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貸会議室と宿泊事業はコロナ禍で撤退へ。プロが見た!コロナ禍における不動産最前線!【後編】

その道のプロ/渡辺よしゆきさん_画像 その道のプロ/渡辺よしゆきさん

2020/8/23 掲載

昨日の前編の続きです。通常のレジデンス、そしてシェアハウスは、コロナによってマイナスの影響を受けていないという話をしました。その一方で、モロに影響を受けている物件もあります。今回はその詳細をお伝えします。

参照:プロが見た!コロナ禍における不動産最前線!順風のレジデンスとシェアハウス【前編】

1、事務所・店舗

コロナによる影響を受け、大変頭の痛い状態に陥っているのが、事務所・店舗です。この話をすると、急にキーボードを叩く指が重くなります( 笑 )。

私自身の事を先に書きますが、貸している工場で一つ「 家賃の減額交渉 」が入り、別の店舗からも一つ「 退去 」予告が入ってしまいました!!!!!!!!

大事なんでもう一回言わせて下さい!

店舗が一つ、退去しちゃうよ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!(;´Д`)

これね、ほんと痛い! 城北エリアにあるとはいえ、平米数がある程度大きい物件なんです。金額は詳しくは書きませんが・・・

毎月福沢氏が50人〜100人位の人数、居なくなるレベルです!!!!(;・∀・)


福沢氏

はぁはぁはぁ・・・。すみません、悲しすぎて精神が崩壊しております。。。

話を元に戻しますと、私が保有している店舗において、福沢氏の引っ越しの意思は固く、今現在も苦悶・苦闘の最中で御座います。家賃の坪単価を下げれば埋まるかもしれません。ギリギリの攻防戦といった感じです。

また、別に保有しております工場の方は減額交渉が入ったものの、国の施策により用意された補助金を申請してもらい、こちらは事なきを得ました。

家賃の高い事務所や工場などからの退去や流出…。この流れは私の物件だけではなく、今現在、業界全体において同じような現象が見られているようです。

店舗に関しての実例を一つ紹介します。都内某所に不動産売買専門の仲介業者さんが入っていた事務所がありましたが、今回のコロナ禍によって転居を決意されました。

その理由として、コロナの緊急事態宣言によって社員を自宅でのリモート業務に移行したところ、仕事が予想より出来てしまい( 笑 )、顧客への対応も、内見と契約以外はリモートになったという背景があります。

内見に関してはお客様の来社を極力減らし、ご自宅から物件へ直接社員が送迎する事により応接スペースも必要がなくなり、結果として、大きな「 箱 」が不要になったという事です。

注目すべきは、この仲介業者さんの経営が傾いた訳ではないという点です。

コロナによって、期せずして「 大きなスペース 」がなくとも仕事に支障がない事が明らかになり、利便性はよいが、より賃料の低いコンパクトな物件へ引っ越すという流れが、実際に出来てきているのです。


家賃の減額交渉が入った物件

2、貸し会議室

次は貸会議室事業に関する事例です。私は都心3区内の中央区で貸し会議室を運営をしておりました。しかし、コロナの影響を免れる事は叶わず、この7月をもって撤退の判断をする運びとなりました。

私の場合に限らず、東京都内全域、新宿や渋谷など「 貸し会議室一等地 」の一部を除き、これまで小資本で始められると人気だった「 貸し会議室運営 」は急速に撤退の流れが進んでおります。

コロナ禍において企業活動が滞る中で、多くの仕事がリモートへと移行し、人に会う機会が減ったことから、「 会議室 」という空間そのものが不要となりつつあります。

中には「 リモートワークスペースとして再生 」し、活況を呈している「 元貸し会議室 」もあるようですが、こちらはマンパワーが必要になりますので、私はパスかなと思っております( 笑 )。

3、宿泊事業

最後に最も甚大な被害を受けているであろう宿泊事業に関するお話です。こちらの方は「 目も当てられない被害 」と言っても過言ではない暴風が、業界全体に吹き荒れています。

私自身はかつて東京都内で最大15物件程の「 民泊 」を運営しておりましたが( うち所有は3室 )、住宅宿泊事業法( いわゆる民泊新法 )が施行された際に完全撤退に舵を切りました。

大きな理由は宿泊日数の最大値が年間180泊とされた事に加え、自治体ごとに「 上乗せ条例 」( 住専では土日のみ宿泊可など )という厄介な足かせが用意されるようになったからです。

だって、最大でも売り上げが半分になるのでは、リスクばかりで儲からないでしょ・・・。

という事で一時は完全撤退をしていたのですが、2019年の秋に購入した物件において、オリンピックを見越した「 民泊復帰 」を決意。

早速、住宅宿泊管理業の申請を済ませ、あとは物件を仕上げるばかりとなった年明けにコロナが発生し、あえなく普通賃貸物件に戻したという経緯があります。

ですので、宿泊業における私自身の実害はほぼ( 管理事業者申請代金9万円くらいかな )ありません。ただ、周りを見回してみますと、その被害は甚大と言わざるを得ない状況にあります。

自らが旅館業、住宅宿泊事業を行っていた大家さんはもとより、そのような業者さんにサブリースとして物件を賃貸していた大家さんにも影響が出ています。

これまで、全国民を上げてインバウンドを享受しようという国策が立てられ、住宅宿泊事業法の策定、また旅館業法本体の緩和も行われて参りました。オリンピックへの期待もありました。

もともと賃貸業と宿泊業は親和性が高いといえます。「 空間貸しのプロ 」である大家さんたちがインバウンド需要を取りこむために宿泊事業へと軸足を移すのは、当然の流れでした。

しかし、オリンピック自体がコロナ・ウィルスによって揉み潰されたことにより、宿泊業に大きく軸足を移した大家さんの軸足はスパーン! と払われてしまったのです。

もちろん、影響を受けたのは後期参入の大家さんだけではありません。昔から宿泊事業を行っていた皆様の痛みは計り知れないモノがあります。

そんな中においても、様々な工夫を凝らし、新しいビジネスモデルにチャレンジする大家さんもいます。それでも、個々人で取れる対策はかなり限られているというもの。

国の抜本的かつ的確な救済策を待つと同時に、一刻も早い「 人類がウィルスを克服するための何か 」の登場を祈ることしかできないオーナーたちも少なくないのが現状です…。

■ 全く新しい価値観で賃貸経営を進める覚悟を

さて、駆け足でのコラムになってしまいましたが、以上がコロナ禍における賃貸市場をつぶさに見てきた私の偽らざる印象であり感想です。

この8カ月あまりを振り返り考えますと、やはり賃料が高額な物件に関しましてはレジデンス、店舗共に退去の流れが色濃く( 傾向としては商業用がより色濃い )なっています。

その反面、手ごろな賃料で利便性のあるエリア、物件の人気は根強く、流入が期待されているというところでしょうか。

賃貸不動産の現場においては新型コロナ・ウィルスという人外の存在により、期せずして全く新しい価値観、評価が下される時代に突入をしたといえるでしょう。

最後に、今回のコラムは私の私見が多分に含まれる文章ですので、エリアや物件によっては「 そんなことないよ! 」という事も多数あるかと存じます。

読者の皆様におかれましては、当コラムを参考にしていただきつつも、実際に行動を起こす際にはご自身でマーケティングを行った上で、結論を出していただければと思います。

何しろ、ありとあらゆる「 専門家 」と言われる人たちの意見、見地が100%正しかった事は稀です。「 前例がない 」という免罪符のもとリスクやリターンは自分自身の判断、行動のみが頼りという時代ですので。

最後に、この文章をお読みいただいた皆さま方の事業がこの先も繁栄されることを心より祈り、締めとさせて頂きます。またお会いできる日まで、サヨウナラ!(^^)/



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プロフィール

■ 渡辺よしゆきさん

よしゆきさん

3人の子供を持つ貧乏零細子沢山兼業大家
【完全大家さん目線の不動産屋さん】みまもルームの代表取締役

「空室率75%のおんぼろアパートを満室にしたブログ!」

■ 略歴

□1973年
東京に生まれる

大人になり家業の商売を継ぐが、年間労働日数300日超!しかも年収280万円( 笑 )という今でいう「 ワーキングプア 」な状況に危機感を覚える

□2006年
不動産投資の勉強をスタート

□2007年
競売により埼玉県越谷市に戸建を落札( 表面利回り18% )し、不動産投資に参戦。

一棟目から得られる賃料収入+鬼のような節制や株式投資で2棟目への資金を貯める。

□2010年
埼玉の山奥にある空室率75%の廃墟寸前アパート(通称・赤鬼荘)を現金一括購入(1R8戸・表面利回り28%)。

このアパートでは、床下浸水の瑕疵、孤独死、アパート一帯が土砂災害警戒危険区域の選定検査・・・などなど、業界にいう「赤鬼荘事件」の渦中に飲み込まれるも、独自の手法により8カ月で満室に導く。

□2011年、2012年
浦田 健氏が代表を務める「FPコミュニケーションズ」主催の「金持ち大家さんアカデミー賞」にて最優秀賞MVPを2年連続受賞。

以後、地方、都内、築古、新築、借地、再建不、戸建て、アパート、マンション、シェアハウス、民泊、貸し会議室などなどを運営する。

□2020年
都内を中心とし、地味6棟51室を賃貸経営中。

「雑食に、どん欲に、自分にリミッターを掛けず」不動産における商売のタネを探し続け今日に至る。

大家業にまい進する一方で【完全大家さん目線の不動産屋さん】みまもルームの代表取締役として日々、大家さんの悩み解消に汗を流す。

また、自身の経験を語るセミナーは笑いと勇気を与えると評判を呼んでいる(笑)。

■著書

よしゆきさん本

著書:「新米大家VSおんぼろアパート【赤鬼荘】-満室までの涙の240日」(ごま書房新社)

よしゆきさん本

共著:『選ばれる不動産屋さん 選ばれない不動産屋さん / 行動する大家さんが本気で語る』清文社刊


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