目先だけを見ると見えないことも、長期で考えると見えてくることがあります。ですから、オイラはなるべく長期で物事を考えるように自分を戒めるようにしています。
60年間のオイラ生まれた田舎町の土地価格はどのように推移をしたのかを一例としてご紹介します。恐らく、日本中の田舎町では同じような事があちこちで起きていると推察されます。

■ 62年前は札幌の土地も道東の土地も同じ坪単価だった
オイラがまだ生まれていなかった62年前、亡き父が建てた極東の自宅の土地価格は、坪単価が5千円〜1万程度だったと聞きました。田舎町でも水産業が盛んで、北海道の中でも隆盛を極めていた極東の町の中心部の水準です。
オイラの生まれた家のあたりはその後インフラ整備が進み、前面道路が舗装され、下水整備がされた1975年ころには坪5万の声を聞くまで値上がりをしました。そして1985年ころ、坪10万オーバーとなりましたが、現在は坪5万程度まで値下がりしています。
そもそも売り物の土地も少ないのですが、出てきても坪5万で売れるかどうかという微妙な寂れたエリアになりました。
しかし、オイラの地元は今でも賃貸物件の新築供給が少ないため、空室率はものすごく低いのです。同じように空室率の低い地方エリアは全国にあるはずです。賃貸業だけで言えば、競争の激しい札幌で行うよりも格段に安定するはずです。
このオイラの生家でもある極東の自宅用地は100坪ほどありました。元々は父が購入したものではなく、隣の地主から父の長兄が購入した土地でした。
一方で、父は当時、札幌市東区で約100坪の土地をアパート建築のために購入していたそうです。しかし、アパートを建てる予定だったこの土地には建物を建てることなく手放すことになりました。
それは当時、父がオイラの母親と結婚が決まり、極東の地に自宅を建てる必要が生じたためです。そして、長兄の持っていた極東の土地100坪と、札幌市内にアパート建築用に購入した土地100坪を交換したのだそうです。
62年前は、札幌市の土地も極東の土地も坪1万円程度でした。ところが現在、その差は数倍にもなります。今ですと札幌市の旧所有地は最低でも坪30万はします。一方、田舎はすでに書いたように、坪5万でも売れるかわからない状態です。
何が言いたいかと言えば、時間というものは残酷であり、取り返すことはできないものだということです。父は結局、札幌にはアパートを建てることなくこの世を去りました。
「 あの時に兄と土地を交換せず、他から借金をしてでも自宅用地を購入すれば良かった 」「 札幌にアパートを建てていたら、漁業経営も多少は安定していたのに 」と悔やんでいましたが、後悔するだけで、その後も札幌にアパートを建てようとはしませんでした。

■ チャンスがあれば挑戦し続けることが親孝行になる
オイラはアパート経営を始めたきっかけをいつも、「 3人の子供の大学費用を捻出する為 」と述べています。これは事実ですし、オイラの原動力の一つであったことは間違いありません。しかし、その当初の目的も、ほぼ終わりに近づいています。
それでも不動産投資を辞めないのは、実はオイラの根幹はもっと深いところにあり、「 後悔を吐露する父のようには決して成りたくなかった 」という思いの積み重ねがそこには関係しています。
親との価値観の相違はなかなか難しい問題です。ロバート・キヨサキ氏も本の中に自分の父親との価値観の葛藤を描いていますが、まさに同じような葛藤をオイラも経験しました。
今現在、オイラは還暦を過ぎて新築のマンションを35年という長いローンを組んで建設しています。仮に完済まで持ちきると95歳にもなりますが、これは一つにはオイラの自分の価値観に対する挑戦の一つです。
そして、父親が出来なかったことを、亡くなった頃の父と同じ年頃になったオイラがすることが、亡き父への親孝行だと思っています。
あと1年ほど過ぎると父が他界した時と同じ年齢になりますが、その時にオイラ自身がどう感じ、どう思うのか…。今は分かりませんが、生きているうちに出来ることは限りがあります。だからこそ、「 チャンスがあれば挑戦し続ける 」との考えがオイラにはあります。
さて、今回は個人的なことを書きましたが、現在の市況で不動産投資に参入する前に十分考えなければならないことがあります。
それは自分には、「 使える時間がどれくらいあるか? 」「 使える時間をどれくらい創れるか 」ということです。
人生の残りの時間を逆算したとき、「 どれくらい長期に不動産投資に取り組みが出来るか 」「 どれくらい勉強や学びに時間を使えるか 」。これを真剣に考えなければなりません。
今のような市況でも仮に20年の時間が使える人ならば、20年を待たずにその人が望んだ十分な規模や充分なキャッシュフローを得ることはそんなに難しいことではないでしょう。
これが10年の時間だと確立は四分の一の25%程度に落ちるでしょう。さらに5年だと5%くらいしか成功確率がないかもしれません。今、お金がないのに不動産投資ですぐにお金を稼ぐつもりなら宝くじやギャンブルに近い確率になるかもしれません。

■ 若い不動産投資家たちに伝えたいこと
セミナーを開くと、会場には新しくこれから不動産投資を始めたいという若者が増えています。明らかにまた時代も人も変わってきていると実感します。
今、新しく入ってきて市況が悪いと諦めるのか、またはこんな状態からスタートすれば、必ず今より良くなると自分を信じて勉強するのかで未来が変わってきます。
不動産投資に対する融資が厳しくなった状況下では、融資には過度に依存しない不動産投資の形から初心者は始めるべきでしょう。「 サラリーマン大家 」にお金を貸さないと銀行さんが言うならば、「 不動産賃貸業の経営者 」として5年ほど実績を積めば良いだけの話です。
本業が不動産賃貸業でサラリーマンが副業なら、今と同じスタンスの銀行さんでも文句は言わないでしょう。一番大切なのは、次のチャンスを迎えるまで、不動産投資の世界から撤退させられないようにすることです。
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