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規模拡大の呪縛から逃れられない投資家たち。「ジャンクの女王」さんが教える隠居生活を楽しむコツ【後編】

不動産投資-大家列伝/LICCAさん_画像


昨日の前編に続き、現代アート作家で日本各地に収益不動産を持つLICCAさん( ブログ名:ジャンクの女王さん )にお話をうかがいます。日本のアート作家の懐事情、規模拡大の呪縛から逃れられない投資家へのメッセージ、セミリタイア生活を楽しむコツ、趣味のクラシックカーについて等、幅広いテーマについて語っていただきました。

■ アーティストのやっていることは「 生き方の保険 」みたいなもの

華子
LICCAさんの本業であるアーティストのお仕事について、教えてください。


LICCAさん
私は現代アートのアーティストなんだけど、アートと人生は一緒だと思ってるんです。不動産活動も、私にとってはアート活動の一種。アーティストって、社会情勢が揺らいだりして、世の中の王道的な生き方がダメになったときの、生き方の保険みたいなものなんですよ。

昔なら、武家が上から禄をもらって生きていくのが当たり前だったけど、当時、狂歌を書いている人は、自分で本を書いてお金をもらったり、別の生き方をしていたじゃない。私も早くにお金を作って、その後は自由に生きているけど、これは王道じゃない生き方を世の中に見せるという意味もあるの。


京都の春の風景

華子
なるほど。美術館で眺められるものだけがアートじゃないんですね。どのような経緯でアーティストになったんですか?


LICCAさん
私は運がよかったのね。北九州に行ってすぐにレーシングカーを買って、レースに出ることに夢中になったんだけど、才能はないな、好きなだけじゃダメだなって思っていたの。それに、本当はやっぱりアーティストに憧れていたのね。

その頃、あちこちの画廊を見に行ってさ、帰りにお酒を飲みながら、「 私の方がうまくできるんじゃない? 」なんて言っていたら、知り合いの広告代理店の人から「 場所を用意するから、やれば? 」って言われて、最初の個展を開くことになったの。

それが床面積90坪の小倉のラフォーレミュージアムだったのよ。そこで最初の個展をやったら評判が良くて、美術館の学芸員に声をかけてもらえるようになって、そのうち、新聞やNHKさんにも取り上げてもらえるようになったの。

いつもそうなんです。学校で習ったわけじゃないし、メンターもいない。でも、だから好きなようにできるんだと思う。それで、1回アーティストになってみたら、自分にあっていると思った。だって、何をやってもいいっていう感じがするでしょう?


最初の個展で発表した作品

華子
確かに、そうですね。どんなアート作品を作っているんですか?


LICCAさん
お金に対する興味があったから、作品もお金をテーマにしたものが多いわね。お金って決してネガティブなものじゃないと思うの。だから、「 お金に対する従来の考え方を、みんながアップデートしていければ 」って思っているんです。

■ アーティスト活動ができるのは、家賃収入のおかげ

華子
失礼ですが、アーティストって儲かるのでしょうか?


LICCAさん
いいえ。まったく! 私のやっている現代ア―トは、特にそう。アーティスト活動ができるのは、家賃収入のおかげね。だから無駄遣いはしないの。今日の服だってH&Mで買ったんだから( 笑 )。

華子
LICCAさんが着ると、ファストファッションに見えませんね。ところで、京都のビルにあるギャラリーは、LICCAさんの作品を飾るためのものですか?


LICCAさん
いいえ、私はもう充分だから、若い人にチャンスを与えたいと思って、使いたい人に、無料で貸しています。私の作品は大きすぎて、置けないし( 笑 )。

ギャラリー代は無料だけど、中のバーで置いてあるお酒を飲んだら、お酒代の半分ちょうだいってお願いしています。

華子
若いアーティストの方からみたら、ありがたい存在でしょうね。


LICCAさん
そういうことも不動産投資をしている人間の役目なのかなって思っているの。こういう話をすると、「 借金がなくなったら自分もやりたい 」なんていう人もいるけど、あなた毎年、物件を買っているんだから、借金なんて死ぬまで終わらないじゃんって思っちゃう( 笑 )。

そうやってお金を使うことを先延ばしにて、最後は子供に遺して、遺産で子供がダメになっちゃった例もたくさん見てきたわ。それより、自分の好きな分野の、例えば劇団とかのパトロンになってもいいわけじゃない。


DIYに励むLICCAさん

華子
耳の痛い方も多いかもしれません。


LICCAさん
実は、隠居に関しては、先人がほとんどいなかったの。だって大家さんたちってずっと現役で、60才過ぎても不動産を買いたがるじゃないですか。目の前にいい物件をぶら下げられると、買っちゃう。銀行がお金を貸してくれると言われたら、止められない。

でも、そんなにお金が必要ですか? 私は逆。必要以上に増やすよりも、早く始めて、サッサと辞めて、自由になりたかった。私は子供はいないけど、いてもお金は遺さなかったと思います。

■ ジャガーEタイプと読書について

華子
クラシックカーについて教えてください。

LICCAさん
私はクラシックカー全般というより、ジャガーのEタイプが好きなんです。あの車は今でも「 世界で一番美しい車 」の一つと言われているのよ。

横浜にあるスイス資本の会社がたまたま持っていて、その会社が車をスイスに戻しクラシックカー部門を閉めるというタイミングで安く譲ってもらえたの。運が良かったのよね。

本当は高額だったんだけど、半値くらいにするからといわれて無理して買ったら、今、海外では高騰してる。ビルが買える価格になったら売ろうと思ったけど、ならなかったわね。

でもこの車を「 映画の撮影用に貸して 」と言われて、その縁で映画の美術を担当させてもらったこともあるの。この車はもう、私のアイデンティティの一部のようなものね。


元愛車のロールスロイス(左)と現在も愛車であるジャガーEタイプ1961前期(右)

華子
制作活動をされていないときは、何をされているんですか?


LICCAさん
本を読みます。普通の本が5,000冊、マンガも5,000冊くらいあるの。純文学も哲学もライトノベルも好き。私は自分で人生を設計するために不動産投資家になったんだから、好きな本を好きなだけ読みたい。

あとは、移動ね。なぜ移動するかというと、季節のいいところに住みたいから。桜の季節と秋は京都、冬は北九州。あと、今年行ってみてよかったから、来年から夏は札幌で過ごそうと思ってる。札幌に物件も欲しいなあ。物件を分散することでリスクヘッジにもなるし。

華子
少し話は変わりますが、ブログで、見事なDIYの様子を公開されていますよね。


LICCAさん
小さいころから、おじいさんの仕事を見ていたから、ドリルの刃を研ぐことも、ガス溶接もできるんです。私、子供のころから秋葉原のジャンク屋に一人で通っていたくらい、機械が好きなの。 物件の手すりとかも自分で直せちゃうから、不動産でも役立っているわね。

もちろん、作品の制作にも生きています。例えば、直径3.6メートルで奥行き1.8メートルの作品をモーターで回す作品があるんですが、自分で作ったのよ。最初は外注するつもりだったのに、「 教えてあげるからやってみたら 」と言われて、やったら面白かったの。


作品を動かすと中のコインが舞う仕掛けになっている

■ 隠居生活を楽しむために必要なのは「 教養 」

華子
そうやって、色々なことを面白がれるから隠居生活を楽しめるんでしょうね。大家さんの中には、セミリタイアした後で、やりたいことが見つからない人が少なくないようです。中にはヒマすぎて、会社に戻ったという人もときどきいます。


LICCAさん
いつもブログで書いているけど、隠居生活を楽しむためには、教養が必要だと思う。だから、ハウツー本よりも、教養になる本を読むことが大事なの。

基本的な教養があれば、一段ものが深く見られるから、何を見ても、「 自分に関係ない 」と思わなくなるでしょう。すべてのものが自分の商売や生きるヒントになると、ヒマなんて言ってられないから。

もちろん、お金は大事ですし、私もお金のことは一所懸命勉強しました。でも、それは目的じゃない。せっかく自由になれたのに、何もすることがないって悲しいと思うなあ。

あとは、新しいことをしてみたらいいですよ。私もブログなんて書けるかなと思ったけど、始めてみたら、あなたみたいに興味を持ってくれる人がいたり、地方に行っても読者の方が待っていてくれたりして、楽しいですよ。

華子
お話の中に「 運がよかった 」という言葉がよく出ますが、運をよくするために気を付けていることはなんですか?


LICCAさん
別にないけど、流れには逆らわないようにしてるわね。自分の中でアッと思ったら、素直にそれに従うの。これをやってからやろう、あれをやってから始めようじゃなくてね。それと、ダメなときは何をやってもダメだから、いいときまで待つようにしている。

そういう意味で、いろんな生き方の引き出しを自分の中に持っているのはいいことよ。私の場合、不動産がダメなときはアートをやればいいんだから。


英国フィッシャー社のFURY(この車でレースに出場していた)

■ 先を見誤らないためには「 遠く、広く、見る目 」を持つこと

華子
後輩の投資家たちに、メッセージをお願いします。


LICCAさん
遠く、広く、見る目を持ちましょう。人生だけじゃなくて、社会とか世界とかもそう。歴史だったり世界情勢だったりが頭に入っていれば、自分が今どこにいて、どちらに向かえばいいのかがわかるでしょう。今の金利しか見ていないと、先を読み誤っちゃいますよ。

華子
これからやりたいことや、読者の方へのお知らせ等はありますか?


LICCAさん
10月28日( 日 )から11月10日( 土 )まで、京都四条河原町の旧立誠小学校前の高瀬川の川の中に、次回作を展示予定です。屋外ですが夜間も照明を点灯するので、秋の京都を観光するついでに立ち寄っていただければ嬉しいです。河原町駅から徒歩3分の場所です。

それと、電気工事士の免許をとったから、女性だけの電気工事士の会社を作って、高齢の女性の一人暮らしの方のお手伝いをできたらいいなって思っています。もう名前は決めてあって、「 プリンセス・デンコー 」っていうの。いいでしょ?

華子
いいですね。電気工事の最中に、ハトが飛び出しそうです( 笑 )。


華子の編集後記
十分な家賃収入を得て会社を辞めた先で、「何をしたらいいのかわからない」という元サラリーマン大家さんは少なくないようです。誇り高くて人に優しいLICCAさんの自由な生き方が、参考になる方は多いのではないでしょうか。京都近くの方はぜひ、作品を見にお出かけください。LICCAさん、ありがとうございました!

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健美家不動産投資コラム

プロフィール

■ LICCA(リカ)さん



現代アート作家
不動産投資家
ブログ:ジャンクの女王

■ 主な経歴

□東京生まれ・東京育ち

家作を持っていた祖父の店子が毎月、家賃を届けに来る様子を見て、「将来は大家になっ て隠居生活を送ろう」と小学生の頃に決意する

□A学院大学入学

□大学を1年で中途退学、起業

会社経営の傍ら、夜は歌舞伎町でバーを経営する

□会社を売却

会社を売ったお金で都内に6戸のアパートを建てる(現金)

□北九州市で隠居生活を開始

クラシックカーとカーレースに夢中になる
初の個展を開催、現代アート作家としてデビュー

□福岡市天神にビルを購入

□東京都渋谷区恵比寿に区分マンションを購入

□東京都港区表参道に区分マンションを購入

□京都の先斗町にビルを購入(リーマンショック後で安くなっていた)

ビル内にギャラリーをオープンし、若い芸術家に無料で貸し出す

□京都の岡崎地区に店舗付き住宅を購入(自分用の駐車場と貸店舗に)

U
会社を売ったお金と最初に建てたアパートからの家賃から生活費を引き、残りのお金を貯金しながら、少しずつ物件を買い増してきた。

現代アート作家として不定期に作品を発表しながら、春(桜を見るため)と秋は京都、夏と冬は小倉のノマドライフを送る。次は札幌にビルの購入を目論んでいる。
U

■ 私(LICCA)のアート作品ベスト3

□第1位
「 次回作 」!

常に新しい作品こそが最高!(って、まるでポルシェみたいだww)
2018年10月28日から11月10日まで、京都四条河原町の旧立誠小学校前(河原町駅から徒歩3 分)の高瀬川の川の中に展示予定。
屋外ですが夜間も照明を点灯(自分の作品だけねw) しますので、秋の京都を観光する時には、ついでにどうぞ。

□第2位
「 ぜんじどう集団自殺まし〜ん 」

2010年に京都で発表した作品。一度に5名が一緒に死ねる装置。
脳波センサーを装着した観客が放射状に並んだ5台のベッドに横たわり、五人の脳波が全員リラックスモードに入ると、背中に42度の塩水が浸み 出してから240Vの交流電気が流れ、全員の心臓を停止させる作品。

□第3位
「 モンテカルロ31 」

本文中に写真がある、2003年に福岡市美術館で発表した作品。
5万枚の一円玉が3.6mの落差で落下する轟音と衝撃は、かなりのものです。美術館の建物 も揺れましたからww
作品名の「モンテカルロ」って数学のモンテカルロ法から来てますが、観客は硬貨を使っ てせいで、カジノのモンテカルロと思っていたみたいです。。。



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