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銀行のエビデンスチェック厳格化で困る人たち。「共食い大家」増加の背景にあるもの。

大家対談/川村龍平×岡元公夫さん_画像


投資家なら誰もが気になる融資動向をテーマに、元金融機関勤務で現在は不動産投資家である岡元公夫さんと川村龍平さんのお二人に語り合っていただく大家対談の2回目。

今回は、ここ数年の物件高騰の一因を担ったともいわれる二重売買契約を行う業者や、初心者を食い物にするコンサルタントなど、業界のダークサイドの部分に切り込みます。

参照:フルローン・低金利時代は終焉へ。「 頭金3割 」が求められる近未来に起こること。

不動産投資勉強会の様子

銀行のエビデンスチェックの厳格化で困る人たち

川村龍平さん
金融緩和政策で緩くなっていた融資が元のような状態に戻れば、投資家だけでなく、不動産会社にも影響が出てきます。ここ数年で台頭した会社の中には、収益物件から手を引くところも出てくるはずです。

岡元公夫さん
そう思います。私は以前、メガバンクに勤務していたので、サラリーマン大家さんに、「 岡元さんのいた銀行も、フルローンを出していますよね。私の知り合いが借りました 」などと言われることがあります。

でも、その銀行はここ数年、サラリーマン大家さんにフルローンは出していません。では、なぜそんな話が広まるかというと、二重売買契約を使って、サラリーマン大家にフルローンをつける業者が暗躍しているからです。

川村龍平さん
一部の中間省略売買を行う業者では、当たり前のようにこの手法でフルローンをつけていましたよね。

岡元公夫さん
ここでターニングポイントになったと思うのが、新築シェアハウスのサブリース停止問題です。この件では通帳の偽造等が問題視され、金融庁も動いています。今後、間違いなくエビデンスのチェックは厳しくなっていきます

預金通帳は本物か、急に増えたお金は見せ金ではないか、レントロールに不自然な点はないか等、今までならサッと通っていたところが細かくチェックされるはずです。さらに、取得後の確定申告や法人決算による確認も厳しくなれば、二重売買契約は通用しなくなるでしょう。



川村龍平さん
エビデンスのチェックはすでに厳しくなっており、中間省略系の会社の中には規模を縮小するところも出ています。そこまでやらなければ、悪質な業者が儲かってしまう業界というのも、悲しい話ですが。

「 共食い大家さん 」と「 キラキラ大家さん 」が生まれた理由

岡元公夫さん
私が気になっているのは、不動産会社だけでなく、不動産投資家からコンサルタントに転身した人たちの中に、そうした業者と手を組んでいる人が少なくないということです。

昔から、不動産業界にはグレーな手法がありましたが、不動産のプロではない投資家が、こんなことをするなんて前代未聞です。

川村龍平さん
二重売買契約だけでなく、消費税還付も一法人一物件スキームも、サラリーマン大家さんが自発的に始めたわけではなく、物件を売るためにそれをすすめる不動産業者と、自称コンサルタントたちが結託して業界に広めたものです。

そういう自称コンサルタントになった人に久しぶりに会うと、昔はこんな感じじゃなかったのに…と複雑な気持ちになります。

岡元公夫さん
本当ですね。君も、あっちに行っちゃったのか…と。

川村龍平さん
彼らだって、よくないことに加担しているという意識はあるはずです。それでも手を染めるのは、セミリタイアした後で思ったほどお金が残らないとわかり、やむを得ずということだと思います。

よっぽどおかしな物件でなければ、買ってから5〜6年は誰でも儲かるんです。問題は、7年目以降のきつい時期をどう乗り越えるか。そんな基本的なことを知らずに会社を辞める人が多いから驚きます。

生活のために物件を売るか、コンサルタントになって業者からキックバックをもらうかという選択肢しかないとなれば、後者を選ぶ人がいるのも当然でしょう。

岡元公夫さん
ああ、そうでしょうね。

川村龍平さん
嫌なのは、彼らのやり口が巧妙なことです。自分はサラリーマン大家側の人間だという顔をして、実際は相手をカモとして見ている。不動産会社なら警戒するという人も、相手が大家だと、気を許しやすくなります。

実際に、僕のところにも「 〇〇さんにすすめられて買った物件が赤字で困っている 」という相談がいくつもありますよ。

岡元公夫さん
ある人気ブロガーさんが、彼らのことを「 共食い大家 」と書いていましたが、いい得て妙ですよね。他に、豪華な食事や海外旅行の写真で自分を憧れの対象にして集客する大家のことは「 キラキラ系大家 」というそうです。

川村龍平さん
うーん、何人かの顔が頭に浮かびました・・・。



岡元公夫さん
共食い大家さんやキラキラ大家さんたちから見ると、自分の知り合いを不動産会社に紹介して、その人が物件を買うと手数料がもらえるというビジネスモデルですから、どうしても「 買える物件 」を紹介することになります。

それがいい物件なら問題ないのですが、ここ数年は価格が上がり、それは困難です。その結果、「 融資がつく 」以外は、いいところのない地方の大型物件などを紹介することになる。おまけに、その融資も高金利だったりするので、大変です。

変わる「 大家の会 」で落とし穴にはまらないために

川村龍平さん
中には、自分が騙されているということに気づいていない人もいます。物件を紹介してくれるのが、本を出していて、業界では有名な大家さんだったりするので、「 あんな有名な人が悪いことをするわけがない 」と信じているんです。

残念なことに、その出会いの場を作っているのが、大家の会だったりします。黎明期は、大家さんどうしの情報交換のための会が多かったのですが、今はビジネスとして運営されている会も増えていますから。

岡元公夫さん
大家の会にも、いろいろな運営形態があります。私は大家さん同士の互助会としての大家の会ではなく、事業として運営されている大家の会が会員を相手にビジネスをすること自体は悪いことだと思いません。

問題は、どんな内容のビジネスをしているか。会員に物件を紹介して業者にキックバックをもらうだけでなく、ビットコインやFX、ネットワークビジネスなどを紹介している会もありますね。主宰者が自分( 自社 )の物件を会員に売却することも珍しくなくなってきました。

川村龍平さん
うーん、自分も勉強会を主催していますが、そこで儲けようという気持ちはまったくありません。自宅の地下室をセミナールームにしたので、収支でいえば完全にマイナスです。

それでも、失敗する人を減らしたくて続けています。勉強会に行って落とし穴にはまるなんて、腹が立ちます。


川村さんの主宰する「東京築古組」の勉強会の様子

強く言いたいのは「何をするにも勉強しないとダメ」ということ

岡元公夫さん
川村さんの会もそうですが、正しい情報を教えてくれたり、人脈を築けたり、大家にメリットのある会ももちろん多くあります。私もいくつか勉強会に入っていて、情報収集もそうですが、皆と会うのが楽しみにもなっています。

川村龍平さん
私もそうです。

岡元公夫さん
勉強会で楽しいのは懇親会ですが( 笑 )、一番価値があるのは、物件見学会ではないでしょうか。不動産はリアルエステートですから、「 現物 」を見ることが大切です。

新しく不動産投資を始めた人は、本を読んだり、カリスマ大家さんのセミナーに行ったりすることには熱心ですが、物件を見ている数が少ないように思います。

川村龍平さん
本当ですね。仲間の物件を見ることで、「 この物件がこの価格なのか。だったら、あの物件は高いな 」とか、相場観も身につきます。強く言いたいのは、何をやるにも、勉強しないとダメということです。


「東京築古組」の物件見学会の様子

初心者は会に参加するときは、その会の目的が何なのか、本当に会員のためになる会なのかを、考えてみて欲しいですね。見分け方としては、主宰者や講師がいいことばかりいう会は注意した方がいいと思います。不動産投資ってそんなに甘いものではありませんから。


編集後記
不動産投資には知識はもちろん、「人を見る目」が必要であることを感じる内容でした。それにしても「共食い大家」とは残念な言葉です。明日の3回目は、金融機関はこれからどのような形で不動産投資への融資を行っていくのか、という話題をお届けします。お楽しみに。

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健美家不動産投資コラム

プロフィール

■ 川村龍平(かわむら りょうへい)さん

川村さん

不動産賃貸業(家主業)
東京築古組代表理事
東京都在住

■ 経歴

□1987年
横浜国立大学経済学部卒業
第一勧業銀行入行

□1994年
第一勧業証券 市場営業本部 債券営業部に出向
債券トレーダーとして主に地方の機関投資家を担当、先物・国債・オプション・政地債を商い、売買高及び取引先数を四倍に拡大する

□2001年
モルガン・スタンレー証券入社
債券トレーダーとして機関投資家向けビジネスを行う

□2002年
渋谷に一棟ビルを購入し、サラリーマン大家となる
U
東京23区内を中心にビル、アパート、駐車場、バイク駐車場、ワンルーム等、約100戸を購入
U
□2005年
家賃が6,000万円になったのを機に専業大家となる
サラリーマン時代も現在も一貫して自主管理を行う

□2018年
現在の投資による収入は約1.2億円
不動産収入(100室で6,000万円)、太陽光発電(1メガで4,000万円)、金融資産の運用(2,000万円)

□2020年
全てのローンが完済する予定



■ 岡元公夫(おかもときみお)さん

岡元さん

亡き父と2代続けての元メガバンカー
実家は祖父の代からの小規模ながらの大家さん
東京築古組理事
東京都在住

■ 経歴

□1990年
学習院大学法学部卒業

三井住友銀行入行
銀行員時代は、東証一部上場の大手不動産会社から 個人の大家さんまで、融資主体に幅広く担当

□2004年
実家の跡を継ぎ、東京城北エリアでマンション・アパート・戸建を取得開始

□2008年2月
不動産賃貸業の修行の為、不動産開発・運営会社に転職し、プロパティマネジメントの責任者となる

□2009年10月
不動産収入が年間6,000万円ほどになり、デッドクロスもクリアできる目途がついたことから、サラリーマンを卒業

□2011年
東京エステートバンク株式会社(東京房屋R)を設立
国内・台湾・中国の投資家・会社経営者の方にコンサルティングを行っている

□2018年
東京23区内に、マンション、アパート、猫の飼えるシェアハウス、築古戸建、区分マンション、バイクガレージ等、様々な物件を所有。
家賃年収は約8,000万円

■ 著書

岡元さん1冊目
元手100万円から! 気軽で手ごろなマンション投資で年800万円稼ぐ方法(明日香出版社)

岡元さん2冊目
はじめての不動産投資1年生 儲かるしくみと損する理由(わけ)がわかる本 (アスカビジネス)


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