■ 合計5,300万円のフランチャイズビジネス投資
昨年の初め、ある飲食店のフランチャイズ事業が北海道に進出してきました。興味を持ったオイラは北海道内におけるエリア本部事業に参入することを決め、「 フランチャイズ加盟店を増やす為に必要 」ということで、本部から実店舗も購入して運営することにしました。
ところが、実際にビジネスが動き始めると、何かがおかしいのです。すぐに調査すると、本部から提示された引継ぎ条件や事業計画に記載されていた実態実績が、まったくの出鱈目であったことが分かりました。
撤退を申し出ましたが、自分の交渉では拉致があかず、最終的には弁護士費用を500万余り支払って、和解に持ち込み、権利と店舗の買戻しをさせました。それでも、合計2,000万ほどの損が出てしまいました。
一般的に店舗の買戻しをさせることは簡単ではありません。そもそも契約書はフランチャイズ本部に優位にできているため、通常ならば泣き寝入りすることが多いそうです。
オイラの場合は、偶然、携帯電話に残っていた営業マンからの1通のメールが決定的な証拠となり、それを基に先方はしぶしぶと和解に応じたのでした。
そのメールには、オイラが買い取る前の実店舗の売り上げ実績が書いてあったのですが、その数字の一部が水増しされていました。それが、架空の数字を元に売り上げ予測と収益予測を立てて営業をかけてきたという証明につながったのです。
しかし、そのメールが出てくるまで、和解交渉は簡単ではありませんでした。オイラは単身フランチャズ本部に乗り込み、社長や営業マンと交渉しましたが、なかなか進展をしませんでした。
そこでフランチャズ訴訟関係に明るい弁護士法人を探して、交渉の代理をお願いしたのです。フランチャイザー本部とは守秘義務を結んでの和解なので、ここで企業名を出すことできませんが、現在も継続してフランチャイジーを募集しています。
■ なぜ経験も知識もない業種に参入したのか?
また、オイラが契約した時に社長だった創業者の某氏は、現在、持ち株会社のCEOに転じており、現在は別の人間が社長になっています。オイラ以外のフランチャイジーからの訴訟リスクを回避しているのかもしれません。
投資総額5,300万円の内訳は、北海道でフランチャイザー本部としてフランチャイジー募集窓口になる権利金として800万。全国に先駆けてフランチャイザー教育用として開店した実店舗が4,500万です。
なぜ、このような経験も知識もない飲食業種に参入したのか? それは誰のせいでもなく、オイラの傲慢と怠慢の結果としか言いようがありません。オイラの傲慢がやらなくても良い事業を引き寄せ、怠慢が損の出る事業を引き寄せたのです。
振り返るに、法人を設立してから7年間、不動産賃貸業の本業利益は毎年順調に伸びていました。直近2期は売却益も連続で1億程度あったため、預金通帳にはお金がある状態でした。
一昨年くらいは国内不動産の高騰に疑問を持ち始めた頃で、海外不動産にかなりの資金を投資しました( 海外不動産も出口を取るまで分からない為、やらなくても良い仕事だった可能性もありますが… )。不動産の次に何に投資すべきか迷っていた時期でもありました。
また、不動産とお金だけを残すことが子供にとって良い事なのかとの葛藤もありました。生まれ育った北海道の地で、フランチャイズのエリア本部となり、雇用の場の提供と北海道全体のビジネスの場を提供したいという傲慢な気持ちもありました。
そのような中で、多角化の一歩として、フランチャイザー( ビジネスの提供側 )になることを決め、安易に北海道エリア本部の権利を買い、更にはフランチャイジー( ビジネスの提供先 )の店舗運営の教育用としての実店舗を追加で購入することを決めたのです。
■ 1ヵ月運営して気づいた数字のウソ
ご存じの方も多いと思いますが、以下は「 飲食店舗運営の肝 」となる部分です。参考までに記載します。
◇三大経費
「 食材費 」= Food( フード ) = F
「 人件費 」= Labor( レイバー ) = L
「 家 賃 」= Rent( レント ) = R
この三つの頭文字をとって、FLR比率と呼ばれています。このFLR比率は飲食店経営で利益を出せるかどうかの指標とされています。
◇FLR比率
一般的にFLR比率は70%以内、FL比率は60%以内に収めることが理想で、この割合を超えると利益は出にくいといわれています。
◇計算式
FLR比率=食材費(F)+人件費(L)+家賃(R)
売上高
※FL比率を計算する際は上記家賃(R)を除いて計算
「 食材費 」= Food( フード ) = F
「 人件費 」= Labor( レイバー ) = L
「 家 賃 」= Rent( レント ) = R
この三つの頭文字をとって、FLR比率と呼ばれています。このFLR比率は飲食店経営で利益を出せるかどうかの指標とされています。
◇FLR比率
一般的にFLR比率は70%以内、FL比率は60%以内に収めることが理想で、この割合を超えると利益は出にくいといわれています。
◇計算式
FLR比率=食材費(F)+人件費(L)+家賃(R)
売上高
※FL比率を計算する際は上記家賃(R)を除いて計算
オイラが購入した実店舗は、上場企業が運営するフードコートの一角にあり、オイラを信用させるには十分の舞台が揃っていました。加えて本部提示のFLR比率と売上実績( 虚偽の売り上げ実績でしたが )から、採算ベースに乗るとの計算が立ちました。
しかし、昨年1月に店舗を購入して、1カ月間運営してみると、その計算式の元になった数字はまったく出鱈目であるとはっきりとわかりました。
その1カ月間は似合わないながらも( 笑 )、オイラも店舗に立ち、レジ打ちもしました。提供する商品の仕込みや調理も一から勉強することから始めました( 笑 )。この先は少し長くなるので次回のコラムに続きます。