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大家さんも無視できないクルマの未来。カーボンニュートラルで激変する?

ぺんたさん_画像 ぺんたさん 第73話

2021/5/7 掲載

こんにちは、ぺんたです。菅総理が就任時の所信表明演説で2050年のカーボンニュートラルを宣言しました。日本全体で二酸化炭素を一切排出しない国になるそうです。

またつい先日の気候変動サミットでは2030年度までに温室効果ガスを「 2013年度比46%減 」とすることが決まりました。いやはや、私には到底実現不可能な目標に思えて仕方ありませんが決まったことなので仕方ありません。

それを受けてマスコミでは、「 クルマは将来的に全てEV( 電気自動車 )になる 」「 日本は電気自動車分野で出遅れた 」とか、「 電源は再生可能エネルギーが主流になる 」などと囃しています。

もしそれが本当だとしたら、中古アパートだろうが新築だろうが駐車場に充電設備がなければ将来的に選んでもらえなくなります。地方はクルマ社会ですから大打撃です。でも本当にそうでしょうか??

今回のコラムでは、そこらへんについて出来るだけ分かりやすく整理してみたいと思います。

■ 電気自動車はエコじゃない!?

最近は電気自動車が少しずつ増えてきました。電気自動車とは大量の電池を内蔵し、モーターだけで走行する車のことです。


(※出典:日産自動車ホームページより)

電気自動車は化石燃料を燃やさないので走行中にCO2を排出しません。だからエコだ・・・と思っておられる方が多いでしょうが、実はそうでもありません。

電池を製造する際に大量のCO2が発生するうえ、日本の電源構成は火力発電が主流なので、クルマに代わって発電所がCO2を大量に排出しているだけなのです。下の図は日本の電源構成の推移ですが、石炭・石油・天然ガス発電の比率が非常に高いのがわかります。


(※出典:資源エネルギー庁ホームページより)

化石燃料による発電比率が極端に低いフランスやスウェーデン↓では「電気自動車はエコだ」と言い切れるのですがね・・・。


(※出典:自然エネルギー財団ホームページより。元データはIEA)

あるコンサルタントの方が試算したところによると、日本の電源構成では電気自動車よりもハイブリッド車のほうがよほどCO2削減が可能だ! という結果が出たそうです。

これについてはまだ専門家の間でも意見が分かれていますが、電気自動車の環境性能は単純に良いわけではなく、その国の電源構成に依存するのだ・・・ということだけは覚えておいてください。

■ 「 高くて重くて走らない 」電気自動車

先日、福岡から仲間の大家さんがうちの物件を見学に来られました。日産のリーフに乗って来られたのですが、片道約140キロほどで電欠間際になり、到着と同時に充電されたそうです。電気自動車は大量の電池を積んでいるのですが、走行可能距離はガソリン車より大幅に劣ります。

マツダがMX-30というモデルを発売しているのですが、ラインナップにガソリン車と電気自動車を両方そろえている面白いモデルなので、両者を比較してみましょう。


(※マツダ株式会社ホームページより)


(※ガソリン車の走行距離はWLTC燃費×燃料タンク容量で計算しました)

一目瞭然ですね( 汗 )。電気自動車はガソリン車の1.8倍の価格で、200キロも重く、走行距離は3分の1以下です。どうしてこうなるのかというと、エネルギー密度という尺度で比較するとわかりやすいんです。

下の図はトヨタ自動車が試算した、エネルギー源の体積当たり/重量当たりのエネルギー密度です。( 横軸が体積比較、縦軸が重量比較です )


(※出典:トヨタ自動車資料より)

同じ体積で比較すると、ガソリンは電池の約50倍優れていますから、1リットルのガソリンと容積50リットルの電池が同じエネルギー量になります。同様に重量比でガソリンは電池の100倍優れていますから100sの電池と1sのガソリンが同じエネルギー量になります。

加えて現在主流のリチウムイオン電池はガソリンと比べて非常に高価なものですから、結果的に電気自動車は「 高くて重くて走らない 」ことになってしまうのです。

そう考えると化石燃料というのはCO2を排出してしまうこと以外は非常に優れたエネルギー源ですし、電池が化石燃料とのエネルギー密度差を埋めるのは容易なことではありません。

紙幅の都合で割愛しますが、他にも金属リチウムの資源量が限られていること、リチウムイオン電池が発火しやすいこと( 韓国の現代自動車の電気自動車で発火事故が多発しています )、充電に時間がかかることなども加味すると、日本国内で電気自動車が過半数を占めるような時代は今後数十年以内には来ないだろうと私は予測しています。

ですから、マスコミやアパートメーカーの論調に流されて新築アパートの駐車場全てに充電設備を設置する・・・ようなことは無駄な投資になってしまいますので、止めておいたほうがいいと思いますよ(^^ )

■ 水素とe-fuel

「じゃあガソリンを燃やしてCO2を垂れ流すのかよ!」とツッコまれる方のために、有望な方向性をいくつかご紹介しておきましょう。一つは皆さんも既にご存じの燃料電池車です。


(※トヨタ自動車MIRAI)

「燃料電池」という名称が紛らわしいのですが、要は水素発電機を搭載しモーターで走行する車のことです。

現段階では水素の供給量が限られていますが、例えば太陽光発電の電力をもとに水を電気分解して水素を作り燃料電池車で消費する・・・といったエコシステムが出来上がれば真の意味でカーボンニュートラルなモビリティが実現できます。

それに加えて先日、トヨタ自動車は内燃機関で水素を直接燃やして走る車を発表しました。


(※トヨタ自動車プレスリリースより)

この方式だと高価な燃料電池は不要で、レシプロエンジンが小変更のみで使えるので非常に安価な水素自動車が作れることでしょう。同じような発想で、マツダが水素ロータリーエンジンの技術を持っています。


(※マツダ株式会社ホームページより)

水素自動車とは別に私が注目しているのが「 e-fuel 」です。大気中から回収したCO2を原料に人工的に生成した燃料を「e-fuel」と総称しています。回収したCO2を再利用するため自動的にカーボンオフセットになります。

水素自動車が普及するためには専用の水素ステーションが全国に多数できないといけませんが、「 e-fuel 」の場合にはガソリンや軽油に混ぜて利用できるので、既存のガソリンスタンドがそのまま利用できます。ディーゼル車が普及しているヨーロッパが熱心に開発に取り組んでいます。

つまりクルマに既存のエンジンを搭載したまま「 e-fuel 」によりカーボンオフセットが出来るわけで、この技術が普及すれば電気自動車の出番はなくなります。もっとも現在は効率的で安価な合成技術の確立期ですので、商業ベースに乗るにはまだまだ時間はかかりそうですけどね・・・。

■ まとめ

本当は「 全ての建物に太陽光発電装置を 」と発言した小泉環境大臣にツッコミを入れたかったのですが、そこまでたどり着けませんでした。また機会を改めることにしますね。

私は徹底的なクルマ社会である地方都市で大家業を展開しているので、必然的にクルマの今後に興味があってずっと注視しています。

クルマの未来は混沌としており予測は難しいのですが、成り行き次第では地方都市での大家業に甚大な影響を及ぼすことは必至ですので、みなさんも気に留めておかれたほうがいいと思いますよ(^^ゞ

最後になりますが、デロイトトーマツさんによる動力種別毎の未来予測を引用させていただきますね。


(※出典:日経クロステック データはデロイトトーマツ)

HEV:ハイブリッド車
PHEV:プラグインハイブリッド車
FCV:燃料電池車
EV:電池駆動の電気自動車

グラフは全世界の1年間の生産台数を表しています。2040年時点でもガソリンエンジンを搭載したエンジン車+HEV+PHEVの比率はまだ半分以上を占めていることがお分かりですね。電気自動車は全生産台数の3分の1程度です。

またこの時点で実際に使用されているストック台数ではもっとガソリン車が多数を占めますので、「 クルマの未来は電気自動車一択しかない 」というマスコミの論調がいかに的外れかおわかりいただけると思います(^^ )

プロフィール

■ ぺんたさん



不動産賃貸業
平日は物件のある山口県、週末は家族のいる福岡県在住
家族は妻と二人の息子
ブログ「ぺんたの地方不動産投資日記」

■経歴

□1966年
福岡県北九州市で誕生

□1989年
大阪大学人間科学部卒業
東京の大手電気メーカーに就職

□2000年
3才の長男に発達障害があることがわかり、妻と「この子が20才になるまでにファミリービジネスを作っておこう」と決める

□2005年
義両親の介護のために長年勤めた会社を退社し、福岡へ
退職金で生活しながら、義両親の介護と長男の療育の体制を整える
引っ越しから約半年後に、福岡市内の球団に就職する

□2009年
福岡の球団を辞め、東京に単身赴任
2〜3年のペースで会社を変わりながら不振事業を再生する

□2014年
不動産賃貸業で起業(サラリーマンを卒業)

□2015年
物件のある山口県宇部市と家族の住む福岡の二重生活を始める

■不動産投資の経歴

□2000年
『金持ち父さん・貧乏父さん』を読み、不動産投資に興味を持つ

□2004年
千葉県九十九里に中古アパートを購入するも空室が続き、持ち出し状態に

□2007年
千葉県九十九里のアパートを売却

□2008年〜
福岡の区分マンションを現金で購入
福岡の中古戸建を現金で購入
千葉県山武市の中古戸建を現金で購入

□2012年
福岡市内に2LDK×8戸で1150万円の中古木造アパートを購入(利回り29%)

□2013年
岐阜県恵那市に3DK×16戸で4000万円の中古RCマンションを購入(利回り24%)

□2014年
不動産賃貸業で起業(サラリーマンを卒業)

岐阜県恵那市に3DK×12戸の中古S造マンションを購入(利回り21%)

三重県松阪市に1R×40戸で1億円の中古RCマンションを購入(利回り17%)

□2015年
山口県宇部市に中古S造アパ―トを購入(利回り27%)
平日は宇部市、週末は福岡という二重生活がスタート

□2016年
山口県宇部市で物件を買い進める
恵那市の2棟のマンションと松阪のマンションを売却し、多額のキャピタルゲインを得る

□2017年
10月時点で宇部市内に6棟の物件を購入(利回りは9%〜57%)

所有物件は12棟・138室、満室時の家賃年収は6500万円程
借入れは約3億4000万円(返済比率35%)

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