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売却した2棟を現在まで持ち続けていたら、いくら儲かっていたのか?

極東の船長さん_画像 極東の船長さん 第89話 著者のプロフィールを見る

2019/12/18 掲載

今年最後のコラムになりました。2019年の皆さんの不動産投資の成果はいかがしたでしょうか? 

売却や購入が上手くいった方もいる一方で、なかなか前に進めず悶々としている方もいるでしょう。でも、大丈夫です。不動産投資への窓口はどこかで必ず開きますから他人とは比べずに、自分に合った戦略や手法が見つかるまでは焦らないことです。

収益不動産の一番の強みは、時間と他人のお金を使って資産を増やすことが出来ることです。正月休みには家族年表や自己資金表、自分の経歴などを棚卸して、戦略を練ることも良いと思います。

■ オーナーが変わって10年もすれば全く違う物件

さて、オイラが15年前に買って、リフォームをして数年間所有した後で売却した2棟のアパートの「 今 」を見に行ったという前回のコラムの続きです。

現地に見学に行くと、1棟目は8室中7室の入居でしたが、2棟目は14室中2室の入居。固定資産税を支払うと、たぶんもう手残りしないような状態であることがわかりました。

持ち主はなぜ、このような状態で放置しているのでしょうか? 思い起こせば、2棟目の買主さんは札幌市内で事業をして成功された方のようで、余裕資金でオイラから現金決済で物件を購入した方でした。

この2棟目はレオパレス物件で、本州と同じ仕様の安普請の外装サイディング板を使っていました。北海道のような寒冷地で生じる凍害には対応していないため、オイラの購入した時はかなりの部分がボロボロになっていました。

オイラは購入後、すぐにそのボロボロになっていた外装板の一部をガルバニウム鋼板に貼替し、屋根・外壁塗装を施しました。その10年後にも、外装と共用部の塗装を施して状態を良く保つために、結構なお金をかけました。

その甲斐あって、オイラの所有期間は、高入居率を保ってくれました。いつから、このような状態になったのでしょうか…。

オイラが持っていた時は、同じように高稼働で運営できていた2つの物件ですが、オーナーが変わり10年も経過すると、全く違ったものになっています。これが、不動産賃貸業といえます。

木造の法定耐用年数は22年ですが、実際には少し手を入れれば30年以上使えることが、前回のコラムに書いた1棟目の事例で分かります。反面、手を抜くと2棟目のように30年でスラム状態になることも分かります。

投資家としては、やる気のない現オーナーから、ガラガラの2棟目の方を相場よりも安く購入することが狙い目なのかもしれません。しかし、やる気がないというのは単なる想像です。実際には全く違う可能性もあります。

もしかしたら、2棟目レオパレスのオーナーは、現在の土地値の市況が良いのを承知で、「 解体更地にすべく、積極的に募集をしていない 」だけなのかもしれません。

逆に、そんな考えはなく、本当にただ放置されているなら、こちらを土地値マイナス解体費くらいの価格で購入して、もう一度満室に再生できれば、絶対に損をしない投資にすることが出来るはずです。

もちろん、安易な指値は却下される可能性もあります。しかし、それでもめげずに「 価値>価格 」の案件を探し続けなければなりません。

また、実際には、物件価値とは投資家の職業・年齢・資産背景・家族構成などそれぞれの立場で違ってくるはずですから、自分の立ち位置で「 価値ある不動産 」を探して欲しいと思います。

■ 現在まで持ち続けていたら、いくら儲かっていたのか?

話を戻します。ほぼ同じ5千万弱で購入した1棟目と2棟目ですが、同時期に売却した際には、2棟目の方が多くお金が残りました。

それは、購入した際の借入の条件や物件利回りが違っていたことも関係してきますし、売却時の残債や立地による土地値の差も影響しています。下にまとめます。

【 1棟目 】
購入価格:4,800万(築5年)
表面利回り:10%
融資:金利4.5%(10年固定)ローン年数17年
スペック:土地65坪 1DK×8室 

売却時:15年間運営(築19年)
売値2,650万、表面利回り14.5%(満室家賃384万)
売却時にはローン期間が3年弱残っており、残債600万

【 2棟目 】
購入価格:4,700万(築10年)
表面利回り12%
融資:金利3.5%(10年固定)ローン年数10年
スペック:土地74坪 1K×14室

売却時:12年間運営(築21年)
売値3,800万、表面利回り13.2%(満室家賃504万)
売却時には残債なし

ここからは仮説ですが、オイラがもし売却しないで現在も2棟とも持ち続けて、今年売却したとしてみましょう。( 単純にするため税金は考慮しません )

1棟目はそのまま順調にローンを返済していたら、平成24年6月にローンを完済していたことになります。そこから現在までの7年間の収入は満室時で月額32万でしたから、8掛けにしても月額25万程度になり、年収300万から運営費を控除して年間手残り250万としましょう。

すると、現在までに1,750万の収入。現在の市況での土地値は、保守的にみても「( 坪単価 )40万×( 敷地面積 )65坪=2,600万 」以上の価値がありますから、収入と土地合計で4,350万。まとめると、自己資金1,500万が30年で3倍弱になったことに成ります。

更に、これからも10年間に渡り、年間で家賃を200万は稼いでくれそうですから、10年後には土地時価と収入の合計が6,350万となり、自己資金を4倍以上に出来ることになります。

■ 失敗のリスクは時間とともに減らすことができる

上記の例からは、不動産投資で時間を長く使える人は、失敗のリスクを時間と共に減らすことができ、更には借入返済後には盤石の資産を作っていけることがわかります。

しかし、その30年や40年の時間というのは、若者であれば途方もなく長い時間に感じるはずです。それが年齢差による時間軸の感じ方ですので、仕方がありません。

その想像が出来ないくらい長~~い先の時間を想像で出来るようになるためには、“先の時間”を経過した、古い物件を見て歩くことがおすすめです。

オイラがこの1棟目を購入したのは、バブル崩壊が世間一般にも顕在化した時期です。その最初の1棟目の購入資金を貸してくれた北海道拓殖銀行は3年後には消滅しました。その後の10年も、土地の下落が全国的に続きました。

それでも自己資金を回収出来て、大きな失敗もなく次に繋げることが出来たのは。途中で手をかけたのもありますが、基本的には家賃が景気の大きな波にあまり影響を受けず、急激には下がらなかったからです。5万の家賃が一年で3万にはなりませんよね?

もうひとつ、2棟目をもしも持ち続けていたらどうだったでしょうか? こちらについては、来年のコラムで書きたいと思います。

今年一年お付き合いくださりありがとうございました。皆さまにとって、来年が良い投資年になることをご祈念して今年のコラムを終わります。

年明けは1月18日( 土 )にペンタさん講師の健美家パートナーセミナーがあります。参加される皆さん、会場でお待ちしています。

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※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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プロフィール

極東の船長さん

極東の船長さんきょくとうのせんちょう

北海道の東の町出身、現在は札幌在住
専業大家

プロフィールの詳細を見る

経歴
  • □1958年、北海道生まれ
    高校卒業後、家業である漁業を継ぎ乗船、24歳から船長になる

    □1993年(35才)
    船の転覆を機に陸の仕事に就く。
    収入が激減し、投資の勉強を開始。

    □1995年(37才)
    1棟目、札幌市内の中古APを購入(1DK×8戸、築5年)⇒売却

    □1998年(40才)
    2棟目、札幌市内の中古APを購入(1K×14戸、築10年)⇒売却

    □2004年(46才)
    3棟目、新築APを札幌市内に建てる(1DK×15戸、土地から取得して新築)⇒売却

    □2005年(47才)
    4棟目、苫小牧市内の中古APを購入(1DK×10戸、築7年)⇒売却
    5棟目、苫小牧市内の中古APを購入(1K2戸×2DK×4戸、築10年)⇒売却

    □2006年(48才)
    6棟目、札幌市内に新築APを建てる(1LDK×8室、新築)

    □2007年(49才)
    7棟目、道東某市内に中古APを購入(1DK×12室、築3年)

    □2007年(49才)
    8棟目、道東某市内に中古APを購入(1DK×20室、築4年)

    他にも都内区分、中国区分、苫小牧の中古AP等、様々な物件の売買を続けながら、徐々に規模を拡大。
    個人で借入3億を目の前にして拡大の壁に当たる

    □2010~2021年(51~62才)
    札幌に法人設立し個人物件をほぼ売却し法人として規模拡大

    □2022年(63才)
    所有物件
    木造AP10棟
    低層RCマンション22棟
    高層 RCマンション 4棟
    合計39棟836室

    □2023年9月(65才)
    総投資額130億超
    借入残100億 家賃9.5億 税引前CF3億 元利返済4.7億

    売却済み21棟352室
    売却益10億

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