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失敗したフランチャイズ投資の実態。「選択と集中」の基準はどう決める?

極東船長さん_画像 第51話

■ 成功体験を元に行動すると傲慢と怠慢が生じる

「 選択と集中 」。よくビジネスの現場で使われる言葉ですが、何を選択するにも基準は必要になりますね。また、集中と一言でいっても、どの程度そこにエネルギーや資金を注ぐかの「 基準 」は、企業、事業者、個人によって様々でしょう。

この「 基準 」の元となるものは、成功の積み上げからくるも場合もあれば、失敗の分析から作られて行く場合もあると思います。オイラの場合、これまでは成功体験の積み上げを基準として判断していました。

しかし、前回のコラムで紹介したように、フランチャイズ事業での失敗を経験して以来、過去の成功体験を判断の基準にしないよう心がけています。なぜなら、過去の成功体験が、オイラの中に傲慢と怠慢を生じさせることを自覚できたからです。

成功体験の積み重ねは、自身の精神力と自信をつける事を含め、仕事に対する器を大きくするためには必要なことでした。その積み上げた自信がなければ大きな借金を背負って不動産賃貸業の継続などできなかったと思います。

不動産賃貸業に係わらず、事業を拡大して押し進めていく際には、何かしらのモチベーションやエネルギーが必要となりますし、そこには多少傲慢ともいえるような無謀なチャレンジや、強引過ぎる決断も伴うものです。

しかし、それと同時に謙虚な気持ちを持ち合わせないと、オイラのフランチャイズビジネスのような失敗を招きかねません。

今更ですが、この失敗から「 オイラは不動産事業に集中すべきだ 」と再確認できましたし( 笑 )、そのことで、不動産の選択も、以前なら検討をしなかったような案件まで検討するように、幅を広げる方向へ変化しました。

■ 失敗したフランチャイズビジネスの仕組みと実態

今回のフランチャイズのエリア本部ビジネスについて、少し紹介します。仮にですが、上手く回った際のリターンとして、加入店が1店舗増えるにつきオイラの元に月額5万のロイヤルティが入る権利を有していました。

その権利の有効期間は5年間で、その間に20店舗ほどを加入させることが出来れば、月額100万のキャッシュフローが出てきます。

5年後に権利更新料が400万円必要ですが、20店舗が維持できる状態になったならば、十分にペイできることになる権利でした。このエリア本部の権利が800万なので、これだけならばリスクは800万限定で済んだはずです。

しかし、何もせずに加盟店を増やすことは難しいでしょうし、実際にどんな業態でどのようにオペレーションをするのかを体験して見せる為の営業ツールとして、実店舗を持たなければ加入の促進が難しいとの考えもありました。

そこで、売上実績とそれを元にした事業計画から採算ベースには乗ると判断をし、4,500万円で実店舗を購入したのでした。エリア本部の権利購入が一昨年の暮れの12月末で、実店舗の購入が昨年の1月末でした。



2月からオイラも店舗運営の研修として実店舗に立ち、本部へ社員派遣料を支払らって派遣してもらった社員から、調理の仕方、レジの打ち方と締め方、在庫管理と仕入れ、アルバイトさんの管理方法などの総体のオペレーションを学びました。

最初はわからない事だらけで無我夢中で1カ月が過ぎましたが、多少全体が見えるようになった2カ月目に入った頃に、売上実績が事業計画と全く違う現実に気づき、愕然としました。

さらに、月締めの請求書から1カ月の収支が見えてきたのですが、アルバイトの人件費、仕入れ原価、毎月の店舗家賃、光熱費など、どれをとっても事業計画とは大きな乖離がありました。

■ 店舗を運営するほど赤字が膨らむ?

本部から派遣された社員に対して、本部提示の売り上げ実績からの事業計画と、実際に店舗運営をしての売り上げとが全く違う事を問いただしましたが、「 それはあくまで売上目標であり、実際の売上を保証するものではないと契約時に説明している 」と言うばかり。

1カ月運営しての売上実績は事業計画の60%程度ですが、店舗の家賃に関しては本部がフードコート運営会社の賃貸借契約の中で最低売り上げを設定してあり、その金額が月額450万。売上がそれを下回っても設定額の15%をフードコート側に支払わねばなりません。

それが大手フードコート側に出店する際の縛りとなっていました。しかし、1カ月を運営しての売上実績が、計画の60%程度なのですから、当然、人件費も含め、全ての経費率が跳ね上がることになります。

本部が当初事業計画で設定していたFLR比率( 詳しくは前回コラム参照 )がまったく機能しません。

◇三大経費
「 食材費 」= Food( フード )  = F
「 人件費 」= Labor( レイバー ) = L
「 家 賃 」= Rent( レント )  = R

この三つの頭文字をとって、FLR比率と呼ばれています。このFLR比率は飲食店経営で利益を出せるかどうかの指標とされています。

◇FLR比率
一般的にFLR比率は70%以内、FL比率は60%以内に収めることが理想で、この割合を超えると利益は出にくいといわれています。

◇計算式
FLR比率=食材費(F)+人件費(L)+家賃(R)
            売上高

※FL比率を計算する際は上記家賃(R)を除いて計算

売上目標に対して配置しているLの人件費率は、計画の180%にも跳ね上がりましたし、フードコートからの縛りのあるRの家賃は150%になりました。

Fのフード原価は、本部から本部設定価格で食材を仕入れるのですが、本部が設定の原価率の150%にもなりました。これでは実店舗を運営するだけ赤字が膨れ上がります。

フード原価だけは本部設定に通りにならなければなりませんので、このことを本部に問いただしましたが、「 現場で食材を無駄に浪費しているからであって、本部のせいではない 」との回答でした。

しかし、実際には本部の社員に対して派遣契約と料金を支払い、1カ月オペレーションをしてもらった結果なのですから、本部からの返答は全く的はずれなものでした。

本部は当てにならないと感じたオイラは。それまでの売り上げ実績を元に@最悪、A現状維持、B希望的観測の3パターンの計画を作り直しました。

すると、今後5年間運営を続けた場合、@の最悪では7,000万、Aの現状維持で5,000万、Bの希望的観測でも2,000万の赤字が積みあがることが判明したのです。

■社長、部長、営業担当者の対応

その数字が出た後、オイラは単身で先方に乗り込み、社長、部長、営業担当者と対峙し、実績と事業計画の乖離を指摘した上で、早急の買い取りを申し出しました。

しかし、契約書を盾に話しをしようともしません。この話、長くなりましたね…( 笑 )。今回で終わりそうにありませんので、続きは次回とさせていただきます。

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健美家不動産投資コラム

プロフィール

■ 極東船長さん(きょくとうせんちょう)

極東船長さん

船長のブログ
極東船長の子供たちに伝えたいこと徒然

北海道の東の町在住
10棟300室の大家

■ 経歴

□1958年、北海道生まれ

高校卒業後、家業である漁業を継ぎ乗船、24歳から船長になる

□1993年(35才)
船の転覆を機に陸の仕事に就く。
収入が激減し、投資の勉強を開始。

□1995年(37才)
1棟目、札幌市内の中古APを購入(1DK×8戸、築5年)⇒売却

□1998年(40才)
2棟目、札幌市内の中古APを購入(1K×14戸、築10年)⇒売却

□2004年(46才)
3棟目、新築APを札幌市内に建てる(1DK×15戸、土地から取得して新築)⇒売却

□2005年(47才)
4棟目、苫小牧市内の中古APを購入(1DK×10戸、築7年)⇒売却

□2005年(47才)
5棟目、苫小牧市内の中古APを購入(1K2戸×2DK×4戸、築10年)⇒売却

□2006年(48才)
6棟目、札幌市内に新築APを建てる(1LDK×8室、新築)

□2007年(49才)
7棟目、道東某市内に中古APを購入(1DK×12室、築3年)

□2007年(49才)
8棟目、道東某市内に中古APを購入(1DK×20室、築4年)

他にも都内区分、中国区分、苫小牧の中古AP等、様々な物件の売買を続けながら、徐々に規模を拡大。

□2009〜2017年(51〜59才)
札幌市中央区にRCマンション11棟を新築(うち3棟売却済)

□2018年(60才)
所有物件は個人と法人合わせて20棟450室

家賃年収は4億強、諸経費控除後の税引き前CFは1億強、税引き後CFで8千万円

※物件は常に売買しているため、タイミングによって変わります。

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