロック塀を壊し、土地を一体化したうえで、アスファルト舗装を行います。そうすれば戸数比200%は優に達成できます!
4棟の購入費は1,200万。解体費が600万。整地費用が300万。しめて2,100万とお高いですが、マンション本体から1,500万引いて頂きましたので、自己負担は実質600万です(^^)v
■ まとめ
まだまだ事例はありますがここらへんにしておきましょう。私も経験を積んで、駐車場の確保は物件購入前に行うようになってきました。
私のやり方は空室の多い物件を安価で買って、満室にしたあとしばらく持って高値で売却するというものですが、こと駐車場にフォーカスすると、駐車場がちゃんと確保されている物件は比較的高値で売却できます。
「 駐車場のない( 少ない )物件を安価に買って、駐車場を足してバリューアップを図る 」という見方もできるかもしれませんね。地方でしか通用しないやり方ですけどね。
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【健美家より】ぺんたさん物件見学ツアー【最終話】
富沢ウメ男の「 不動産投資 突撃ロケシリーズ 」でぺんたさんの物件を訪問しました。是非ご覧ください。