日本の株式市場が30年ぶりに日経平均3万円を超えました。コロナ融資でじゃぶじゃぶと溢れる資金なのか、箪笥預金が株式投資へ向かったのか、本当に企業業績が上振れしたのか…。
金からの代替えを求めるニーズなのか、仮想通貨も同様です。こうなると、儲けそこないたくないとの心理が一般大衆にまで広がります。そして、最後に高いところで素人が飛びついた時点で「 飛んで火に入る夏の虫 」となるわけです。
株式投資で利益を着実に積み重ねられる人は、克己心と自制心に加え、人の逆を行ける勇気と自分を信じる忍耐力を持ち合わせた選ばれた人たちだけであろうと想像します。
■ 3年続けて2億円稼いでいたトレーダーの話
以前、オイラのセミナーに参加された方で、外資系証券会社でトレーダーとして働き、インセンティブの年収が2億円というオイラが出会ったリーマンでは最高額の給与を3年続けて稼いでいたという猛者が居ました。
その方は毎年1億の税金を払うのと24時間中20時間をトレードに費やす生活がストレスになり、その会社は退職して手持ちの自己資金1億円を原資に、個人でトレードをするようになったそうです。
ところが、会社でのトレードでは実績充分だったのに、いざ自分のお金でトレードを始めたところ、「 自分のお金を減らしたくない 」という感情が入って上手く行かなかったと教えてくれました。
他人のお金の時にはスパッとできた損切が、自分のお金だと出来なくなったというのはなるほどと思います。そして、残ったお金で不動産投資を始めた頃に、オイラのセミナーに来てくれたのでした。
お金儲けをしたくてFXや株式投資や仮想通貨のトレードを始めたところ、「 欲 」に支配されて自分自身がその欲に振り回されたという経験は誰にでも多少はあると思います。オイラもしこたま経験しています。
FXではトルコリラをレバレッジ3倍なら安全だと思い買い建てしていて、朝起きたら全て飛んでいました。株の信用取引で追証が発生し、追加&追加で耐えていたのが3日目に耐えきれずにロスカットされて大損したこともあります。
このような過酷な世界で勝ち続けている人達はすごいと思うのですが、成功している彼らの話をよくよく聞くと、「 市場の歪みを見つけてその歪みを取ることが基本 」だと言います。
その上、トレードでのリスク管理に優れていることが分かりました。これはオイラが不動産投資の世界で意識していることとほぼ同じです。どんな投資でも「 歪み 」をとることがベースなのは変わりありません。
■ 「 お金のスピード 」という考え方
さて、株や仮想通貨が上がっているなかで、オイラも今一度冷静になる為に株と不動産のどちらが優れているのかを改めて考えてみる事にしました。
1億円というお金をどう作るかを考えてみます。最近は「 億り人 」と言われるように、一つの成功者の基準とされる金額ですが、これをゼロから作り出すとしたら、どちらが早いでしょうか?
「 コツコツと貯めたお金を株式投資で増やす 」
「 銀行からの借り入れを使う 」
これはいわゆる、「 お金のスピード 」という考え方です。ドルフ・デ・ルース博士とロバート・キヨサキ氏のオーディオテープに次のようなくだりがあります。
「 もし、あなたが株を買うのに銀行に行って1億円貸して下さいと言ったら銀行員はどう反応するでしょうか? 」
「 にっこり笑って首を横にふるか苦い顔をして何も言わないかでしょう。それは恐らく貴行の株を買うので貸してくれと言っても同じ返事になるでしょう 」。
「一方で、1億の収益性が高い不動産を購入するのに1億円貸して欲しいと言ったならばどうでしょうか? 」
「 1割の自己資金を入れるならば貸し出し検討は出来ると言うでしょうか? いえ、もしかしたら1億円をそっくり貸し出しできると言うかもしれません 」。
不動産投資は投資と名前がついていますが本質は事業です。それが株式投資との違いです。だから、金融機関から融資を受けて、始めることができるのです。
限られた自己資金でスタートして1億円を作ることを目指すなら、他人( 金融機関 )のお金を使える不動産投資の方が有利なのは間違いないと思います。
さらに深堀すれば、株式投資と不動産投資の違いとして、自分で価値があげられるか、そうでないかということがあります。
株券を購入後、その購入した会社の資産価値を上げる為に業務効率や財務内容を自分で改善する事は難しいですが、不動産なら購入後にペンキを塗って物件価値を上げる事ができます。
内装のリフォームやリノベで家賃を上げることが出来ます。隣の土地を購入して不整形地から整形地にできたらさらに価値を上げることもできます。それが事業の面白さでもあります。
スタート時に人のお金を使うことができて、購入してからも価値を上げられると考えると、不動産投資が他の方法に比べて、いかにお金を増やすのに適した手法かがわかると思います。( もちろん正しい方向で努力することはセットです )
■ 投資に刺激を求めると投機になる
自分で考えたロジックを証明する必要があるのであれば、株式投資は素敵な世界ですが、そうでなければ人の力を借りられる不動産投資は随分と楽な仕事です。
投資に刺激を求めると投機となり、リスクが高まります。一発で儲けようとすれば破綻が近寄ってきます。いつの時代にも、このお金の罠にはまる人々は後を絶ちません。
オイラも最近のビットコインや株式上昇を見て少し心がざわめく為、今一度間違った投資をしないためにも不動産投資と株式投資の違いを見つめてみました。
一応付け加えますが、株式投資で儲けられる人はもちろん株式投資をされるのが一番良いと思います。