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不動産担保ローン(住宅ローンを含む)が返済不能になったらどうなる?夜逃げは得策にあらず!

斉藤国正さん_画像 斉藤国正さん 第19話

2019/10/9 掲載

サラリーマン大家の斉藤です。前回は「 金融機関が行う不良債権処理について 」でした。今回も私、斉藤のサラリーマンとしての仕事、債権回収に関する話をしたいと思います。

さて、「 不動産投資 」と「 借入 」は切っても切れない関係にあります。金融機関から資金を借りることに対して、恐怖を感じる人は多いですし、家族も借金には原則反対するのが日本の伝統です。

なぜ恐怖を感じるのかと言えば、「 借金が返せなくなったら大変だ 」という意識があるからでしょう。では、具体的にどんな大変な目に遭うのでしょうか?

実際の延滞・回収の現場について、金融債務を返済できなくなってしまった債務者を専門に担当してきた私が知る限りの回収の現場を一部紹介します。

■ まず「 担保を売却 」して返済に充当させられる


不動産を購入するために金融機関から借入をした場合。返済不能になって数カ月( 大体6カ月 )で「 期限の利益喪失( きげんのりえきそうしつ )」という状態に追い込まれます。

「 期限の利益 」とは「 借入を分割で返済する権利 」のことであり、毎月決められた金額を払っていればそれ以上何も請求されない権利のことです。

「 昨日貸した100万円だけど、来年返してくれればいいって言ったけど、やっぱり旅行に行きたいから明日返してね 」とは言わせない権利です。

この権利を失うのですから、借金の残額を「 すぐに( 今日 )」「 一括で 」全額返済しなければいけない状態にさせられることが、「 期限の利益喪失 」です。

そして期限の利益を失った翌日から、残元金に対して年14%程度の遅延損害金が課せられます。返済をせず、リスケ( 返済条件の変更=リスケジュールのこと )の交渉もまとまらなければ、この「 期限の利益喪失 」状態になります。

金融機関によって、期限の利益喪失に至るまでの期間は様々ですが、私が住宅ローンを回収していた時は延滞6カ月経過で「 期限の利益喪失通知 」を内容証明郵便で送付していました。

期限の利益を喪失したら、次は「 担保処分 」です。金融機関の管理部やサービサーがやってきて、「 担保不動産の任意売却 」をするように迫られます。

金融機関やサービサーが懇意にしている不動産会社を債務者に紹介し、媒介契約を締結させられます。そして、金融機関が決めた金額で不動産を売るための活動をスタートします。



■ 競売されるメリット


任意売却にはメリットもデメリットもあります。ネット情報では任意売却のメリットを説明する情報ばかりが目につきます。

・競売より高く売れて債務が無くなる可能性がある
・引っ越し費用を認めてもらえる可能性がある
・引き続き賃貸で住める可能性もある等・・・

不動産会社としては任意売却になった方が「 仲介手数料 」が取れますし、自社で買って転売で儲けるケースだってあるわけです。任意売却を勧める背景にはそんな理由があります。

一方、金融機関の回収担当者や債務者にとっては、競売の方がメリットの大きいケースもあります。債務者のメリットというのは、「 競売されている間は住んでいられる 」ということです。

仮に引っ越し代が出たとしても、引っ越し先の家賃がかかります。売りに出して3カ月で引っ越すことになれば、4カ月目から家賃が発生します。

一方で、競売は落札されるまでに、どんなに早くても10カ月程度は時間がかかりますから、物件が落札されて、新しい所有者に追い出されるまでは10カ月、家賃がかからずに住み続けることができるのです。

■ 担保の不動産( 自宅・投資用物件 )を売っても借金は終わらない


5,000万円の住宅ローンを組んで、4,000万円まで返済を進めたところで延滞。その後担保不動産( 自宅など )を売って3,000万円返済しても、残った1,000万円は返済する義務が残ります。

債権回収の現場では「 家を売ったのだからもう借金は終わりだろ! 」と、言う債務者に何百人も会ってきました。残念ですが、そうではありません。無担保になった1,000万円は任意売却であろうと競売であろうと「 残る 」のです。

ただし、多くの債務者は担保を処理させられた後、破産申立をして、残った借金を整理することになります。破産して免責許可決定が出たことを官報で確認すれば、「 案件終了 」と、なります。

債務者から見れば、どうせ破産して残った借金を処理するのであれば、任意売却でも競売でも構いません。500万円残ろうと3,000万円残ろうと、破産して支払い義務を免れるのですから、むしろ競売されている間に破産申し立てに必要な弁護士費用を貯金しておいた方がいいという考え方もできます。

任意売却の方が高く売れるというのも昔の話です。インターネットが普及した現代の競売は、情報が広く拡散されて、公明正大に多数の入札者が参加するので、むしろ高く売れるというケースが多くなってきました。
(参考:http://bit.sikkou.jp/app/top/pt001/h01/

いざ競売をしてみたら、債務の残高よりも高い金額で落札されて、債務者にお金が戻ったというケースも私は見たことがあります。

競売であれば、仲介手数料は必要ありません。仲介手数料相当額は債務の返済に充てられるわけですから、その分返済が少なくて済むこともあります。

競売がいいか? 任売がいいか? はケースバイケースとしか言いようがありませんし、競売はまさに札( ふだ )を開けてみないと分からないものですから、個別に状況をよく見て任売に応じるか? 競売に持っていかせるか? 判断するしかありません。

ただし、競売にされた方がいいか? 任意売却した方がいいか? を冷静に判断して行動に移せるような人は、そもそも返済不能に陥るような買い方も借り方もしないような気がします。

■ 担保処分後の借金( 無担保ローン )


担保を処分した後の借金も破産しない限り、返済する必要がある。と、言いましたが、その「 担保処分後の債務 」こそ、金融機関にとっては面倒の種です。

約半数の金融機関は、担保処分後の債務をサービサーに一括して売却します( バルクセール )。毎年9月、3月などの半期、期末に一括処理をすることが多いです。

あまり言ってはいけないことですが、担保処分後の債務を頑張って返済してしまうと、サービサーに売ってもらって債権放棄をしてもらえなくなる可能性もあります。

仮に売却されても、サービサーが「 返済意欲の高い債務者 」ということで、高値で債権を買い取る危険があります。そうなると、結果的に他の債務者と比較して多く返済しなければいけないことになります。

( あくまで業界の一般論ですので、真似をしないでください。返済しないことを推奨しているものではありません )

■ 夜逃げする債務者


破産もせず、「 夜逃げ 」する債務者もいます。8割が破産。残りの半数が破産せずに、なんとか返済する( サービサーで債権放棄も含む )。そして残りが「 音信不通のままうやむやになる 」です。



債権者からは原則としては逃げ切れません。なぜならば債権者は「 合法的に 」住民票を取得、転居先を知り、通知書を送付、さらに連絡がなければ現地を訪問して、生活レベルをチェックし、毎日通勤しているかどうか? を調べます。

通知書が届かなくなった時点で、@住民票調査→A転居先への書類送付( レベル1〜5 だんだん厳しい請求の言葉に変わる )→B現地調査→C必要があれば調査機関( 探偵 )を使って生活状況を調査する。

という社内マニュアルが存在し、回収担当者は粛々とそのプロセスを遂行します。自宅の名義、勤務先、家族構成、実家の名義まで調べます。

このプロセスから逃げるには住民票を捨てて、行方不明になるしかありませんが、住民票を移さないということは、「 行政サービス 」「 社会保障 」「 子供への教育 」に支障を来すということです。

国民としての権利を放棄してまで債権者から逃げるメリットはありませんから、おとなしく法的整理( 民事再生手続、または破産手続 )を選び、合法的に支払い義務から逃れるのが得策です。

それでも最終的に住民票を放置したまま行方不明になる債務者というのも、数%存在します。そこから先も「 公示送達 」という方法で裁判をして、時効を止め、追及し続けることも債権者は可能です。

しかし、住民票を放棄してまで逃げるような相手に、費用をかけて裁判をして勝訴しても、回収は費用倒れになるというわけで、それ以上回収を続行する債権者はいないと言えましょう。

ですから、住民票を捨てて、5年間時効が完成するまで逃げれば、破産せずに「 踏み倒す 」ことも可能と言えば可能です。ただし、5年もあれば破産したって、そこから再起することもできますので、まったく割に合わない行為だと思います。

今回はローンが返せなくなったらどうなる? というテーマでお話しさせて頂きました。職業柄、債務整理に関する相談をよくされますが、私は法律家ではありませんので、有料で相談をすることは違法行為です。相談は専門の法律家にすることをおススメします。

そもそも返済不能になるような借入をしないことが第一です。しっかりとした計画を立てて、無理のない不動産運用・返済をしたいものです。

プロフィール

■ 斉藤国正(さいとうくにまさ)さん



千葉県在住
年齢:40才
職業:ファンド運用会社勤務、不動産投資家
家族:妻と息子3人(小学校5年、6歳、4歳)
家賃収入 約1,200万円 
給与収入 8桁で成績によって変動

ブログ:サラリーマンと不動産投資
Twitter :SAT(勤め人不動産投資家)


大家列伝:前編・後編

■ プロフィール

□1979年
岩手県住田町生まれ

□2002年
早稲田大学法学部を卒業し、司法浪人

□2005年3月
司法試験受験をあきらめて、サービサー(債権回収会社)へ入社(給与350万円)
債権回収の現場を体験する中で不動産投資を知る

□2006年11月
知人と会社を設立し、ダブルワークを開始(副業給与120万円)

□2007年11月 
結婚後の新居を購入。人生初の不動産購入

□2008年1月
結婚

□2009年2月
長男誕生

□2010年9月
勤務先が倒産し、同業の銀行子会社のサービサーへ転職(給与700万円)

□2013年1月
ヘッドハントされて現在のファンド運用会社へ転職(給与8桁)

□2014年8月
次男誕生、同時期に国税による税務調査を受け、修正申告、約450万円を納付

□2015年3月
三男誕生、妻が実家の不動産会社を継ぐためにサラリーマン退職

□2016年6月
給与+家賃収入で税率が最高税率に達し重税に耐え切れず法人を設立し、個人所有1件を残してすべての不動産を法人へ売却

■ 不動産投資に関する経歴

□2007年11月
高田馬場徒歩7分(旧自宅)区分購入
金額2,700万円
※メガバンクから住宅ローンとして2,900万円借入
面積:40.8u(壁芯)
賃料:136,000円
利回り(管理・積立金控除後):5%

□2008年9月
白山徒歩7分(都営三田線)区分購入
金額730万円
※メガバンクから妻名義で510万円借入
面積:14.2u(壁芯)
賃料:81,000円
利回り(管理・積立金控除後):13%

□2011年2月 
落合南長崎徒歩2分(都営大江戸線)区分購入
金額560万円
※現金で購入
面積:12.14u(壁芯)
賃料:55,000円
利回り(管理・積立金控除後):10%

□2012年9月
荻窪徒歩6分(JR線)区分購入
金額560万円
※現金で購入(友人から借入)
面積:14.46u(壁芯)
賃料:58,000円
利回り(管理・積立金控除後):10.5%
※2017年に900万円で売却

□2013年2月
千歳烏山徒歩6分(京王線)区分購入
金額450万円
※現金で購入(知人から借入)
面積:12.46u(壁芯)
賃料:50,000円
利回り(管理・積立金控除後):11%

□2014年1月
市川・本八幡徒歩12分(総武線)テラスハウス区分購入
金額530万円
※現金で購入
面積:27.90u(土地)、37.18u(建物)
賃料:60,000円
利回り:13%

□2015年1月
船橋法典徒歩8分(武蔵野線)テラスハウス区分購入
金額480万円
※現金で購入
面積:30.17u(土地)、42.16u(建物)
賃料:50,000円
利回り:12%

□2015年8月
地下鉄赤塚徒歩12分(有楽町線)戸建購入
金額700万円(再建築不可)
※現金で購入
賃料:95,000円
利回り:15%

□2016年1月
馬込沢徒歩15分(東武アーバンパークライン)戸建購入
金額380万円
※現金で購入
面積:66.11u(土地)、48.08u(建物)
賃料:45,000円
利回り:13%

□2017年8月
新小岩徒歩27分(総武線)アパート(3DK×3戸)
金額1,820万円(再建築不可)
※ノンバンクで1,880万円借入
面積:111.30u(土地)、130.18u(建物)
賃料:192,000円
利回り:12%

□2017年10月
馬橋 徒歩12分(常磐線)テラスハウス区分購入
金額560万円
※日本政策金融公庫で580万円借入
面積:710u(土地持分8%)、53.76u(建物)
賃料:57,000円
利回り:12%
⇒購入後火事になり、更地にして売却

□2018年3月
新小岩徒歩20分(総武線)戸建購入
金額775万円(再建築不可)
※700万円をノンバンクで借入
面積:35.63u、35.54u(建物)
賃料:80,000円
利回り:12%

□2018年3月
新小岩徒歩20分(総武線)戸建購入
金額730万円(再建築不可)
※640万円をノンバンクで借入
面積:40.23u、49.68u(建物)
賃料:75,000円
利回り:12%

□2018年8月
一之江駅徒歩22分(都営新宿線)戸建購入
金額750万円(再建築不可)
※750万円をノンバンクで借入
面積:29.76u、40.10u(建物)
賃料:75,000円
利回り:12%

□2019年3月
2018年8月に購入した戸建住宅(775万円)の隣の土地を購入
金額900万円(再建築不可が再建築「可」に) 1,000万円を公的金融機関で借入
面積:40.49u

□2019年8月現在 12棟14戸、更地1所有、家賃年収は約1,200万円
手残りは5割程

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