• 収益物件掲載募集
  • 不動産投資セミナー掲載募集
  • 収益物件 売却査定

7,969アクセス

【後編】レンタル収納庫100室を実質利回り20%で運営する「藤井力」さん

不動産投資-大家列伝/藤井力さん_画像


昨日の前編に続き、屋外コンテナと屋内トランクルームを約100室所有する藤井力さんにお話をうかがいます。融資は受けられる? 埋まらないアパートをレンタル倉庫にコンバージョンするのはアリ? 節税になるって本当? など、気になる疑問にお答えいただきました。


■ 7年間でかかった修繕費は5万円以内

華子
コンテナ投資は手間がかからないといいますが、その点はどうですか?


藤井力さん
人が住まないので入退去に関しては楽ですが、手間いらずというのは正確ではありません。普段からよさそうな土地を見に行ったり、工事の確認に出かけたり、管理会社とやりとりをしたり、やることは意外と多いです。

最近は新規の出店が増えて競争が激しくなっているので、差別化が必要になってきています。私もそのために、満室現場であっても何度も現地に出向き、利用者に中を見せてもらったり、使ってみた感想を聞いたりすることもあります。


元駐車場を借り上げてコンテナ型収納庫を設置したタイプ

華子
運営中にはどんな費用が必要ですか?


藤井力さん
管理料が賃料の15%〜20%程度。その他に、電気代が屋外型の場合は月に1,000円〜2,000円程度、屋内型の場合はもう少しかかります。また、屋内型では物件内覧の人件費として、規模にもよりますが、毎月5,000円以上は必要です。その他、募集のための広告費もかかってきます。

ただ、前にも言いましたが、アパートと違い、修繕費やリフォーム代がかからないので、賃料収入に対する手残りは多いと思います。この間計算してみたら、7年間でかかった修繕費は全部で5万円以内でした。

■ 日本政策金融公庫で融資を受けるも、すべては担当者次第

華子
融資は利用できるのですか?


藤井力さん
はい。私は日本政策金融公庫で融資を受けました。普通の金融機関にも相談したのですが、コンテナには担保価値がありませんし、レンタル収納庫ビジネスの知名度も低いので、うまくいきませんでした。住所が岩手で倉庫は関東というのもマイナスだったと思います。

一方、日本政策金融公庫は、レンタル収納庫ビジネスを事業として認め、融資をしてくれました。現金で買った物件で実績を積んでいたのが有効だったと思います。ただし、公庫で融資を引けるかどうかは担当者次第。私は地元で個人として融資を受けましたが、他の人の話を聞くと、まったくダメというケースもあるようです。

華子
もし、経営がうまくいかなかった場合は、どうなるのでしょう。


藤井力さん
埋まらない倉庫を持ち続けると、広告費や案内の人件費ばかりかかって、利回りが低下していきます。その状態が長引くようなら、撤退することになります。撤退自体は非常に簡単です。距離にもよりますが、運搬費は20(f)フィートのコンテナでひとつ3万〜5万円程度。作業も管理会社にお願いできます。

■ 「 出店すれば埋まる 」時代は終わった

華子
そこは通常の不動産とは違いますね。これから始めたいという人に対しては、どのようなアドバイスをしますか?


藤井力さん
出店すれば埋まる、という時代は終わっています。正直な話、大家さんで屋内型トランクルームを始めてみたけれど苦戦中という方も多くいます。よく、空室物件でトランクルームをやりたいという相談を受けるんです。

そんなとき、私は「 お金をかけてトランクルームにするより、家賃を下げて普通に埋めた方がいいですよ 」と答える場合が圧倒的に多いです。住居に向いた場所と倉庫に向いた場所は全然違いますから。

華子
自分で土地を探すという場合はどうでしょうか。


藤井力さん
レンタル倉庫に適した場所は、ニーズがあることに加え、道路付けや、看板の見えやすさなど、様々な条件が求められます。そのため、土地を見つけるのは簡単ではありません。見つかったとしても、満室稼動は難しい時代に入っています。

もし始める場合は、管理会社の選定が非常に重要です。中には、出店前にそれなりの費用を請求するところや契約を結ぶまでは熱心で、出店した途端に集客や管理は放ったらかしというところもあるようです。

私も複数の会社とおつきあいがありますが、それぞれに特徴があるので、実際に稼動している物件を見せてもらい、出店条件や管理対応を確認した上で、相性のいいところを選ぶのが大切だと思います。


屋内型は屋外型に比べて電気代や案内役の人の人件費がかかる場合が多い

■ 節税とキャピタルゲインを目指すという視点も

華子
高利回りと効くと魅力的ですが、やはり、そんなに甘くはないということですね。


藤井力さん
はい。とはいえ、マクロ的には成長分野だといわれています。現在、日本のレンタル収納スペース・コンテナ収納の数は35・5万室で、152世帯に1室の割合ですが、レンタル倉庫先進国のアメリカでは、4世帯に1室使われているそうです。

また、コンテナは償却が短いので、節税メリットが期待できます。具体的には20(f)フィートのコンテナが7年、20(f)フィート以下のコンテナが3年で償却可能です。

家賃収入で得た資金を倉庫事業に投資した場合、一定の期間は節税を利かせつつ、将来的にはキャピタルゲインを狙うこともできます。この点を面白いと受け止める人は多いかもしれません。

華子
確かに、そうですね。ところで、藤井さんも自分で土地を探すことは多いのでしょうか? それとも、管理会社から提案されたエリアから選ぶのですか?


藤井力さん
両方です。私がお願いしている管理会社は、目指す事業規模を伝えておくと、そこに到達するまで、オーナーチェンジ物件を紹介してくれたり、プランつきの土地案件を持ってきてくれたりするので、それを見て気に入れば、買うこともあります。

ただ、自分自身でも土地や空き物件は常に探しています。候補が見つかったら、コンテナの管理会社、トランクルームの管理会社、建築士さんといったプロにアドバイスを求めて、配置や出店にかかる費用を詰めていきます。

自分でもシミュレーションし結果的に、目安として満室想定利回り18%以上を確保できる場合には契約に進みます。

華子
売却をすることもあるのでしょうか?


藤井力さん
はい。例えば、神奈川で空きの多かった駐車場を借り上げて屋外コンテナを設定し、実質利回り18%以上で回っていたところがありましたが、2年ほど持った後、管理会社から購入希望者がいるといわれ、利回り12%で売却しました。そこで得たキャピタルゲインは次の現場に再投資しました。

他の現場も、首都圏なら実質利回りを12〜15%位にすれば売れるかも知れません。売り手ばかりおいしいわけでなく、倉庫は埋まるまでに時間がかかるので、お客さんのいる状態で買えるのは、買い手にとってもメリットだと思います。

■ 成功できたは良い管理会社のおかげ

華子
7年間続けてきて、ここまで順調といえると思います。成功の秘訣を教えてください。


藤井力さん
正直、大成功という認識はありません。そうはいっても、物件によっては20%以上の利回りで運営できていますから、この手法を選んでよかったとは思います。順調にやってこられたのは、良い管理会社に出会えたおかげです。

ただ、矛盾するようですが、管理会社を信頼することと、相手の言うことを鵜呑みにするのは別です。頼りきるのでなく、プロの力を上手に借りながら、自分の頭で物事を考え、勉強を続けるという姿勢が大事ではないでしょうか。

華子
これからの目標を教えてください。


藤井力さん
コンテナ自体は手入れをすれば30年以上もつといわれていますが、補修不可となった時点で価値がゼロになります。今後はリスクヘッジとして、別の投資も組み合わせていくことを考えています。

具体的には、しばらくは差別化を図った収納庫事業をやりながら、一棟アパートや一棟マンションの経営も視野に入れていきたいです。

昔は色々あって性格的にもサラリーマンにもなれなかった自分が、レンタル倉庫事業で一定の成果を上げられているのは嬉しいですし、出会えてよかったと思っています。

でも、ずっと同じスタイルに固執するつもりはありません。時代の流れに柔軟に対応しながら、これからも家族のためにがんばっていきたいですね。


華子の編集後記
注目度が高まるレンタル倉庫ビジネス。普段は表に出にくいリスクや失敗談は、特に参考になりました。行動力があり、情に厚く、勉強熱心な藤井さん。レンタル収納庫ビジネスを成功させたように、次のチャレンジもきっとうまくいくと思います。藤井さん、ありがとうございました。


健美家サイト会員登録で最新コラムやニュースをチェック!

健美家不動産投資コラム

プロフィール

■ 藤井力( ふじいちから )さん

fujii

レンタル収納庫事業家
岩手県在住

■プロフィール

□1979年
岩手県に生まれる

□1995年
高校を中退し、ガテン系を中心に、職を転々とする

□2001年
父親が代表を勤める零細企業に就職

□2007年
不動産投資に興味を持つ

□2009年
区分マンションを購入し、大家デビュー

□2010年
レンタル収納ビジネスをスタート
神奈川・東京を中心に徐々に規模を拡大する

□2017年
屋内型、屋内型をあわせて約100室の倉庫を所有。
投資総額約3,000万円、実質利回り平均20%以上

■主な所有物件

□神奈川県 屋外コンテナ倉庫(共同出店)
630万円、利回り21%

□神奈川県 屋外コンテナ倉庫(共同出店)
1200万円、利回り25%

□東京都内 バイクボックス
460万円、利回り21%

□神奈川県 屋内型コンテナ倉庫(共同出店)
980万円 利回り21%

□神奈川県 屋外倉庫
568万円 利回り18%

□神奈川県 屋外コンテナ倉庫
388万円 利回り23%

□東京都内 バイクボックス
330万円 利回り22%

■ レンタル収納庫を運営していて衝撃を受けたベスト3

□第1位、コンテナ壁面に意味不明なアート(落書き)をされる

後々高名な芸術家にでもなりそうなら、記念にそのままにしておこうかと思いましたが、素人からみても1ミリも何も感じる要素がなく、高名にもなりそうな雰囲気が欠片もないので消すことに。
余計な費用が痛かったし、下手だった分、イラッとしました。

□第2位、見学用にカギを開けておいたコンテナ倉庫の中で勝手に犬を飼われる

子供がこっそり親にも言えず拾ってきた犬を大切に飼育していました。
確かに雨風はしのげますが、動物、人間問わず住居には明らかに向かないと思います。
勝手に飼うのはいけませんが、その優しさは大人になっても忘れずに持ち続けて欲しいです。
ちなみに犬はその後、無事に正式な家族となったようです。

□第3位、窃盗に入られそうになる

コンテナ倉庫を窃盗目的でこじ開け様として挑むも、結局開けられず断念した方がいました。
防犯カメラにバール片手に頑張っている姿が映っていましたし、疲れたのか諦めるところまでバッチリ録画されていました。
物にもよりますがカギの掛かったコンテナ倉庫をこじ開けるのは、非常に困難だと思います。
後々、あえなく御用となりました。

ページの
トップへ