こんにちは、防人レボリューションです! 今回は前回コラムの続きで、前面道路が2項道路の私道に面している物件の、融資付けについて紹介します。正直、難易度は高かったです。今思い出してもちょっとドキドキします(笑)
参照:7,000万円の築40年RCを融資特約なしで契約した話。悔しさを次の投資の糧にする。
■ 超好立地の土地値物件、しかし、道路付けにネックが!
2項道路に面した土地は、建て替える際に敷地を後退させて土地を道路として提供することが義務付けられています。 つまり、道路が4mの広さになるように、自分の敷地を狭くしないといけない訳です…( この制限のことをセットバックと言います )。
●2項道路とは?
建築基準法では、「 建物の敷地は幅4m以上の道路に接さないといけない 」というルールが定められています。しかし、建築基準法の適用前に建てた家の場合は、敷地が接している道路が幅4m未満というケースも日本各地にかなり多いです。
そこで特例として、建築基準法の第42条第2項では、「 それを道路とみなす 」という救済措置が設けられています。そういう幅4m未満の道路のことを、条文名を取って「 2項道路 」と言ったり「 みなし道路 」と言ったりします。
しかも、このセットバックには、
- セットバック部分は自由に使えない
- なのにセットバック部分の購入費用は支払わないといけない
というデメリットもあります。
今回の物件は2項道路の私道で、道路の持分がありませんでした。要するに物件に面している道路はすべて他人名義でした。
●私道とは?
人や法人が所有している私有地の一部に設置された道路状の土地のことを「 私道 」といいます。ちなみに国や都道府県、市区町村が管理する道路を「 公道 」といいます。
私道の持分の有無と、建築確認の可否は関係ありませんから、私道の持分がなくても、合法な道路であれば、再建築不可ではありません。つまり、建物の建築確認自体は取れますので、建物の建設が可能です。
そして今回の物件の2項道路の私道に面している近隣の物件は、もちろんセットバックはしていますが、建て替えられていました。不動産売買仲介業者にも「 再建築は可能です 」と言われているし、銀行の融資担当者にも「 100%ではないが、恐らく融資出来ます 」と言われたため、私はこの物件の融資は問題ないと判断してしまいました。
しかし、銀行の本店審査部から、「 私道の持ち主が相続などで変わった時に、再建築させないといわれたりする可能性がゼロではないので、無理して買う必要はないのでは?」と言われ、一気に状況は悪い方へ向かってしまいました。
最悪の場合、融資が1円も降りず、現金で買うことになります。でも、まったくゼロという可能性は低いと思いました。どんなに悪くても半分は出るでしょう。そもそも、融資特約なしで契約しているので、腹を括って行動するしかありませんwww
■ 銀行の担当者の熱意のおかげで融資が通った!
売買仲介業者と福岡市役所の建築指導課に行って、前面道路の種別を再確認し、「 隣は再建築しているし、再建築は可能という証明書は出せないか?」などと尋ねましたが、銀行が欲しい、「 再建築可能という証明書 」は出してくれませんでした。
諦めかけた時、銀行の担当者がもう一度、福岡市役所の建築指導課に行って、向かいの物件が2年前に再建築しているという情報を入手してくれました。それだけでなく、町内会にも話も聞きにいってくれました。
その情報にプラスして、私の今までの実績を説明しながら、「 今は16室中10室が空室だけれど、防人さんの経営能力なら必ず早期満室に出来る!」などと、多少大げさにアピールしてくださった結果、なんとか融資が可決されました!
物件価格は7,000万円で、自己資金1,500万円。20年、5,500万円の融資でした。
今回の取引は初心者の方は真似出来ませんので、再現性はほとんどありません。しかし、いつかこう言った取引が出来るようになった時の参考になると思います。それと、日頃から金融機関担当者や業者との良好な人間関係を構築しておくのはとても重要です。間違いなく1~2回取引しただけの関係では、今回の融資は降りなかったと思います。
この物件は利回りが低くキャッシュフローも少ないどころか、空室が多いために最初のうちはマイナスです。築古だし、空室も16室中10室もありますし、室内も18㎡、バストイレ同じと間取りも悪いです。このようなトイレの向きなので、リフォーム戦略もどうしようかなと悩みます。
それでもリスクを冒して購入に踏み切ったのは、将来性が豊かな立地に惹かれたからです。なんとか満室にして、10年近く保有したら、売却よし、建て替えよしです。一番の理想は数年後に隣の物件を購入し、10年後くらいに、新築高層RCに再建築することです。
イチローさんが残した名言の中で「 小さなことを積み重ねることが、とんでもないところへ行く、ただ一つの道 」というものがあります。
不動産投資でも全く同じことが言えます。安易に楽して儲けようとしたり、早く金持ちになろうと焦ったりせず、小さなことをコツコツと繰り返して積み重ねることが、まだ見たことのない素晴らしいところへ行く、ただ一つの道です。
今後も失敗を恐れずに、挑戦を続けて、人生を楽しみ尽くしながら、行けるところまで行こうと思います。皆さんも、私のコラムを読んで、諦めずに行動を続ける大切さなどを感じていただければ嬉しいです。
今回も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。