• 収益物件掲載募集
  • 不動産投資セミナー掲載募集
  • 収益物件 売却査定

10,751アクセス

買わなくていい物件まで買ってしまう人たちー一番怖いのは自分の欲望であるー

極東船長さん_画像 第20話

■ 運命の3棟目アパートの裏側を知る

前回のコラムの続きです。

オイラにとって運命の3棟目の建設をした建設会社のK社長とは、建築現場を訪問する度に食事をするなど、かなりの時間を一緒に過ごしました。そして、次第にポロリポロリと裏話を聞ける関係になりました。

K社長によれば、オイラが買った土地はK社長が見つけたもので、仕事を立ち上げたばかりのK社長にはお客様がいなかった為に、以前小さな仕事を紹介してくれた天才営業マンの某氏に営業のお願いをしたということでした。

そして、某氏の旧来の知り合いだったB社長経由でオイラのところに話が来たのです。

その際にB社長は、「 自分の会社はクロスや床材の工事で入れれば紹介料は要らない 」と言い、K社長も「 建築が出来れば土地の紹介料は要らない 」と伝えたそうです。

つまり、某氏が紹介・企画などの美味しい所は全部持って行ったのでした。

このK社長から「 不動産業界や建築業界の表と裏 」を教えてもらったことは、オイラにとって大きな学びとなりました。その影響もあり、運命の3棟目を企画してくれた某氏とは、一棟だけのお付き合いとなりました。

それでも、K社長は「 これだけの収益性の高い企画をできる人はそうそういない 」と某氏の実力を認め、「 彼の企画はさすがに凄い 」と言って感心していました。それくらい、某氏は稀有な存在でした。

■人の心の奥底の欲望を引き出す天才

3棟目の竣工後、某氏に紹介された案件で、検討したけれど断った企画がありました。それは、急な傾斜地の上にある土地の企画や、橋の下にある土地の企画でした。

冷静に考えればダメな物件も、某氏のセールトークにかかると、確かに素晴らしい物件のように聞こえるのでした。心が揺れました。しかし、最後は「 将来性がない 」と判断して断り、その物件は中小企業のN社長が購入しました。

そして、その数年後、良い競売案件がないかとたまたま見ていたBITの競売情報で、その物件を見つけました。

それだけではありません。某氏に最初に会った時に、「 私が企画を手掛けた物件です 」といくつか現地を案内してもらったときに話に聞いた、RC7階建て1棟と木造2棟の合計3棟を所有していた若いオーナーの物件も、同じころに競売情報に出てきました。

B社長が最初に言ったように「 某氏は劇薬 」は本当の事でした。

彼は企画、そして営業の天才です。オイラの買った物件は回っていましたが、他の顧客たちはまさに辛酸をなめることになりました。辛うじてオイラは劇薬の毒の部分をまぬがれ、薬として効果を得たということになります。

某氏は最初に物件を案内してくれたとき、この若いオーナーについてこんなことを言っていました。

「 私が企画したこの3棟を建てたオーナーは30代ですでに何もしてなくても物件から毎月50万以上の手残りがあります 」
「 極東さんにも同じように企画をしてあげますよ 」
「 私に任せくれれば同じような物件を建ててあげます 」

そんなセールストークの後で車に戻り、暫く車を走らせた後に彼が独り言のように呟きました。

「 最近このオーナーをススキノで頻繁に見かけると方々から聞くんだよなぁ 」
( 注釈・ススキノは北日本最大の歓楽街です )
「 若いのだからしっかり貯めないとダメだって言ってやったんだけどなぁ 」

某氏は、人の心の奥底の欲望を引き出す事にも天才的な能力を持っていました。この能力のせいで、本来は建てるべきでない器の人にまでアパートを建てさせてしまったその結果が、競売で見た物件の数々だったのだと思います。

しかし、この某氏もまた、その何年か後には不動産の世界からの退場を余儀なくされました。某氏は人を引き付ける魅力と天才的な才能がある反面、その金銭感覚は普通ではありませんでした。それが災いしたのかもしれません。

■ 一番怖いのは自分の心の欲望

以前のコラムでマインドセットの話を書きましたが、「 自分の心のキャップを取る 」という事は欲との戦いでもあります。

「 欲が物件選択を誤らせ 」
「 欲が買わなくてよい物件を買い 」
「 欲が人を遠ざけ 」
「 欲が破壊と破滅を引き寄せる 」

オイラも、3棟目で利回り13%の新築を建築してちょっとばかり成功体験をしたことで、「 借金の魔力 」いわゆるレバレッジの威力を知るわけですが、その間違った成功体験が己の感情を支配しだしまた。

「 もっともっと家賃を増やしたい 」
「 もっともっと借金をしたい 」
「 もっともっと物件を購入したい 」
「 もっともっと良い物件があるはずだ 」

と欲深くなったのです。「 人生は欲と自分の二人旅 」と言ったのはQ先生ですが、自欲との付き合いが一番難しいのかもしれません

某氏とのことがあってからは、思いがけず美味しそうな新規案件が紹介されて舞い込んだ時には何時も、「 それは自分の取れるリスク範囲内なのか 」「 自欲にかられて目が曇ってないか 」を自問してから取り組むようになりました。

最近もすごく欲しい良い物件がありましたが、自分のリスク許容度から外れていた為に、人に譲ったことが何度かあります。常に最悪を考える事が出来るようになったのは某氏とのハードな心の折衝の経験が生きているとだと思います。

■ 買わなくてもよい物件まで買ってしまうリスク

ここまで書いて、最近のある事象とすごく似ていることに気が付きました。

「 フルローン、オーバーローン可能物件 」
「 売主物件に付き仲介手数料無料 」


こんな広告が出ている事です。そこには心の欲望を刺激する言葉が並んでいます。そこから購入した人でも売却益を得ている人も知っていますので全部が全部悪いとは思いません。

しかし、その中にはもしかすると、「 買わなくてもよい物件まで買っている人 」も多いのではないでしょうかか?

健美家サイト会員登録で最新コラムやニュースをチェック!

健美家不動産投資コラム

プロフィール

■ 極東船長さん(きょくとうせんちょう)

極東船長さん

船長のブログ
極東船長の子供たちに伝えたいこと徒然

北海道の東の町在住
10棟300室の大家

■ 経歴

□1958年、北海道生まれ

高校卒業後、家業である漁業を継ぎ乗船、24歳から船長になる

□1993年(35才)
船の転覆を機に陸の仕事に就く。
収入が激減し、投資の勉強を開始。

□1995年(37才)
1棟目、札幌市内の中古APを購入(1DK×8戸、築5年)⇒売却

□1998年(40才)
2棟目、札幌市内の中古APを購入(1K×14戸、築10年)⇒売却

□2004年(46才)
3棟目、新築APを札幌市内に建てる(1DK×15戸、土地から取得して新築)⇒売却

□2005年(47才)
4棟目、苫小牧市内の中古APを購入(1DK×10戸、築7年)⇒売却

□2005年(47才)
5棟目、苫小牧市内の中古APを購入(1K2戸×2DK×4戸、築10年)⇒売却

□2006年(48才)
6棟目、札幌市内に新築APを建てる(1LDK×8室、新築)

□2007年(49才)
7棟目、道東某市内に中古APを購入(1DK×12室、築3年)

□2007年(49才)
8棟目、道東某市内に中古APを購入(1DK×20室、築4年)

他にも都内区分、中国区分、苫小牧の中古AP等、様々な物件の売買を続けながら、徐々に規模を拡大。

□2009〜2017年(51〜59才)
札幌市中央区にRCマンション11棟を新築(うち3棟売却済)

□2018年(60才)
所有物件は個人と法人合わせて20棟450室

家賃年収は4億強、諸経費控除後の税引き前CFは1億強、税引き後CFで8千万円

※物件は常に売買しているため、タイミングによって変わります。

ページの
トップへ