ポールさんとタイマンさんによる対談の第3回目です。岡山のコミュニティの人たちがガンガン不動産を買っている姿を見て刺激を受けて、さらに買い続けようと気合いが入ったというタイマンさん。今回は彼らが体験した市況についてのお話から始まります。
■ 僕らがまだ経験したことのない下降トレンド、船長の言葉に学べ!
ポールさん
タイマンさんは市況的に下降トレンドっていうのは経験されたことはあるんですか?
タイマンさん
僕が始めた当時、市況は大底だったと思います。だから岡山でも15%以上のRCがゴロゴロしていて、ネットで普通に売れ残っていてしばらく売れてないようなのもたくさんありました。でも当時はアベノミクスの少し前くらいで、初年度は借りにくかったんですけど、その翌年ぐらいからアベノミクスが始まって融資が緩くなっていく時期に突入していきました。
2010年に3,700万円で初めて購入したRC。購入時利回り17%!
ポールさん
僕もアベノミクス後から始めたんで、上昇トレンドで成功した部類です。その時からずっと価格が高いと言われていて、そのままどんどん高くなってきたんですよね。その時に借金を増やすのは、上昇相場でインフレだからいいとして、もし下降トレンドに来た時にどうなるのかについて、どう考えていますか?
タイマンさん
常に高いと言われ続けて、そういう下降トレンドが来た時の恐怖があったから、もう早く借金を返して、そろそろ何が来てもいい、キャッシュフローだけで生きていけるようにという状態を作ろうと思っていました。それが根本にあったので、高利回りの物件ばかりを集めていたという部分があります。
ポールさん
下降トレンドってみんなまだ経験してないですもんね。まわりでは船長だけ経験したらしいですけど。その船長がね。リーマンショックの時に、世界でとんでもない事件が起きた、日本中めちゃくちゃになるぞって言われていた時に、船長は逆に最大のチャンスが来たと言って、買っていたという話を聞いたことがあります。
僕たちにはが借金があるじゃないですか。今リーマンショック級が来たら、果たしてそう言えるのかなって思います。僕も借金が結構あるので。ところで金利は今どのぐらいですか?何%まで大丈夫というような目安はありますか?
タイマンさん
今、僕は1〜1.5%ぐらいの間の金利ですね。3%くらいまでなら大丈夫と言う考えです。
ポールさん
地主扱いみたいな金利で良いですね!今から始めるサラリーマンだと、2.5%ぐらいが相場なんじゃないですか?信金さんとか割と高めで、僕は2.1〜2.3%ぐらい。この前変動で僕とふんどし王子、二人とも同じ銀行で同じように上がっていましたよ。でも地銀だったら1.5%以下とかありますよね。
■ 遅延トラブル続出!東京に夢の新築RCを建てる
ポールさん
ところでタイマンさんは東京に新築RCを建てられるとお聞きしました。土地を買うところから完成まで、どれぐらいかかるんですか?
タイマンさん
まず塾から土地の紹介があったんです。最初渋谷の土地を紹介してもらいました。土地建物の総投資額で1.5億円ぐらいの案件で、銀行に持ち込みましたが、そこは審査に時間がかかり過ぎて承認は出ましたが他の方に買われました。その次に紹介された案件が今取り組んでいるもので、同じような規模でした。銀行から渋谷と似た案件だからいけるとの回答をもらい、買付けを入れました。
ポールさん
自己資金いくらぐらい入れたんですか?
タイマンさん
銀行から2割と事前に言われていたので、3,000万円です。ちなみに4階建ての7戸で土地は53平米くらい。もう本当に小さいです。場所は四谷駅徒歩10分です。その融資が承認されたという連絡を担当さんからもらい、土地の買付けを入れた時が僕の投資家人生で最もハッピーな時間だったと思います。
2021年5月に契約して、決済が7月で、無事土地融資も出て、土地が買えました。そして土地が6,500万、建物が7,500万で計1.4億の概算見積りが出ました。そこから工程表を見せてもらって、年内に着工して翌年の秋ぐらいに竣工ぐらいのスケジュール感だったんです。
そこから地盤調査など色々やっていると、年内に確認申請はちょっと難しいということになりまして。その設計会社に依頼しなくてはいけない契約にもなっているから、お任せしていた僕にもちょっと責任があったのですが、そのまま任せていればいいのかな、という感じで、あまり何も言わなかったんです。
ポールさん
ということは、そこからスケジュールが延びていくんですね?
タイマンさん
そうなんです。ズルズルと延びて、年明けに現地の地域住民への説明会があるので、来てくれと言う話が出ました。そこで問題が発生しまして。前面が結構細い私道だったのですが、近隣の人からそこを使うなと言われてしまいました。その後ろに新宿区が持っている駐車場のような土地があるので、そこを借りて工事しないと建てさせないという話でした。
3ヶ月ほどして、仕方ないのでそれで行こうということになりまして、確認申請の図面ができたのが2022年の3月ぐらい。それで、申請したんです。そうしたらまた問題が発覚しまして。
ポールさん
大変ですね、なかなかスムーズに行きませんね。
タイマンさん
ちょっと離れたところに崖があったんですが、僕の土地にも崖規制がかかっているということが判明したんです。それにかかっていると、隣地から1.5メートル離さないと建物を建ててはいけないと言われまして。
当初すごく綺麗な、長方形の建築プランだったんですが、条件を入れていくとちょっとL字型になってしまって。それは完全に設計会社が見落としていたミスでした。そこでまた図面を作り直して、6月ぐらいに、再度確認申請。その時点で半年くらい遅れているんです。
ポールさん
銀行は何か言ってきませんでしたか?
タイマンさん
言ってきましたよ!僕がその都度進捗報告しては、ことごとくずれ込んでいくので、僕が嘘をついているように思われて、大変でした。次に起きた問題は、前面道路がすごく細くて、しかも少し曲線になっているので、今度は斜線制限に引っかかり、4階の間取りをまた変更しなくてはいけなくなり設計やり直しです。何やかんやでやっと2022年の9月に確認申請がおりたんです。
申請が無事おりて10月にいよいよ着工となり、ちょっとウキウキになったんですが、そこでまた大問題が発生しました。予定していた工務店が「忙しくてできない」と直前に言ってきて。着工は翌年の2月から3月になると言われて。そこから慌てて別の工務店にあたってもらい、またそこで1ヶ月ぐらい遅れました。10月着工予定だったのが結局12月になりました。
そこから正式に打ち合わせして見積りが出たのが、つい最近です。上がってきた見積りを見て驚いたんですが、2021年の4月に出ていた7,500万円から2,000万円ぐらい上乗せされていました。建築費が1億弱になったんです。
ポールさん
今建築費が高騰していますからね。そうなると利回りが相当変わってきますよね。
タイマンさん
はい。当初6.2%の想定だったんですけど、5.3%ぐらいまで落ちてしまいました。この1年で建築費が上がっているのは僕も知っていたので、仕方ないと思っています。結局、銀行に頼み込んでその増加分を追加融資してもらえることになったのでなんとかなりましたが。
ポールさん
でもこれ、融資が付くとは限らないし、お金がない人だったら、詰むじゃないですか。
タイマンさん
本当にそうですよ。ほんともう最後、自己資金でなんとかしないといけない世界です。だから最悪は岡山の所有物件を売るしかないと思っていて、ある程度売る物件の目星をつけています。最悪銀行が貸してくれなかったら、売ろうと思っています。
ポールさん
もう、東京の新築と心中ですね。
タイマンさん
今後は建築費も下がらないだろうと思っているので、今建てた方がいいと思っています。次建てようと思っても建てられないかもしれないと思うと、多少利回りが下がっても、このまま頑張って自分の身を削ってでも東京で建てておくべきだと思っています。
7,500万円が1億円になった建築費を、なんとか努力してちょっとでも圧縮していけないかな、と今業者に相談しているところです。1棟目の竣工は今年の11月末予定になります。
今回なぜそんなに遅れたのかというと、当時塾の提携設計会社がその1社しかなくて、窓口担当者は一人でした。そこに塾生が一気に建てるじゃないですか。メールしても返事が来ないし、電話してもコールバックが来ないし、何度も不安になりました。
ポールさん
なるほど、完全にパンク状態になっていますよね。
タイマンさん
そうなんです。連絡が取れても、そこからまたさらに遅れが出て、不具合が出ては遅れ、という具合で。それで気づいたら、大幅に遅れているという状況でした。現在は提携設計会社も増えてかなり改善されています。
■ 容積率オーバーが発覚!想定利回り6%で高田馬場に2棟目を建てる
ポールさん
もう1棟の場所はどちらなんですか?
タイマンさん
高田馬場駅徒歩5分です。2棟目は2021年の年末ぐらいに自分で土地を見つけて2022年の4月に買いました。今回は確認申請まで割と早かったですね。ただ、ちょっと問題がありまして。
当初のプランでは5階建9戸の予定でしたが、実際に確定測量したら前面道路の関係で容積率問題が発覚したんです。前面道路って隣接している道路の幅員だけが対象になるのかと思っていたら、新宿区の見解によると、次の交差点までの一番狭いところを基準にしてその数値を採用すると言われました。
結果容積率オーバーになって9戸は入らなくなってしまいましたが、8戸でも十分利回りは出そうだったのでプロジェクトは進めました。全部入っていたら想定7%だったので残念でしたね。
ポールさん
じゃあ高田馬場は本当に良かったですね。
タイマンさん
たまたま運が良くて、不動産屋に問い合わせた時に既に3人買付が入っていたんですよ。でもその人たちは木造で建てようとしていたのですが、物件のすぐ隣に擁壁があって、RCしか建築できないという規制があったんです。
だから木造の人たちが撃沈しちゃったんですよ。おかげで順番が回ってきて。ラッキーと思い、擁壁リスクもあったので指値を入れてみたのですが、それがまた通って。3人とも失敗したから売主が弱気になったみたいです。
ポールさん
それは持っていますね!どれくらいで指したんですか?
タイマンさん
売値が6,000万円だったのを、5,000万円で指値をしたところ、ちょっと戻されて5,300万円になりました。
ポールさん
めっちゃいいじゃないですか!
タイマンさん
だから7%いけるって調子に乗っていたんです。そんな中で容積率のトラブルがあって8戸になりましたが、それでも6%台後半です。でも多分建築費が上がるので、まだ見積りは出ていないのですが、5%台後半ぐらいまで下がるんじゃないかなと思っています。
最後に払わなければいけない竣工時の建築費が秋ぐらいに発生するのですが、それが今手元にないのが、とても不安です(笑)
ポールさん
あ、それは綱渡りですよね!
タイマンさん
綱渡りですよ。ポールさんの1棟目みたいに、もう1年かけて何か物販で売っていかなきゃいけないと思っています。ポールさん何かアドバイスありませんか?(笑)
( 編集後記 )
東京でのRC新築はトラブル続きで大変だったようですね。次回は最終回。実はポールさんも富山でタイマンさんと同じようなトラブルを見聞きしてきたということです。どういうことなのでしょうか。ご期待ください!( 担当:T )