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空室率40%の土浦で入居待ちも。サラリーマン大家・鈴木かずやさんが「高齢者向きアパート」を運営する理由【前編】

不動産投資-大家列伝/鈴木かずやさん_画像


今回の大家列伝は、サラリーマンのかたわら、茨城県土浦市で二棟の「 高齢者向きアパート 」を運営する鈴木かずやさんにお話をうかがいます。空室率40%超という土浦市内で、満室経営( 利回りは30%超 )を続ける鈴木さんですが、そこに至るまでは様々な苦労があったといいます。

前編の今日は、鈴木さんが取り組む「 高齢者向きアパート 」と普通のアパートの違い、運営ノウハウの学び方、入居者募集の方法、孤独死などの高齢者特有のリスクの心配はないのか等、気になる疑問にお答えいただきました。


■ 空室率40%の土浦で成り立つ賃貸経営はあるのか?

華子
自己紹介をお願いします。


鈴木かずやさん
茨木県内に戸建一戸と、2棟の高齢者向きアパートを所有しているサラリーマン大家の鈴木といいます。現在の家賃収入は満室時で月に63万円。心がけているのは、「 自分にしかできないアパート経営 」をすることです。

華子
不動産投資を始めたきっかけを教えてください。


鈴木かずやさん
昔から資産運用に興味があり、投資信託を買ったりしていました。その流れで不動産投資のことも知り、2012年に取手市の300万円の戸建を買いました。

すぐに入居者がついたものの、現金買いだったためスピードが遅いと感じ、次はアパートをと考えました。でも、私の住む土浦は空室率が40%以上あり、普通にやっても勝ち目は低い。

やるからには何か工夫が必要と思い、外国人向けや単身の中年者向けなどを検討しましたが、まだ弱い気がしました。その後、「 高齢者向きアパート 」というコンセプトが決まり、2016年に一棟、2017年目にもう一棟とアパートを買ってきました。

華子
高齢者向きアパートを選んだのはなぜですか?


鈴木かずやさん
私は勉強のためによく大家さん向けイベントに出かけるのですが、2014年にゼンチンフェアの懇親会で出会った新潟のIさんから、「 鈴木君にしかできないアパート経営をしなさい 」と言われたことが、ずっと心に残っていました。

その少し後に、Iさんの誘いで女性大家さんの声楽コンサートに参加した時、懇親会のビンゴ大会で、一冊の本が当たりました。それが、赤尾宣幸さんの『 小規模介護事業の経営がわかる本 』という本でした。その本が僕の運命を変えました( 笑 )。



華子
何が書いてあったのですか?


鈴木かずやさん
メインは、著者の赤尾さんの経営するデイサービス事業のことでしたが、後半に、「 デイサービス一本での経営は厳しいので、アパート経営をするとよい。地域の介護や福祉と連携して、アパートの入居者に高齢者を迎え入れれば、貸す方にも入居者にもメリットがある 」といった記述がありました。

地元では、サービス付き高齢者住宅はよく見かけますが、「 高齢者向きアパート 」なんて聞いたことありません。実際に、検索してもまったくヒットせず、これなら、他のアパートと競合しない「 自分だけのアパート経営 」ができるのでは、と思いました。

華子
興味を持ってから、何をしたのでしょう?


鈴木かずやさん
Iさんに本を読んで興味を持ったと伝えると、著者の赤尾さんを紹介してくれました。その後、中小企業庁が運営するミラサポという仕組みを利用して、赤尾さんに25時間のコンサルティングを依頼し、介護業界の仕組みから、物件の選び方まで、様々なことを教えていただきました。


師匠の赤尾さん(中央)と鈴木さん(右)

■ 高齢者向きアパートと普通のアパートとの違い

華子
初歩的な質問ですが、「 高齢者向きアパート 」は、単にお年寄りが多く住んでいるアパートと、何が違うのでしょうか?


鈴木かずやさん
介護認定を受けて、介護サービスを受けている方が主な入居者になることです。大家と入居者さんが一対一でつながるのではなく、大家はその地域の介護事業者とつながって、一人暮らしをしたい入居者さんがいたら、その受け入れ先になるという感じです。

華子
なるほど。高齢者を守るネットワークの一部を担うというようなことですね。


鈴木かずやさん
そうです。支援を受けているといっても自立生活が可能な方たちですので、老人ホーム等で集団生活を送るまでのケアは必要ありません。しかし、そういうお年寄りが一人暮らしをしたくても、単身高齢者はNGというアパートが多い。そこに、隠れた需要が存在します。

華子
コンセプトが決まりました。物件はいつから探し始めたのでしょうか?


鈴木かずやさん
物件を探す前に、やることがたくさんありました。まず、入居者を確保するために、地域のケアマネージャーさんを訪問して回りました。ケアマネージャーとは、介護や支援を必要とする人が介護保険制度を利用して自立した生活を送れるようサポートする仕事です。

具体的には、高齢者の方にどんなサービスが必要なのか、ニーズを把握してケアプランを作成し、適切なサービスを受けられるように自治体や各事業者に依頼する役割を担っています。私はこのケアマネさんから、一人暮らしをしたい高齢者さんを紹介してもらえるよう関係づくりに努めました。

赤尾さんに、「 100軒は回りなさい 」と言われたので、その他に、福祉事務所のソーシャルワーカーさんや、市町村の地域包括センターなども訪問しました。正直、最初の頃は理解してもらえず、かなりきつかったです。何度も「 無理かもしれない 」と思いました。

華子
どうして理解してもらえなかったのでしょう?


鈴木かずやさん
知らない人が訪ねてきて、「 一人暮らしをしたい高齢者さんを紹介してほしい 」と言い、そのアパートがまだなかったら、怪しまれますよね…。

先に物件を買わなかったのは、入居者を確保した上で事業計画書を作成し、銀行の融資を引こうとしたからなのですが、「 グレーなことをやって、儲けようとしているんだろう 」と言われることもありました。

華子
それは、きつかったでしょうね。


鈴木かずやさん
それでも諦めずに訪問を続けていたら、80カ所を過ぎた頃から、コツが掴めてきました。118軒目に尋ねた障害者の就労支援事業所の社長さんに、「 そういう住まいがあるのは頼もしい 」と言ってもらえました。ここまで半年かかりましたが、その時は感激しました。

その後、口コミでの紹介もあり、今は5カ所の事業所が強力な理解者となってくれています。実際に見込み客が集まり始めたところで、アパートを探し始めました。

■ 地域の福祉と連携して自主管理でもスムーズに運営

華子
大変な思いをしても事業所の訪問を続けられた原動力はなんですか?


鈴木かずやさん
私は7才の時に脳の大きな病気を患いました。幸い、今は元気に過ごしていますが、両親は当時、担当医から「 治っても後遺症が残る可能性がある 」と言われ、心配したそうです。今、自分が親になって、両親がどれだけ大変な思いをしたかと思うと、涙が出そうになります。

高齢者向きアパートは、高齢者の方に住んでいただくものですが、同時に、「 介護で苦労されている家族の方を助ける 」意味も持ちます。途中で投げ出したくなりましたが、首の皮一枚のところで、「 ご苦労の多い高齢者とその家族を助けるアパートを作りたい 」という気持ちが強まり、「 絶対に形にしよう! 」と決めました。

華子
そんな背景があったのですね。


鈴木かずやさん
はい、その後、日本政策金融公庫から事業用の融資を引いて、土浦市内の中古アパートを買い、現在は高齢者向きアパートとして順調に運営できています。このアパートは全8室ですが、購入時は5室が空室でした。今は5名の高齢者の方が住んでいます。


1棟目のアパ―ト

どの方も地域の福祉とつながっていて、定期的にヘルパーさんが訪問してくれるので孤独死のリスクは少ないといえます。事前に健康状態や家族構成等もわかるので、安心して迎え入れることができます。入居者さんご本人ではなく、息子さんや娘さんと契約を結ぶことも多いです。

華子
そんな背景があったのですね。


鈴木かずやさん
自主管理なので、「 大変でしょう? 」と訊かれますが、高齢者さんのお世話はヘルパーさんがやってくれるため、電球が切れたなど、困ったことがあっても大抵のことは入居者さんと介護事業者さんとの間で解決してしまいます。

そのため、大家の管理負担は当初想定していたよりも少ないです。自主管理をする上で覚悟していた深夜の呼び出しや、クレームのようなものは一度もありません。


華子の編集後記
苦労も多かったはずなのに、鈴木さんの口調からはこの取り組みに対する強いやりがいが感じられました。空室率の高いエリアでも満室になり、入居待ちの方までいるという「 高齢者向きアパート 」は、多くの大家さんのヒントになるのではないでしょうか。明日の後編では、事業としての収支や建物の選び方など、さらに詳しくお話をうかがいます。お楽しみに。


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健美家不動産投資コラム

プロフィール

■ 鈴木かずやさん



サラリーマン大家
茨木県土浦市在住

■鈴木かずやさんのプロフィール

□1982年
都内で誕生

□2005年
大学卒業後、メーカー系企業に入社
東京、埼玉、栃木と関東の様々な街に住んだ後、茨城県土浦市に居住
東京まで近いのに土地が安い土浦のポテンシャルを感じる

□2012年
茨木県取手市で300万円の戸建を購入

自身の住む土浦市内でアパート購入を検討するが、空室率40%と知り、コンセプトのあるアパート経営を志すようになる

□2014年
赤尾宣幸さんの『「小規模介護事業」の経営がわかる本』を読み、高齢者向きアパートに関心を持つ

赤尾さんの指導の下、地域の福祉事業所を訪問し、関係づくりに励む

□2016年
1棟目のアパートを購入、「高齢者向きアパート」として運営する
1K×8室、表面利回り41%



□2017年
2棟目のアパートを購入、「アパート型のグループホーム」が空室を借り上げ
1K×10室、表面利回り37%



□2018年
満室経営を続ける、家賃年収約750万円

■共著書

多世代居住で利回り30%! 高齢者向きアパート経営法(赤尾宣幸・鈴木かずや)



※出版社から送料無料で購入可能です
https://seluba.co.jp/

■影響を受けた本 ベスト3

□1位、小規模介護事業の経営がわかる本(赤尾宣幸)



この本に出会っていなかったら、高齢者向きアパートを経営することはなかったと思います。基本に立ち返りたい時はいつも読み返します。

□2位、ブルーオーシャン戦略 競争のない世界を創造する(W・チャン・キム他)



隣のアパートと一線を画す部屋を作る為、何を減らし、何を足すのか、考え方の基本フレームを活用しました。

□3位、史上最強の投資家バフェットの教訓 逆風の時でもお金を増やす125の知恵(メアリーバフェット他)



幸せの定義、成功の定義に関するバフェットさんの考え方に非常に感銘を受けました。


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