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家賃年収&宿泊事業で年1600万円。旅好きが高じてペンション経営も始めた小林佑輔さん【前編】

大家列伝/小林佑輔さん_画像 大家列伝/小林佑輔さん 著者のプロフィールを見る

2023/4/20 掲載

今回の大家列伝は、IT関係の会社を経営しながら不動産投資や宿泊事業を展開されている小林佑輔さんです。旅行好きの小林さんは不動産と平行して民泊、貸別荘、ペンションなどいろいろな宿泊事業もされています。どのようにやられているのか、お話を伺ってまいりましょう。

華子

自己紹介をお願いします。

小林佑輔さん

初めまして、小林佑輔と申します。東京都在住の43歳で、ITなどの事業会社を経営しながら不動産賃貸業や旅館業をやっております。現在アパート2棟 、戸建5戸、宿泊施設3棟で、家賃売上が600万円、宿泊事業売上が年1,000万円ほどという感じです。

小学6年から中学2年の終わりぐらいまで、父の仕事の都合でエジプトにいました。僕は旅行が好きなのですが、この海外経験のおかげかもしれません。帰国して、大学は理系に進みました。学生の頃からアルバイトでエンジニア系の仕事をやっていて、そのままIT分野に就職し、システム開発とかエンジニアをやっていました。

不動産投資に興味を持ったのは学生の頃からです。『 金持ち父さん貧乏父さん 』も読みましたし、ビジネス書とか不動産投資の本も読んで興味は持っていましたが、どこから手をつければいいか、当時は全く分かりませんでした。

株は証券会社に行けば買えるので、学生のころから取引していましたが、不動産は不動産屋に行っても相手にしてくれなくて。自己資金は学生の時から数百万ほど溜めていたものの、融資をどうやって引くか分からず、業者があまり相手にしてくれないので、興味を持つにとどめていました。

やがて2005年に会社を辞めて、自分の会社を立ち上げ、そこからいろんな事業をやってたくさん失敗しました。

華子

元々起業しようと思っていたんですか?

小林佑輔さん

そうですね。IT業界は今でこそ若者の憧れの職業になっていますが、僕が入った当時は本当にブラックでした。正直、仕事はまあ楽しかったんですが、学生時代の方がアルバイトや企業との共同実験・雑誌執筆などでもっと楽しかったし、稼げていたぐらいだったんですよ。

だからシステム開発やウェブ制作の請け負いとかもやりましたし、自分でネットショップを作って運営したり、セミナー集客をやったり知人の会社運営を手伝ったりとか、いろいろ手広くやりました。

売上がそこそこ立つようになると、不動産に改めて興味を持ち出しました。ちょうど大家の会などの投資家のコミュニティに入ったところからですね。投資家に対して前向きな業者を紹介していただくようになったんです。

■ 不動産屋に冷たくあしらわれながらも1棟目を購入!

小林佑輔さん

そこで久しぶりに不動産の勉強もやり直しました。そうして不動産屋さんの紹介で、2016年に宇都宮で1棟目のアパートを購入したのが最初ですね。築30年の木造6部屋の物件で2000万円でした。融資は業者さんに公庫を紹介していただいたんですが、結構長く引けて、1.35%の17年ローンで借りました。これは今でも持っています。

宇都宮のアパート
1棟目の宇都宮のアパート。今でも保持中。

この物件で1番大きかった出来事は、入居者さんが亡くなったことです。病院へ搬送されて亡くなったので、事故にはならず助かりました。遺族は相続放棄をされていて、部屋の中は残置物がそのままでした。

不動産会社さんとやり取りして、残置物撤去もやっていいかどうかの確認も含めると、結構時間がかかりました。放棄されているのを確認してから、業者さんにお願いをして、きれいにリフォームを入れたりしました。

華子

物件はどのように探されたんですか?

小林佑輔さん

基本的にポータルで探していました。不動産屋に行っても「 融資はどうしますか?」と質問されても答えられなかったり、「 不動産投資経験はありますか?」と聞かれて、ないと答えたらそのまま面談が終わってしまったりとか、そういう感じになりがちだったんですよ。

当時は初めての人に冷たい不動産会社が多かったです。ああ、こいつダメだって見切られちゃう。「 やっぱり実績がないと 」って言われるんですが、最初はみんなありませんよね。でも不動産屋からすると、その辺をわかっている人の方が相手にしやすい。当時若かったのもありますしね。そのあたりは、今になってわかるようになりました。

■ 香港のAirbnbを体験して民泊参入、そして貸別荘を購入して運営!

小林佑輔さん

都心は高くて手が出ない。アパートも高いということで、実は1棟目購入の少し前から民泊にも取り組んでいたんです。

僕はAirbnbを知るのが結構早くて、2014年ごろの東京でもまだ数十軒ぐらいしかやっていない時に知りました。僕の仕事は携帯とパソコンがあればできるので、当時は海外のいろんなところへ行って、宿やカフェなどで仕事していたりしていたんですけど、その時にAirbnbを初めて使ってみました。

今では当たり前ですが、香港で泊まってみたら無人だったことに驚きました。鍵の場所やガイドラインがPDFで送られてきて、これは面白いなと思ったんです。そこで1棟目のアパートを買う少し前に、日本でやってみたんですよ。

華子

利益は出ましたか?

小林佑輔さん

はい。でもそこそこ利益が出てきたと思ったら、日本でもやり始める人が増えてきて。その後に民泊って言葉ができて、社会問題になったりしました。民泊新法ができる前くらいの頃ですね。

都心でやる人が増えすぎて、キャリーケースを持った外国人が出入りするだけで周りから騒がれるようになってきた頃だったんで、都会でやるのは難しくなってきたと思い始めました。

そこで、地方で民泊をやれば面白いかもと思ったんですよ。探してみたら北軽井沢で安く購入できる築29年の物件があったんです。バブルの時にリゾートとして開発されたものの、当時のオーナー世代が皆さんご高齢になって、別荘として使われなくなってきたような物件がたくさん出ているんです。

見に行ったら、躯体は問題無く、リビングは天井が高くて開放感があって、リゾート感もあっていいなと思ったので、200万円で購入しました。リフォームをかけて、家具を買って入れ替えて、旅館業許可を取って、全部で150万円ぐらいでリニューアルをしました。

北軽井沢の貸別荘-1 北軽井沢の貸別荘-2
落ち着いた環境にある北軽井沢の貸別荘

運営業者さんを探すのにちょっと苦労したんですが、今はまあまあ落ち着いた体制になりました。ほぼ夏しか運営してないんですけど、150万~200万円ぐらい売り上げが立っています。半分くらいは手残りとして残るんで、悪くない投資になりました。

■ 2軒目のボロアパート、懸命に修繕したら火災で全焼!

華子

民泊から貸別荘に移っていったんですね。この貸別荘を運営しつつ賃貸物件も探していたんですか?

小林佑輔さん

はい。引き続きアパートを探した結果、2018年にコミュニティ経由で静岡県沼津市のアパートを見つけました。

華子

物件のあるエリアがバラバラなんですね。

小林佑輔さん

そうなんです。申し上げたように僕は旅が好きなので、いろんなところに行きたいと思っちゃうタチなんで、あちこち見に行ってしまいます。皆さんにはあまりおすすめしないです(笑)。やってみて思うんですが、やっぱりエリアを集約して資産価値を高めて、金融機関さんとお付き合いしていったほうがいいと思います。

この2棟目もボロかったので、結構安く買えました。築25年の1K6部屋の木造アパートです。最初1,900万円で出ていたようなんですけど、僕が見た時点で1,300万円になっていました。そこで融資を申し込んでみたら、700万円ぐらいまでしか出なかったんですよ。

手持ちはそんなに多くないので、1,000万円なら買えるけど無理ですよね、と不動産屋に返事しました。そうしたらしばらくして、その金額が通ったと連絡がありまして。融資が下りていたら1,300万円で買っていたところなので、ラッキーでした。

入居者が当時2人くらいで空室もボロかったですが、入居者も間もなくして出ていかれたので中を見たら、収納の床が抜けていたりもしました。後から雨漏りやシロアリも発覚しました。そこから200~300万円ぐらいかけて修繕して満室にしました。そうしたら、去年の1月に大変なことになったんです。

華子

ボロ修繕に加えて、問題が起こったんですか?

小林佑輔さん

火事になってしまったんです。壁の中から煙が出てきたと管理会社の方に入居者さんから連絡があって、しばらくしたら燃え始めたそうです。火元の上下2部屋はもう全焼で、完全に真っ黒。他の4部屋は燃えてはいないものの、煤が来るし、燃え移らないように消防士が入ったり水を撒いたりもするので、住めない状態になりました。保険鑑定人にも見てもらいましたが全焼扱いです。

沼津市のアパート-1 沼津市のアパート-2
沼津市のアパート。リフォームしたと思ったら火事になってこの通り(下)

華子

それは大変でしたね。

小林佑輔さん

はい。その後、更地にして建て直すか、土地として売るのか、燃えた状態のまま投げ売るのか、リフォームするのかを色々検討しました。幸い、屋根が傷んでおらず、柱が真っ黒くなりながらも、構造はほぼ残っていたので、リフォームすることにしました。今はもう修繕はほぼ完了していて、元の状態よりもずっと綺麗になっています。

火事で真っ黒になった部屋 リフォームで綺麗に
火事で真っ黒になった部屋もリフォームで綺麗に(下)

■ バブル期に建てられた八ヶ岳のペンションを再生!

華子

そこからも買い進められていますよね。

小林佑輔さん

そうですね。大体年1棟ぐらいのペースで買っています。2019年には長野の八ヶ岳にあるペンションを買いました。これ、今も貸すまでにすごく手間がかかっているんですけどね。

北軽井沢の貸別荘はうまく回りだして、たまに行って掃除して帰ったりするんですが、お客さんがいたら自分で使えないし、汚さないよう気を使ってしまい楽しめません。だから、自分が行って泊まりながらお客さんも楽しめるものがあると、もっといいなと思ってペンションを買いました。

宿泊8部屋+オーナーズルーム3部屋という、ちょっと大きめの物件です。これもバブル期に建って高度成長期のペンションブームが去って、ちょっと下火になって買った形です。さすがに規模が大きいので、2,000万弱はしているんですけど、これは法人としてここを会社の支店登記をするという形で、地元の信用金庫さんが相手にしてくださいました。

八ヶ岳のペンション-1 八ヶ岳のペンション-2
八ヶ岳のペンション。リニューアル中!

ただ、事業融資ということで期間が7年と短かったんです。月々の返済額も結構大きめでしたが、もう残債は半分ぐらいになりました。補助金もいろいろ使えることを知りました。それをうまく使いながら設備・備品を入れ替えたり、DIYをしたりして、ちょこちょこリニューアルさせながらやっています。

今は小規模事業者持続化補助金を使って薪ストーブを入れ替えて、事業再構築補助金を使って風呂、トイレ、ウッドデッキをリニューアルしつつ、バレルサウナをつけようと思って、業者さんと打ち合わせをしているところです。いろいろ工夫してアウトドアを楽しめる宿にリニューアルしようと、今頑張っています。

華子

すごく楽しそうな宿ですね!

小林佑輔さん

この場所の空気感はすごく気持ちが良くて、宿をやる楽しさがある一方、経済的には結構苦しい物件ではあります。月の支払いも20万円以上ありますし、それに加えて老朽化に対応して色々取り替えたりしなくてはいけないので。

補助金も一度手持ちから出した後、その一部が返ってくるものなので、まず自己資金を出さなきゃいけないんです。だからキャッシュフローは結構苦しいんですけど、高く売ってほしいというオファーを受けることもあるし、残債は減っているし、今度リニューアルをしたら、さらにいい物件になるんだろうなって思えるので、持ち続けています。

華子

ペンションですから、スタッフの方もいらっしゃるんですよね?

小林佑輔さん

そうですね。オーナーズルーム3部屋のうちの1部屋が住み込みのスタッフ用です。ほかの1部屋は僕が行った時に使って、もう1部屋は事務室兼物置っていう感じで使っています。

華子

この場所を選ばれた理由は何ですか?

小林佑輔さん

八ヶ岳は、山梨県から長野県に渡った県境寄りのところにあります。この場所の空気感がいいと感じたんですよ。現地に行かないとちょっと伝わりにくいんですけど、すごく解放感があって、空が気持ちよくて空気が澄んでいて、空気と水が美味しくて、周りに住んでいる人も温厚なんです。

元々はこの狭いエリアに90戸ほどペンションが並んでいて、日本最大級のペンション区でした。バブルの時はわんさか人がいて、週末はほぼ満室で、たくさん人が歩いていたそうです。

ところが2000年ぐらいをピークにペンションブームも下火になりました。周りのオーナーさんもこの頃30~40代ぐらいで買っているんで、今70歳でも若い方なんじゃないかと思います。だから平均年齢70代中盤ぐらいかな。周りがそういうオーナーさんばっかりです。

だから、場所としてのポテンシャルは結構感じているんです。築古の再生に興味があったので、事業として取り組みながら楽しんでいます。今も手をかけ続けて、月1回ぐらい行っていますね。

華子

ご家族で行ったりしないのですか?

小林佑輔さん

子供が小さいので今のところはないですね。でも行けたらリニューアルを完了させて、ちょっと楽しめるようにしていきたいなと思います。あわよくば他のペンションも買って、そちらは子供に特化したテーマとか、ペットに特化したテーマとかもあるといいなという、ぼんやりとした構想はありますが、それはまだいつになるかわからないです。

編集後記

旅行好きというご自分の趣味がビジネスと結びついて、宿泊事業を楽しみながら稼いでいらっしゃる小林さん。後編はその後買った戸建にまつわるエピソードを中心にお話を伺ってまいります。お楽しみに。( 担当:T )

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※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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プロフィール

小林佑輔さん

小林佑輔さんこばやしゆうすけ

兼業大家
東京都在住
家族は妻と子供1人

プロフィールの詳細を見る

不動産投資歴
  • □2016年4月
    宇都宮市にアパートを購入(2,000万円)

    □2016年10月
    北軽井沢に貸別荘を購入(200万円)

    □2018年1月
    沼津市にアパートを購入(1,000万円)

    □2019年5月
    八ヶ岳にペンションを購入(2,000万円)

    □2020年6月
    深谷市に戸建を購入(400万円)

    □2020年7月
    茂原市に戸建を購入(400万円)

    □2020年7月
    大網白里市に戸建を購入(400万円)

    □2020年11月
    熊谷市に戸建を購入(400万円)

    □2021年7月
    茨城県に戸建を購入(180万円)

    アパート2棟、戸建5棟、ペンション1棟、貸別荘1棟
    家賃売上600万円、宿泊事業売上年1,000万円

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