この満室になると次を欲しがるクセは、10年以上経った今でも変わっていませんw。そして、新聞の3行広告で見つけたアパートに買い付けを入れました。( 当時はスマートフォンが普及しておらず、気軽にネットで情報を入手できませんでした )
■ 売主さんが家賃23,000円でも入居付けに苦労していた3棟目アパート
当時の自分にとっての「 買い 」の基準は2棟目のアパートでした。3棟目はこの物件より立地がよく、土地値も高く、築年数も新しく、利回りも良かったので、2棟目よりだいぶマシだから何とかなるだろうという自信がありました。
今でもそうですが、いい情報を見つけたらすぐに電話して、最短で現地に行きます。ネットで問い合わせを入れることはありません。そして、現地で買い付け証明書を出すか出さないかを決断します。
物件のスペックはというと、昭和62年築( 当時で築22年 )の木造2階建てで、間取りは1K×12で居室は畳でした。いわゆるレッドオーシャン地域にある物件です。マンモス大学があったため、学生狙いの単身物件が溢れていたのです。

3棟目のアパート
単身向けアパートの家賃相場は崩れ、福岡市内でも最安値地域でした。売主さんはその競争に敗れたのでしょう。1,800万円の売値に対して1,400万円の指値を入れ、やや押し戻されて1,500万円で購入しました。
少し話が変わりますが、私は指値をするときは出来るだけ理由を伝えるようにしています。この物件の場合、2階の共用廊下の鉄製の手すりが錆びてグラグラして危険。空室が多い。畳からフローリングに変える工事をしても家賃は2万円くらいの地域であること等を伝えました。
空室は12室中5室。古くからの入居者の家賃が33,000円なのに対し、空室は23,000円で募集中。それでも売主は入居付けに苦戦している状態でした。私は内見時、畳をフローリングにすれば、家賃20,000円で決まりそうだと判断しました。
購入後、内装工事は節約のためにDIYを行いました。昭和62年築ですのでユニットバスでしたし、壁紙も砂壁ではないので、2棟目に比べればかなり楽でした。
加藤ひろゆきさんの書籍を参考に、ブロック塀を壊して、軽自動車1台分の駐車場も作りました。ブロック塀は自分で大きな金槌で思いっきり叩くと破壊出来ました。
3回連続でドンドンドンと叩くと、ブロックがバラバラと破壊出来て、ちょっと楽しかったですw。破片はできるだけ細かくして駐車場に撒いたので、ゴミも出ませんでした。
その結果、月に5,000円の家賃( 駐車場代 )が増えました! 年間6万円! 10年で60万円! 加藤ひろゆきさんありがとう! と感謝の気持ちでしばらく北の方に足を向けて寝ることが出来ませんでした!w

軽自動車を置けるスペースができた
■ レッドオーシャン地域での満室戦略
購入後は最短で満室にするために、1階の中部屋を18,000円、1階の角部屋を19,000円、2階の中部屋を20,000円、2階の角部屋を21,000円という家賃( 共益費3,000円込み )に設定しました。
家賃設定はいつも、ざっくりと決めています。決まりが悪かったら1,000〜2,000円下げたり、冷蔵庫、洗濯機、照明等をつけたり、仲介手数料をアップしたり、フリーレントをつけたりと、打てる手を打ちながら柔軟に対応していました。
空室が多い物件を買ったら地域最安値で早期満室にして、次の募集から家賃をあげて募集するというのが私の作戦です。ところがこのエリアは競争が激しすぎて、保有した8年間、家賃をあげることが出来ませんでした。
私はこれまで600室以上買っており、平均すると1カ月以内に空室に申し込みが入ります。長くても3カ月です。ところがこの物件は1部屋空くと早くても3カ月、長いと半年も空いたままでした。人一倍、満室に向けての手を打ったのにも関わらずです。
本当に厳しいエリアでした。ただ、それでも利回り19%。結局は満室になりましたし、空室が続いても最大2室でした。買うかどうかは別の話ですが、私はレッドオーシャン地域でも大家が諦めずに行動したら、高入居率を維持出来ると思っています。
注意点は、業者の想定家賃は甘くなりがちなので、購入するなら必ずその地域の家賃相場を自分で調べて、厳しめに利回り計算をすることです。家賃相場は今ならネットで簡単に判明します。
■ 3年後に剥がれてきたペンキと外壁塗装の重要性
購入2年後に、外壁と屋根の塗装を実施しました。外壁と屋根の塗装は、出来れば10年ごと、遅くても20年ごとにした方がいいと思います。外壁のメンテナンスを怠ると、建物は一気にボロボロになってしまいます。
特に外壁や屋根からの漏水は強敵です。逆に10年ごとに防水塗装を実施すると、木造もRC造も、耐用年数を過ぎてもキレイな状態を保てます。
塗装業者は「 他の物件とあわせてお願いするので安くしてほしい 」と言いながら、探しまくりました。すると外壁と屋根の防水塗装で1棟あたり税込50万円という激安業者を見つけ、お願いしました。
当時は、とりあえず安く塗装して高入居率を維持し、キャッシュを貯めて、8〜10年後に再度塗装しようと計画していました。ところが、3年後にはもう塗装が一部、剥がれてきましたw
今となっては「 この値段ではちゃんとした塗装はできない 」とわかりますが、当時は無知でした。皆さんも初期の頃はお金がなくて節約したいと思いますが、安いものには安い理由がありますので気を付けましょう!
■ 大変なこともあるけど不動産は素晴らしい投資
不動産投資は爆発力こそありませんが、「 月々の家賃収入=インカムゲイン狙い 」でいくなら、かけた時間が味方になってくれます。続けていくとお金と時間の自由が増え、前向きで行動力のある友人にも恵まれます。
私は不動産投資の基本は、やはりインカムゲイン( 毎月の家賃収入 )だと思っています。私自身、キャピタルゲイン( 売却益 )の恩恵も受けましたが、キャピタルゲインは臨時ボーナスという考えです。その方が経営全体のリスクが少なくなると思います。
毎月、家賃をいただき、そこから銀行へ返済し、残ったお金を再投資や大規模修繕などに使う。そして、10〜20年後( 自分は短く融資を受けることが多いです )に銀行へ返済が終われば、無借金の土地と建物が残る。
途中、山も谷もありますが、努力はそのままリターンになります。間違いなく、不動産は素晴らしい投資の一つだと確信しています。
楽に儲かる投資ではありません。人それぞれ向き不向きもあります。悔しい思いをすることもありますが、悪い奴は儲からないような世の中になっているので、後のことは天に任せて次に進みましょう。
この先も色々あると思いますが、私もコツコツと挑戦を続けていきます。そして、コラムを通して次の世代へ不動産投資の良さを伝えていけたらと思っています。今年も応援よろしくお願い致します♪